呉勝浩さん〈文学性を併せ持つ珠玉のミステリ短編集〉『素敵な圧迫』が刊行
呉勝浩さんのミステリ短編集『素敵な圧迫』がKADOKAWAより刊行されました。
物語に翻弄される快感!胸を貫くカタルシス!文学性を併せ持つ珠玉のミステリ短編集『素敵な圧迫』
2020年に『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞および第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞、2022年に『爆弾』で『このミステリーがすごい! 2023年版』および『ミステリが読みたい! 2023年版 国内篇』の第1位を獲得した気鋭のミステリ作家が放つ最新作は、デビューからこれまで、長編小説のあいだを繋ぐように生み出されてきた珠玉の6編を収録した短編集です。
【本書の概要】
天秤の片方に、人生の破滅がのっている。
『爆弾』『スワン』の気鋭が放つ超弩級のミステリ短編集
◆「素敵な圧迫」
「ぴったりくる隙間」を追い求める広美は、ひとりの男に目を奪われた。あの男に抱きしめられたのなら、どんなに気持ちいいだろう。広美の執着は加速し、男の人生を蝕んでいく――
◆「ミリオンダラー・レイン」
1968年、整備工場に勤める芳雄はくすぶった人生を送っていた。きっと自分は未来を奪われている。けれど、この世界を引っ繰り返す方法がわからない。そんなとき、ある計画が閃いて――
◆「論リー・チャップリン」
「十万よこせ」「あげられるわけない」「じゃあ強盗する」「将来がめちゃくちゃになるぞ!」「じゃあ金をよこせ!」父親と中学生の息子の論理バトルが幕を開ける――
◆「パノラマ・マシン」
道に落ちていた謎の箱を拾ったF。どうやらその機械は、現実と瓜二つの別世界へ渡れる装置らしい。未知なる装置に夢中になったFは、同僚のDとともに別世界で己の欲求を満たし続けるが――
◆「ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について」
《ハングマン》と呼ばれる伝説のボクサー。あいつがやらかしちまった例の件は、あり得ない愚行に見えただろう。だが、あれはれっきとした《処刑》だったんだ――
◆「Vに捧げる行進」
交番巡査のモルオは落書き事件への対応を迫られていた。誰が何の目的で、商店街のあちこちに「V」の文字を残したのか。落書きをきっかけに、コロナで閉塞した町の人々が熱に浮かされはじめる――
著者プロフィール
呉勝浩(ご・かつひろ)さんは、1981年生まれ、青森県出身。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。
2018年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞、2020年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞、第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。2022年に『爆弾』で『このミステリーがすごい! 2023年版』と『ミステリが読みたい! 2023年版 国内篇』で第1位を獲得し、2023年に同作で本屋大賞ノミネート。他の作品に『ライオン・ブルー』『おれたちの歌をうたえ』など。
素敵な圧迫 呉 勝浩 (著) 『爆弾』『スワン』の気鋭が放つ、超弩級のミステリ短編集 「ぴったりくる隙間」を追い求める広美は、ひとりの男に目を奪われた。あの男に抱きしめられたなら、どんなに気持ちいいだろう。広美の執着は加速し、男の人生を蝕んでいく――(「素敵な圧迫」)。 交番巡査のモルオは落書き事件の対応に迫られていた。誰が何の目的で、商店街のあちこちに「V」の文字を残したのか。落書きをきっかけに、コロナで閉塞した町の人々が熱に浮かされはじめる――(「Vに捧げる行進」)。 ほか全6編を収録。 |
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