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【第73回日本推理作家協会賞】呉勝浩さん『スワン』などが受賞

第73回日本推理作家協会賞が決定!

第73回日本推理作家協会賞が決定!

日本推理作家協会は7月9日、第73回日本推理作家協会賞の受賞作を発表しました。

 

第73回日本推理作家協会賞が決定! 呉勝浩さんが吉川英治文学新人賞とW受賞!

第73回日本推理作家協会賞の各部門の受賞作は次の通りです。
なお、長編および連作短編集部門を受賞した呉勝浩さんの『スワン』は今年3月に第41回吉川英治文学新人賞も受賞しています。

 
<長編および連作短編集部門>
呉勝浩(ご・かつひろ)さん
『スワン』(KADOKAWA)

 
<短編部門>
矢樹純(やぎ・じゅん)さん
「夫の骨」(祥伝社『夫の骨』収録)

 
<評論・研究部門>
金承哲(キム・スンチョル)さん
『遠藤周作と探偵小説 痕跡と追跡の文学』(教文館)

 
選考委員は、「長編および連作短編集部門」が大沢在昌さん、門井慶喜さん、法月綸太郎さん、馳星周さん、薬丸岳さん、「短編部門」および「評論・研究部門」が垣根涼介さん、長岡弘樹さん、深水黎一郎さん、麻耶雄嵩さん、山前譲さん。

 
なお、第73回日本推理作家協会賞の各部門の候補作品は以下通りです。

<長編および連作短編集部門>
◎青崎有吾さん『早朝始発の殺風景』(集英社)
◎浅倉秋成さん『教室が、ひとりになるまで』(KADOKAWA)
◎呉勝浩さん『スワン』(KADOKAWA)
◎長浦京さん『マーダーズ』(講談社)

<短編部門>
◎秋吉理香子さん「神様」(双葉社『小説推理』1月号掲載)
◎井上真偽さん「青い告白」(双葉社『小説推理』2月号掲載)
◎木江恭さん「さかなの子」(双葉社『小説推理』8月号掲載)
◎櫻田智也さん「コマチグモ」(東京創元社『ミステリーズ!』vol.94掲載)
◎矢樹純さん「夫の骨」(祥伝社『夫の骨』収録)

<評論・研究部門>
◎鏡明さん『ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた』(フリースタイル)
◎北原尚彦さん・えのころ工房『シャーロック・ホームズ語辞典』(誠文堂新光社)
◎金承哲さん『遠藤周作と探偵小説 痕跡と追跡の文学』(教文館)
◎里中高志さん『栗本薫と中島梓 世界最長の物語を書いた人』(早川書房)
◎山下泰平さん『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』(柏書房)

 

日本推理作家協会賞について

日本推理作家協会賞は、日本推理作家協会が主催する文学賞です。前年に発表された推理小説の中で最も優れた作品に授与されます。

受賞者には、正賞として名入り腕時計が、副賞として賞金50万円が贈られます。

 

「長編および連作短編集部門」受賞・呉勝浩さん コメント

「推理作家になりたいと思い小説を書いてきた人間にとって、こんな栄誉なことはありません。今後も自分の推理小説を目指し精進してまいます。ありがとうございました。」

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◎第1回:https://kadobun.jp/serialstory/swan/dcluh04nb6gc.html
※全16回

 

スワン
呉 勝浩 (著)

銃撃テロを生き延びた五人。彼らは何を隠しているのか、何を恐れているのか。

首都圏の巨大ショッピングモール「スワン」で起きたテロ事件。
死者二十一名、重軽傷者十七名を出した前代未聞の悲劇の渦中で、犯人と接しながら、高校生のいずみは事件を生き延びた。
しかし、取り戻したはずの平穏な日々は、同じく事件に遭遇し、大けがをして入院中の同級生・小梢の告発によって乱される。
次に誰を殺すか、いずみが犯人に指名させられたこと。そしてそのことでいずみが生きながらえたという事実が、週刊誌に暴露されたのだ。
被害者から一転、非難の的となったいずみ。そんななか、彼女のもとに一通の招待状が届く。集まったのは、事件に巻き込まれ、生き残った五人の関係者。目的は事件の中の一つの「死」の真相を明らかにすること。
彼らが抱える秘密とは? そして隠された真実とは。

夫の骨 (祥伝社文庫)
矢樹純 (著)

昨年、夫の孝之が事故死した。まるで二年前に他界した義母佳子の魂の緒に搦め捕られたように。血縁のない母を「佳子さん」と呼び、他人行儀な態度を崩さなかった夫。その遺品を整理するうち、私は小さな桐箱の中に乳児の骨を見つける。夫の死は本当に事故だったのか、その骨は誰の子のものなのか。猜疑心に囚われた私は…(『夫の骨』)。家族の“軋み”を鋭く捉えた九編。

遠藤周作と探偵小説: 痕跡と追跡の文学 (南山大学学術叢書)
金 承哲 (原著, 著)

遠藤文学の根源に探偵小説あり

痕跡を追跡するスリルとミステリーに満ちた探偵小説。神を追う人間と神に追われる人間を語る遠藤文学を、新しい視点で俯瞰する一冊。南山大学学術叢書として刊行。
「神様は、最後に私たちをドンデン返しさせてくれることがある。……私の小説も、人生も、やはりミステリー小説です」(遠藤周作)

 
【関連】
日本推理作家協会

 


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