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直木賞作家・千早茜さんが描く〈究極の愛のかたち〉『雷と走る』が刊行

直木賞作家・千早茜さんによる、切ない絆の物語『雷と走る』が河出書房新社より刊行されました。

 

雷のような逆毛を背負った「虎」という名の美しい犬…種を超えた心のつながりと、避けられない離別――。

『雷と走る』の主人公は、幼少の数年間、海外で暮らしていた過去を持つ女性・まどか。防犯のため塀に囲まれた邸宅と、インターナショナルスクールの校内を往復し、多国籍のクラスメイトたちや刺激的な海外の文化に触れた記憶がまどかの心に鮮明に焼きついています。

 
その時期に番犬用の仔犬として出会った、ローデシアン・リッジバックの「虎」。まどかと虎は、ともに愛情を感じあい唯一無二の相棒となりますが、数年後に虎は大きく成長して強い野性を垣間見せるようになってきます。

一家は日本への帰国にあたり、虎を連れて行かない決断をします。まどかは長い年月、そのときに抱えた傷を修復できずに暮らしています。

――本書は、直木賞作家・千早茜さんが描く、究極の愛のかたち。今までのどの作品とも違う、ほろ苦いラブストーリーです。

 
〈書店担当者からも感動の声!〉

もう逢えなくても、体の奥深くに刻まれるような愛の物語。二つの命が重なり合った、大切な想い出が残像のように、胸に残っています。
――紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん

獣の本能、人間から犬への愛、犬から人間への献身、恐ろしい美しさと生々しさ、汚さと尊さ。圧倒的な「生」の物語。
――田村書店 吹田さんくす店 村上望美さん

うっとりするほど美しい筆致と、艶やかで豊かな表現力には、どうしようもなく惹きつけられます。 
――紀伊國屋書店 久留米店 池尻真由美さん

虎には制御できない本能としての獣性があり、まどかには生きなければならない社会がある。それでも心の最深部まで行けるような得難い相手を忘れることはできないし、誰も代わりにはなれない。
――ジュンク堂書店 上本町店 光定真美子さん

犬との深い絆と、それでいて絶対に越えられない断絶とがまざまざと書き出されていて、胸が締め付けられるような虎への愛に、ものすごく感情移入してしまいました…。
――紀伊國屋書店 京橋店 坂上麻季さん

130ページほどの作品とはとても思えないほど、濃密!
――福岡金文堂 行橋店 富山未都さん

抱きしめたくなった。私が抱きしめたところで虎の代わりにならない。けれど、10歳のまどかを抱きしめて泣きたい。
――TSUTAYA 南古谷店 石木戸美穗子さん

今も昔も私が心の底から愛を向けられるのは犬だけ。痛みも恐怖も不安も愛しさも、全て共感してしまって、気がついたら涙が溢れていました。
――未来屋書店 碑文谷店 福原夏菜美さん

 

千早茜さんよりメッセージ

愛する犬を『飼う』ということについて、一生書きたくなかった気もするし、書いて救われてしまった部分もあります。
自分は物語にすることでしか気持ちを言語化できないのだと、あらためて思った作品です。

 

著者プロフィール

千早茜さん 【撮影:中林 香】

千早茜さん 【撮影:中林 香】

千早茜(ちはや・あかね)さんは、1979年生まれ、北海道出身。幼少期をアフリカで過ごす。立命館大学文学部卒業。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。翌年、同作にて第37回泉鏡花文学賞を受賞。

2013年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、2021年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞、2023年『しろがねの葉』で第168回直木賞を受賞。

著書に『男ともだち』『クローゼット』『神様の暇つぶし』『さんかく』『ひきなみ』『グリフィスの傷』、食エッセイ「わるい食べもの」シリーズ、新井見枝香さんとの共著『胃が合うふたり』、尾崎世界観さんとの共著『犬も食わない』など。

 

雷と走る
千早 茜 (著)

幼い自分を守ってくれたガードドッグの「虎」。虎は、私が所有した唯一の愛だった。直木賞作家が満を持して描く、犬と生きる真実。

 


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