【第32回萩原朔太郎賞】最果タヒさん『恋と誤解された夕焼け』が受賞
前橋市は、現代詩における最も優れた作品に贈る「第32回萩原朔太郎賞」の受賞作を発表しました。
第32回萩原朔太郎賞が決定!
第32回萩原朔太郎賞の選考会が9月6日、前橋文学館で開催され、次の通り受賞作が決定しました。
<第32回萩原朔太郎賞 受賞作品>
最果タヒ(さいはて・たひ)さん
『恋と誤解された夕焼け』(新潮社)
受賞者の最果タヒ(さいはて・たひ)さんは、詩人。1986年生まれ。2006年、現代詩手帖賞を受賞。2007年、第一詩集『グッドモーニング』を刊行。同作で中原中也賞を受賞。以後の詩集に『空が分裂する』、『死んでしまう系のぼくらに』(現代詩花椿賞)、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(2017年、石井裕也監督により映画化)、『愛の縫い目はここ』、『天国と、とてつもない暇』、『恋人たちはせーので光る』、『夜景座生まれ』、『さっきまでは薔薇だったぼく』、『不死身のつもりの流れ星』、『落雷はすべてキス』など。2017年に刊行した『千年後の百人一首』(清川あさみさんとの共著)では100首を詩の言葉で現代語訳。2018年、案内エッセイ『百人一首という感情』刊行。小説作品に『星か獣になる季節』、『渦森今日子は宇宙に期待しない。』、『十代に共感する奴はみんな嘘つき』など、エッセイ集に『きみの言い訳は最高の芸術』、『「好き」の因数分解』、『コンプレックス・プリズム』、『恋できみが死なない理由』など、絵本に『ここは』(絵:及川賢治さん)、翻訳作品に『わたしの全てのわたしたち』(著:サラ・クロッサンさん/金原瑞人さんとの共訳)など。
受賞作の『恋と誤解された夕焼け』は、最果さんの12作目となる詩集。文芸誌「新潮」で3年間にわたって連載された詩を中心に、SNS発表作品を加えた43篇を収録。しています
最果さんには、正賞として萩原朔太郎像(ブロンズ像)、副賞として100万円が贈られます。
選考委員は佐々木幹郎さん(詩人)、建畠晢さん(詩人・美術評論家)、日和聡子さん(詩人)、松浦寿輝さん(詩人・小説家・東京大学名誉教授)、三浦雅士さん(文芸評論家)。選評は、文芸誌『新潮』11月号に掲載されます。
なお、第32回萩原朔太郎賞の最終候補作は以下の6作品です。
【最終候補作】
◎飯沢耕太郎さん『トリロジー 冬/夏/春』(港の人)
◎野木京子さん『廃屋の月』(書肆子午線)
◎新井高子さん『おしらこさま綺聞』(幻戯書房)
◎最果タヒさん『恋と誤解された夕焼け』(新潮社)
◎橘しのぶさん『水栽培の猫』(思潮社)
◎河野俊一さん『詩集 ストーマの朝』(土曜美術社出版販売)
萩原朔太郎賞について
萩原朔太郎賞は、前橋市が市制施行100周年を記念して、平成4年(1992年)に制定されました。前橋市と萩原朔太郎賞の会が主催。
前橋出身で、口語自由詩を確立し日本近代詩に大きな足跡を残した詩人・萩原朔太郎の業績を永く顕彰し、日本文化の発展に寄与するとともに、市民文化の向上に資することを目的とした賞で、現代詩における最も優れた作品に贈られます。毎年8月1日から翌年7月31日までに発表された作品を対象とします。
恋と誤解された夕焼け 最果 タヒ (著) コトバの最尖端を疾走し続けてきた詩人は新たな沃野に向かった。《だから空がとても赤く燃えている。ぼくは愛されたい。》――今、ここにいる私たちの魂の秘密は、詩のコトバによってしか解き明かせない。《どこからなら、きみを連れ去る神様の手のひらがやってきても平気か、教えて。水平線か、地平線?》生命と世界の光と影をあますところなく照らし出す43篇。決定的な第12詩集。 |
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