「芳林堂書店と、10冊」第2シーズンより深堀骨さん『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』が復刊
株式会社書泉は復刊企画「芳林堂書店と、10冊」第2シーズンの第3弾として、深堀骨さん著『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』(早川書房)を復刊します。
伝説の奇作『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』を「芳林堂書店と、10冊」にて復刊販売
「書泉と、10冊」「芳林堂書店と、10冊」。この企画は、過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を、株式会社書泉と出版社、著者が協力し重版・復刊していくものです。
深堀骨さんは1992年、生涯初の創作「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」で第3回ハヤカワ・ミステリ・コンテストに佳作入選。その後「ミステリマガジン」「SFマガジン」で中短篇を発表し、それらを2003年に作品集『アマチャ・ズルチャ』として上梓しました。書名から強烈なセンスで一度聞くと忘れられないこの書籍は好事家に圧倒的な支持を受け、現在まで評判が語り草になっています。
いつかこの本を販売したいと芳林堂書店高田馬場店から早川書房へ相談していたところ、2024年9月。倉庫に奇跡的に残っていた在庫が発見され、芳林堂書店店頭での販売をスタートすると、残り少ない書籍を巡ってお客さん同士の購入レースが開幕。あっという間に在庫が枯渇し、現在に至るまで「まだ在庫が残っていませんか」と問い合わせが寄せられ続けるほどの反響がありました。この状況を受け、急遽この本の復刊販売が決定しました。
『アマチャ・ズルチャ』(早川書房)で鮮烈なデビューを飾り、単著2作目の発売が2023年『腿太郎伝説〈人呼んで、腿伝〉』(左右社)と、平均「20年に1作」を発表する超寡作の深堀骨さんですが、この度の復刊に合わせ、新作短編を書き下ろしました。こちらの貴重な作品を収録した小冊子が、今回復刊本を購入された方全員に無料で付きます。また、数量限定のサイン本販売も実施されます。
【あらすじ】
その街では、謎の奇病「バフ熱」に冒された男が食用洗濯鋏に余生を捧げ、「蚯蚓、赤ん坊、あるいは砂糖水の沼」の三面記事ほどに陳腐な溜め息を吐くコインロッカーがあった。しかしときには、加藤剛をこよなく愛する諜報員が「隠密行動」を展開し、国際謀略に巻き込まれた茸学の権威「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」が繰り広げられる街。謎の物体「飛び小母さん」が目撃者たちの人生にささやかな足跡を残し、とある人妻とマンホールが哀しき「愛の陥穽」に堕ちたのもまた、この街の片隅だった。あるいはまた、「トップレス獅子舞考」が試みられた風俗発祥の地、江戸幕府を揺るがした「闇鍋奉行」暗躍で歴史に刻まれる街―そう、柴刈天神前。このありふれた街と人に注がれた真摯な眼差しと洞察をもとに、現代文学から隔絶した孤高の筆が踊り叫ぶ、愛と浪漫と奇蹟の8篇。
著者・深堀骨さん コメント
ミステリが好きなのでミステリ専門誌のコンテストに応募して佳作入選した。でも出来た小説はミステリだか何だか分からない代物だった。これは居心地が悪いかとSF専門誌に鞍替えして書いたら、これまたSFだか何だか分からない代物になった。でも活字デビュー後11年目に「ハヤカワSFシリーズ Jコレクション」という叢書で短篇集を出してもらった。それから21年、相変らず何だか分からない小説を時たま書いてたら、一部の方々にあの本を非常に評価していただいたようで、この度復刊の暁と相成った。でも、この本の一番のファンは俺です。俺はこの本、マジ凄いと思ってます。
担当編集者・塩澤さん コメント
「深堀骨ベスト・オブ・ザ・ベスト・オブ・ザ・ベスト」を刊行しようとしたぐらいなので、この本の二番のファンは僕です。芳林堂書店様、いつもありがとうございます。
この企画を起案した芳林堂書店高田馬場店 店長・山本さん コメント
『アマチャ・ズルチャ』は1冊の書籍として、とても完成度の高い変な本だと思います。意味の分からないタイトルに加え、アートワークはイラストレーター・絵本画家の土橋とし子さん。親しみやすい絵柄でクセのある人物を挿画として沢山描き、柴刈天神前の世界観を作り上げています。作品はまさに寄せ鍋のイメージ。表紙のデザインはパッと見では本とは思えない「マッチ箱」となっておりまして、1話1話の短篇が火を熾すエネルギーを有しながら、日常では安全に配慮して何食わぬ顔で生活に馴染んでいるという。芳林堂書店は令和のマッチ売りの少女となりまして、この冬皆様へ復刊本を手渡ししてまいります。「アマチャ・ズルチャ、アマチャ・ズルチャはいりませんか・・・」
『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』予約について
■発売:早川書房
■判型:329P 19cm
■購入特典:深堀骨さん書き下ろし短篇収録冊子
■予約受付け期間:2024年12月31日(火)まで
■販売価格:税込2,970円
■予約受付け店舗
◎芳林堂書店:高田馬場店
◎書籍:書泉グランデ、書泉ブックタワー
◎書泉オンライン:https://shosen.tokyo/apps/note/?e-landing-page=amacha_zurucha
〔通常本〕https://shosen.tokyo/?pid=183420401
〔サイン本〕https://shosen.tokyo/?pid=183479566
■書籍発売日:2025年1月20日(予定)
【関連】
▼伝説の奇作『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』深堀骨 を「芳林堂書店と、10冊」にて復刊販売。 – SHOSEN ONLINE
◆「書泉と、10冊」第2シーズンより『中世のパン』が復刊 | 本のページ
◆「芳林堂書店と、10冊」第2シーズンより飛鳥部勝則さん『バラバの方を』が復刊 | 本のページ
◆木爾チレンさん『夏の匂いがする』宛名入りサイン本キャンペーンを開催 | 本のページ
◆「芳林堂書店と、10冊」第2シーズンより飛鳥部勝則さん『フィフス』が刊行 | 本のページ