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【訃報】翻訳・評論家の仁賀克雄さんが死去 「ワセダ・ミステリ・クラブ」創設メンバー

翻訳家で評論家の仁賀克雄(じんか・かつお=本名:大塚勘治)さんが肝臓がんのため死去しました。80歳。横浜市出身。告別式は近親者で行います。喪主は妻の樹美(きみ)さん。

仁賀克雄さんは、1936年生まれ。早稲田大学第一商学部卒業。大学在学中の1957年、江戸川乱歩を顧問に、千代有三(鈴木幸夫・文学部教授)を会長に迎え、ワセダミステリクラブを創設。

大学卒業後は会社勤務の傍ら、創作活動や海外ミステリー・SFの研究・翻訳などを行います。特に切り裂きジャック関連の研究に関しては有名で、著書に『ロンドンの恐怖 切り裂きジャックとその時代』があります。

他の著書に『海外ミステリ入門』など。翻訳には、フィリップ・K・ディックの『地図にない町』『人間狩り』、レイ・ブラッドベリの『火星の笛吹き』『悪夢のカーニバル』、ロバート・ブロックの『ポオ収集家』などが、創作には『放課後の殺人者』『「地獄の火」殺人事件』『「ドラキュラ」殺人事件』などがあります。

なお、ペンネームの「仁賀克雄(じんか・かつお」は、本名を逆読みしたもの。

 

ロンドンの恐怖―切り裂きジャックとその時代
繁栄を謳歌する1888年のロンドンで、5人の売春婦があいついで惨殺された。咽喉を切り裂き局部をえぐる残虐な手口に市民は震え慄き、警察は必死の捜査をかさねたが、犯人はついに捕まらなかった。100年を経た今日もなお、犯罪史上不朽の典型的猟奇殺人者として、また、ヴィクトリア朝のひとつの象徴的存在として、伝説のなかに生きつづける〈切り裂きジャック〉とは、いったい何者だったのか。日本で唯一人のリッパロロジストが、当時の時代背景と事件経過を鮮やかに再現しながら、希代の“怪物”の正体に鋭く迫る。

 


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