三木那由他さん〈日常の問いを哲学につなげる〉エッセイ集『言葉の道具箱』が刊行
三木那由他さんが、日常の問いを哲学につなげ、柔らかな言葉で新たな可能性を探るエッセイ集『言葉の道具箱』が講談社より刊行されました。
「言葉とコミュニケーション」は、哲学の問いであり、「私」の問いである。
本署は、「紀伊國屋じんぶん大賞2023」第2位に輝いた『言葉の展望台』、『言葉の風景、哲学のレンズ』に続くエッセイ集です。
〈美味しさを伝えるには〉、〈「言葉が奪われる」とき〉、〈言い換えの力〉、〈ジェンダーを表す単数のthey〉……日常の問いを哲学につなげ、柔らかな言葉で新たな可能性を探ります。
《コミュニケーションについて考えるなかで徐々にわかってきたのは、目の前の相手としっかりと向き合うためには、ときに自分自身で物事を決めるのを中断し、相手に身を委ねる必要があるということだ。私の言っていること、私が発話を通じてしていること、そして会話のなかで現れる私とあなたの関係、そのいずれも、私単独で決めることではなく、私とあなたのあいだで相互的に調整されることであって、だからこそときには自分の意志を引っ込めてあなたのやりかたに合わせることもできる。》
(本書より)
本書の目次
レンコン団子の美味しさ
言葉が奪われる
「卒煙支援ブース」へようこそ
「生き延びましょう」とあなたへ向けて
自分自身を語るために
いま、ここから、私が投げかける言葉
会話の事故
哲学者に語れること
突如、迫りくる
理想的な言語、不完全な言語
あれ、そうだっけ
呼びかける言葉
著者プロフィール
三木那由他(みき・なゆた)さんは、1985年生まれ、神奈川県出身。京都大学大学院文学研究科博士課程指導認定退学。博士(文学)。大阪大学大学院人文学研究科講師。
著書に『話し手の意味の心理性と公共性』『グライス 理性の哲学』『会話を哲学する』(勁草書房)、『言葉の展望台』『言葉の風景、哲学のレンズ』(講談社)、『会話を哲学する』(光文社)、共著に『シリーズ新・心の哲学1 認知篇』(勁草書房)、共訳書にブランダム『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』上下巻(勁草書房)など。
言葉の道具箱 三木 那由他 (著) |
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