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Amazonオーディブル〈オーディオファースト〉第8弾!平野啓一郎さん書き下ろし小説『息吹』を立花慎之介さんが朗読

オーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービス「Amazon オーディブル(Audible)」は、平野啓一郎さんの新作書き下ろし小説『息吹』の配信をスタートしました。朗読を務めるのは、声優の立花慎之介さんです。

 

Amazonオーディブル〈オーディオファースト〉第8弾は現実と非現実の境界を行き来する、平野啓一郎さんの怪作『息吹』

『息吹』は、Audibleで最初に配信され、一定期間後に書籍としても発売される「オーディオファースト作品」です。これまでにAudibleと出版社の共同プロジェクトとして7作品の「オーディオファースト作品」がリリースされています。

本作は株式会社コルクとの共同プロジェクトで、2023年12月7日発行の雑誌『新潮』1月号に掲載予定です。

 
『息吹』は現実と非現実の境界を行き来し、読者を新しい認識へと導く平野啓一郎さんの怪作。物語は主人公の齋藤息吹が、十数年ぶりに入ったファーストフード店で、隣の席から聞こえてきた気がかりな会話をきっかけに、家族の平穏な日々が急速に「もう一つの別の日常」に浸食されていく様子を描いています。

★オーディオファースト作品について:https://www.audible.co.jp/ep/audio-first-titles

 

平野啓一郎さん コメント

『息吹』は、偶然がもたらす人生への影響を、もう一つの人生という視点から浮き彫りにした短篇で、その大きな分岐のきっかけは、日常の中のほんの些細な出来事なのだという点を強調したかった。

それなりに抽象度の高い物語だけに、耳で聴いていてよくわかるように、各場面のコントラストを工夫した。立花慎之介さんの朗読は、どうしても黙読が前提となっているような私の文体を、立体的に立ち上がらせてくれて、作品に空間的な広がりを与えてくれた。読書という行為では不可能な、現実と非現実とが融け合う感覚を目を閉じて味わうという醍醐味に浸ってほしい。

 

立花慎之介さん コメント

収録時にディレクターさんといろいろディスカッションさせていただいたんですが、今回の収録は「色をなるべく付けずに、聞いている人が何かをしながらでもサラッと聞いていられる感じ」を目指しています。

という事だったので、普段の声優のお仕事とは真逆な技術を求められた収録でした。感情とか台詞の起伏とか、そういうのをなるべく無くして「フラットな聞き感」というのを僕も目指してやらせていただきました。

まあ…難しかったです(笑)

普段の台詞や演技で求められることが「感情の起伏」なので、フラットに喋るというのが改めてこんなにも難しい事だったのかと、とても勉強になりました。

また作品内容としましては、実は僕自身も先日リアルに「大腸内視鏡検査」をしたばかりだったので、こんな偶然ある?そしてめっちゃ自分と酷似してる部分があるし、ものすごくリアルな描写なんですが!!

って実際に僕も恐怖を間近に感じてしまいました。いやぁ~偶然って恐ろしいですね!!

台詞の押しつけにならず、聞いて空想できる余白を残したリーディングになっていますので、お時間の空いたときや家事をしながらなど、場所を選ばず聞いてもらえると思っております。

是非一度お聞きくだされば幸いです。

 

『息吹』概要

著者:平野啓一郎さん
ナレーター:立花慎之介さん
URL:https://amzn.to/45LrXAA

 
「かき氷屋が満席だったかどうかで、生きるか死ぬかが決まる人生って、何なんだろう? そういうものなんだろうか? 人の一生って、そういう偶然の積み重ねなの?」

とある夏の日、中学受験を控えた一人息子を模試会場に迎えに行った齋藤息吹は、勘違いから、自分が一時間も早く到着してしまったことに気がつく。時間つぶしに入ろうとしたかき氷店は満席。仕方なく、十数年ぶりに入ったマクドナルドで、隣の席から聞こえてきた気懸かりな会話に、彼はにわかに不安を募らせてゆく。些細な偶然から、間一髪のところで命拾いをした夫の興奮を、戸惑いつつ、安堵とともに受け止める妻の絵美。 しかし、その日から家族の平穏な日常は、少しずつ、「もう一つの別の日常」によって急速に浸食されてゆく。精神と肉体の危機を潜り抜けた先に、家族を待ち受けていた衝撃の結末とは?

 

ナレータープロフィール

立花慎之介(たちばな・しんのすけ)さんは、岐阜県出身。2003年に声優デビュー。

主な出演作は、「ファイナルファンタジーXIVシリーズ」(アルフィノ)」、「アイドリッシュセブン」(千)、「テラフォーマーズリベンジ」(ウォルフ・レッドフィールド)、「ハイキュー!!」(夜久衛輔)、「神様はじめました」(巴衛)、「DD北斗の拳2」(ケンシロウ)、「Go!プリンセスプリキュア」(カナタ王子)、吹替え「マレフィセント」(フィリップ王子)〈ブレントン・スウェイツ〉ほか多数出演。その他、多数のナレーションやゲーム、吹き替え作品など幅広く活躍中。

 

著者プロフィール

平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)さんは、1975年、愛知県蒲郡市生まれ、北九州市出身。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。

以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在。

小説に『葬送』『高瀬川』『決壊』『ドーン』『空白を満たしなさい』『透明な迷宮』『マチネの終わりに』『ある男』等、エッセイに『本の読み方 スロー・リーディングの実践』『小説の読み方』『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『考える葦』『「カッコいい」とは何か』『死刑について』等がある。

累計60万部超のロングセラー作品『マチネの終わりに』の映画化(2019年)、『空白を満たしなさい』の連続ドラマ化(2022年)、『ある男』の映画化(2022年)と映像化が続く。

2009年『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、2019年『ある男』で読売文学賞を受賞。2014年、フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエを受章。2023年、構想20年の『三島由紀夫論』を遂に刊行。『仮面の告白』『金閣寺』『英霊の声』『豊饒の海』の4作品を精読し、文学者としての作品と天皇主義者としての行動を一元的に論じた。三島の思想と行動の謎を解く、令和の決定版三島論。同作で第22回小林秀雄賞を受賞

 

オーディオファースト作品について

“オーディオファースト”とは、「音声の可能性への挑戦」をコンセプトにした出版社との新しい取り組みです。オーディブルのために書き下ろされたオリジナル作品を、オーディオブックとして先行配信した後、書籍として出版します。メディアの枠を超えて作品に触れる機会を創出することで、出版業界を盛り上げていくことを目指しています。

 
2021年に第1弾として川上未映子さん著『春のこわいもの』を、2022年10月に村田沙耶香さんをはじめとするアジアの若手作家9名による短編小説集『絶縁』、同年11月に三浦しをんさん著『墨のゆらめき』、同年12月に相場英雄さん著『心眼』西尾維新さん著『ウェルテルタウンでやすらかに』、2023年5月に古内一絵さん著『百年の子』、同年6月に汐見夏衛さん著『さよならごはんを今夜も君と』を配信しています。

 

息吹 Audible版
平野 啓一郎 (著), 立花 慎之介 (ナレーション), Audible Studios (出版社)

「かき氷屋が満席だったかどうかで、生きるか死ぬかが決まる人生って、何なんだろう? そういうものなんだろうか? 人の一生って、そういう偶然の積み重ねなの?」
とある夏の日、中学受験を控えた一人息子を模試会場に迎えに行った齋藤息吹は、勘違いから、自分が一時間も早く到着してしまったことに気がつく。時間つぶしに入ろうとしたかき氷店は満席。仕方なく、十数年ぶりに入ったマクドナルドで、隣の席から聞こえてきた気懸かりな会話に、彼はにわかに不安を募らせてゆく。
些細な偶然から、間一髪のところで命拾いをした夫の興奮を、戸惑いつつ、安堵とともに受け止める妻の絵美。
しかし、その日から家族の平穏な日常は、少しずつ、「もう一つの別の日常」によって急速に浸食されてゆく。精神と肉体の危機を潜り抜けた先に、家族を待ち受けていた衝撃の結末とは?
現実と非現実の境界を行き来し、読者を新しい認識へと導いてゆく、平野啓一郎の怪作。

 


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