直木賞作家・千早茜さんが紡ぐ、10の夜の物語『眠れない夜のために』が刊行 挿絵は西淑さん
直木賞作家・千早茜さんによる「眠れない夜」をテーマにした10篇の物語に、人気イラストレーター・西淑さんが挿絵を手がけた短編集『眠れない夜のために』が平凡社より刊行されました。
また今日も、眠れない――。
「眠らなくてはと、まぶたを閉じる。けれど、目の奥にすこんとした空洞がある」。家族が寝静まった深夜、ひとり台所に佇む時間──第一夜「空洞」
「夜にあるのは、見えない恐ろしさではなく、見ようとしてしまう恐ろしさ」。美しい刺繡を生業とする「わたし」の暮らす土地に、ある日旅人が訪れて──第八夜「繡(うつく)しい夜」
「夜の底の黄金よ、君の寝顔は本当に変わらないから、こんな静かな晩は永遠に続く夜に閉じ込められてしまったような心持ちになるのだ」。眠り続ける「君」の呼吸に、傍らで耳をすます──第九夜「寝息」
……ほか、10篇の「眠れない夜」をテーマにした短編を収録。
美しい挿絵を手がけるのは、絵描き・イラストレーターとして活躍し、『さんかく』『西洋菓子店プティ・フール』など千早作品の装画でも知られる西淑さん。
直木賞作家・千早茜さんが紡ぐ物語と、西淑さんによる幻想的な挿絵が、読者を夜の世界へと誘います。
千早茜さんよりメッセージ
目をさましていても、眠っていても、私にとって夜はどこか違う場所へつながる時間です。
夜のひとときで読める短い物語をつくってみました。小さな小さな世界を旅していただけたら幸いです。
著者プロフィール
■千早茜 (ちはや・あかね)
1979年生まれ、北海道出身。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。
2013年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、2021年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、2023年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。
著書に『男ともだち』『クローゼット』『神様の暇つぶし』『さんかく』『ひきなみ』『マリエ』『グリフィスの傷』『雷と走る』、食エッセイ「わるい食べもの」シリーズ、新井見枝香さんとの共著『胃が合うふたり』、尾崎世界観さんとの共著『犬も食わない』など。
■絵:西淑 (にし・しゅく) さん
福岡県出身。雑誌、広告、パッケージ、書籍の装幀などのイラストレーションを手がける。京都を拠点に活動中。
眠れない夜のために 千早 茜 (著), 西 淑 (イラスト) 直木賞作家・千早茜が紡ぐ、10の夜の物語。 |
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