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渋谷駅で販売し、3日間で1000冊完売した話題の小説を電子書籍化!『ワンデーガール(ズ)』が発売

渋谷駅の「小説の買える自動販売機」で販売し、3日間で1000冊完売した話題の小説を電子書籍化した、ひと(と)著『ワンデーガール(ズ)-「女の子」として生きるってどういうこと?-』がかんき出版より発売されました。

 

Z世代5人組が描き出す「現代を生きる女の子のリアル」

 
あなたが、「ああ、自分は『女の子』なんだ」って感じるのはいつですか?
そんな問いかけから始まる、東京に生きる13人の実話から生まれた物語。

 
2023年、渋谷駅で実際に設置された「小説の買える自動販売機」で【3日間で1000冊完売】した人気小説が、電子書籍となって登場です。

渋谷駅に設置された「小説の買える自動販売機」の様子(2023年)

渋谷駅に設置された「小説の買える自動販売機」の様子(2023年)

本書を手がけたのは、Z世代の20代男女混合5人グループ・「ひと(と)」。「みんながもっと、ひとへの関心をもてる社会を」をパーパスに、ひとがひとに関心をもつきっかけとなるイベント等を運営しています。

 
制作当時は全員大学生だった5人の、同世代の心の機微や悩みの本質を鮮烈にとらえた物語は、「私が主人公だったかもしれない」と共感必至。
ルーツも、趣味も、夢もそれぞれ異なる13人から見えてくる、「女の子」の日常に含まれる嬉しさと悔しさ。現代を生きる女性たちのリアルを、この本を通じて一緒に考えてみませんか。

 

違った世界や生き方に触れてほしい──「はじめに」より

二〇二二年の十二月、私は十三人の「女の子」たちにインタビューと写真撮影をするために、東京中のあちこちを駆け回っていました。ある日は牛丼屋さんで撮影だったり、ある日は漫画喫茶の中でお話を聞かせてもらったり、ある日はラブホテルで写真を撮らせてもらったり。一人一人のお話を聞くのがとても楽しくて、このお話たちは一体どんなふうに形になっていくんだろう、とわくわくしてた。いろんな「女の子」の一日を覗かせてもらった冬。それが『ワンデーガール(ズ)』のはじまり。

 
なるべくたくさんの人にこの十三人の「女の子」たちに出会ってほしくて、私は一人一人のお話を短編小説にすることにしました。年齢も性別もバラバラの大学生・大学院生五人で「ひと(と)」というチームを組み、小説販売に向けて動き始めたのです。そして二〇二三年の十一月、渋谷駅の改札前にて、小説を自販機で販売するイベント「ワンデーガール(ズ)」を開催しました。

 
私たちひと(と)は、みんながもっと、ひとへの関心を持てる社会を作ることを目標に、この活動に取り組みました。どうやったって、人間が想像できる範囲、ましてや関心を持てる範囲には限界があると思う。自分が知らない世界もたくさんあると思う。それでも、この小説を読むあなたには、少しだけ違った生き方に触れてみてほしい。そして、この小説を読んだあと、少しだけいつもと世界の見え方が変わってくれていたらいいなと願っています。

 

本書の目次

・まえがき

・あなたの知らない、13人の「女の子」のある1日
ひより/ほのか/みゆ/みく/るり/あおい/りょうこ/まい/みそら/みのり/せな/さくら/つばさ

・あとがき

・電子書籍特典 スペシャル対談 <はなと多絵のゆるトーク -制作を振り返って>

 

著者プロフィール

ひと(と)は、2023年コロナ禍真っ只中に結成されたZ世代の20代男女混合5人グループ。活動時は全員大学生で、現在は新社会人、大学院生、大学生として各々活躍中。「みんながもっと、ひとへの関心をもてる社会を」をパーパスに、ひとがひとに関心をもつきっかけとなるイベント等を運営している。

 
2022年8月、メンバーのうちの2人が写真と言葉展 「わたし、東京、22歳」を下北沢で実施。〈あなたが、「ああ、自分は女の子なんだ」と感じる瞬間はいつですか?〉という問いをテーマに、一人ひとりの写真と問いへの回答を展示し、好評を博す。写真展終了後、届けたい想いをもう一歩踏み込んで伝えたいという思いから、「小説」という形で同テーマを表現しようと考え、グループを立ち上げた。

 
その後、様々な人へのタッチポイントとなる渋谷駅構内で、「自動販売機で小説を販売する」という実売イベントを開催。イベント実施に必要な費用はクラウドファンディングで調達し、200人を超える賛同者から173万円を集めることに成功。イベントでは用意した1,000冊が3日で完売となる。

 

ワンデーガール(ズ) -「女の子」として生きるってどういうこと?-
ひと(と) (著)

― Q, あなたが、「ああ、自分は『女の子』なんだ」って感じるのはいつですか?

これは東京に生きる13人の実話から生まれた物語 。
学生、アルバイター、ノンバイナリー、セックスワーカー、既婚の母、ダンサー、ミックスルーツ、就活生、Queer …… ルーツも、趣味も、夢もそれぞれ異なる13人の回答から見えてくる、「女の子」の日常に含まれる嬉しさと悔しさ。
共感せずにはいられない、これが現代を生きる女の子のリアル。

2023年渋谷駅で実際に設置された「小説の買える自動販売機」で、3日間で1000冊完売した大人気小説、待望の電子書籍化。

***
― 女の子たちは「今日楽しませてくれるガールズ」でしかなくて、男子は「よし、今日は女の子がいるぜ」って盛り上げる。友達として飲むんじゃなくて、確実に女の子と気持ちよく遊ぼうという男子の意気込みを感じた。(ほのか)

― 夫はいつものように私を気遣った言葉をかけてくれた。でも、私はその瞬間に、「ああ、夫には私の身体のことも、仕事のことも、結局はどうしようもできないんだ」と少し失望してしまった。(りょうこ)

― キッチンの角で、二人でフライパンをつつきながら食べる卵焼き。「美味しい?」ぐらいの単純な会話しかないの。でもどんなに高いお店で食べるよりもおいしかった。(るり)

― なんでわたしは毎日こんなにも抵抗して必死で生きているのに、“女の子が着る振袖“を着ることを押し付けられているんだろう。(あおい)

― 知らない人に話しかけられると、もうドキってしちゃうからどうしようって思って。居酒屋だし、周りに人がいるし、ほぼ密室だから逃げられないし。無視して切り抜けられる状況でもないな、と思ってとっさに愛想よく返しちゃった。(みゆ)

― 私の手がとても小さいっていうのもあるから、彼の手がすごく大きく感じる。骨張っていて、分厚い手を触って違いに驚く。そのサイズの違いって私にとってはなんだかうれしいし、「手を繋ぐ」ってことを特別にしてくれる気がするんだよね。(みそら)

― 「もっとみんなが暮らしやすい日くるかな」そんな希望を一瞬抱いたり、でも、もうそんなことじゃ喜べないくらいに絶望してしまっているような気もする。期待するのって、怖い。(つばさ)

***

こんなに過剰に反応しちゃってたのは、こんなに苦しいのは、自分だけじゃなかったんだ。
13人の「女の子」たちは、昨日言葉を交わしたあの人、今日すれ違った彼女、たった今隣で笑っているこの子……もしかしたらあなただったのかもしれない。

 


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