【第22回小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞】小林秀雄賞は平野啓一郎さん『三島由紀夫論』、新潮ドキュメント賞は三浦英之さん『太陽の子』が受賞
新潮社は8月25日、第22回小林秀雄賞および第22回新潮ドキュメント賞の選考結果を発表しました。
両賞とも、受賞作には記念品および副賞として100万円が贈られます。贈呈式は10月6日(金)に都内にて開催。
第22回小林秀雄賞 受賞作品
第22回小林秀雄賞の受賞作品は次の通りです。
<第22回小林秀雄賞 受賞作品>
平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)さん
『三島由紀夫論』(新潮社)
選考委員は、片山杜秀さん、國分功一郎さん、関川夏央さん、堀江敏幸さん、養老孟司さん。
〔授賞理由〕
構想から23年。「三島由紀夫の再来」と言われた著者が、自身の作家としての原点である三島に真摯に向き合った。同時代を生きた人とは違う形で、新しい三島像を紡いだ。その営為を評価する。(文責:新潮文芸振興会事務局)
<受賞者・平野啓一郎さん プロフィール>
1975年生まれ、愛知県蒲郡市出身。小説家。1999年、デビュー作の『日蝕』で芥川賞を当時最年少(23歳)で受賞。
2009年『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、2019年『ある男』で読売文学賞を受賞。2014年、フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
他の著書に『葬送』『マチネの終わりに』『滴り落ちる時計たちの波紋』『顔のない裸体たち』など。2020年より芥川賞選考委員。
第22回新潮ドキュメント賞 受賞作品
第22回新潮ドキュメント賞の受賞作品は次の通りです。
<第22回新潮ドキュメント賞 受賞作品>
三浦英之(みうら・ひでゆき)さん
『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』(集英社)
選考委員は、池上彰さん、梯久美子さん、櫻井よしこさん、藤原正彦さん、保阪正康さん。
〔授賞理由〕
執念を感じさせる粘り強い取材により、海外メディアによって歪められてきた日本の姿を修正し、真実を伝える作品である。(文責:新潮文芸振興会事務局)
<受賞者・三浦英之さん プロフィール>
1974年生まれ、神奈川県相模原市出身。朝日新聞記者、ルポライター。今年5月に今回の受賞作『太陽の子』で山本美香記念国際ジャーナリスト賞も受賞。
著書に『南三陸日記』『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』、『日報隠蔽 自衛隊が最も「戦場」に近づいた日』(布施祐仁さんとの共著)、『牙 アフリカゾウの「 密猟組織」 を追って』『白い土地 ルポ 福島「帰還困難区域」とその周辺』『災害特派員』など。
なお、第22回新潮ドキュメント賞の候補作は以下の5作品でした。
【新潮ドキュメント賞 候補作】
◎三浦英之さん『太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密』(集英社)
◎吉原真里さん『親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』(アルテスパブリッシング)
◎伊澤理江さん『黒い海 船は突然、深海へ消えた』(講談社)
◎室橋裕和さん『北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本』(新潮社)
◎水谷竹秀さん『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館)
小林秀雄賞および新潮ドキュメント賞について
新潮ドキュメント賞と小林秀雄賞は、ともに財団法人「新潮文芸振興会」が主催。以前は、新潮学芸賞の名称で2001年まで開催されていましたが、2002年からノンフィクションを対象とする新潮ドキュメント賞と、評論・エッセイを対象とする小林秀雄賞とに分離しています。
小林秀雄賞は、フィクション(小説・戯曲・詩歌等)以外で「自由な精神と柔軟な知性に基づいて新しい世界像を呈示した作品」に授与されます。
新潮ドキュメント賞はノンフィクションを対象とし、「ジャーナリスティックな視点から現代社会と深く切り結び、その構成・表現において文学的にも良質と認められる作品」に授与される文学賞です。
両賞とも第22回は、令和4年7月1日から令和5年6月30日までを対象期間としています。
三島由紀夫論 平野 啓一郎 (著) 構想20年、テキストそのものからその思想と行動の謎を解く、三島論の精華! |
太陽の子 日本がアフリカに置き去りにした秘密 三浦 英之 (著) 1970~80年代、資源を求めた日本がアフリカ大陸に残したものは、巨大な開発計画の失敗とさび付いた採掘工場群。 |
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