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「戦争こそは人間の宿痾にして最悪の行為である」逢坂冬馬さんデビュー作『同志少女よ、敵を撃て』が11万部突破!

逢坂冬馬さん著『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)

逢坂冬馬さん著『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)

アガサ・クリスティー賞大賞受賞作の逢坂冬馬さん著『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)が、11万部を突破しました。

 

本屋大賞ノミネート作品、逢坂冬馬さんデビュー作『同志少女よ、敵を撃て』が発売4カ月で11万部突破!

昨年8月に「第11回アガサ・クリスティー賞」を受賞した逢坂冬馬さんの『同志少女よ、敵を撃て』は同年11月17に単行本が刊行され、発売わずか1カ月で第166回直木賞にノミネートされました。

発売前からSNSで多くの書店員が絶賛し、デビュー作ながらプロの作家・書評家からも高く評価されました。2021年12月には紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス!2022」の第1位を受賞、今年1月には「2022年本屋大賞」にもノミネートされています。また、2月にはテレ東BIZ「豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス」でも紹介され、発売4カ月で11万部を突破しました。

 
独ソ戦を舞台に女性狙撃手セラフィマの成長を通し、戦争の悲惨さを圧倒的なリーダビリティで書いた本作は、現代にも通ずる物語として読まれています。

 

著者メッセージ「闇を投影する光となれ」(刊行にあたって)

近年、日本でも高まりを見せつつある独ソ戦への関心。一方で小説の世界では未だあまり注目がなされないソ連側の兵士たち。わけても女性兵士という特異な存在と、それらに関する資料。そして今は亡き祖父が、かつて私に語ってくれた戦争体験。これらが渾然一体となって「書くべき時が来た」という確信を自らにもたらしました。

戦争こそは人類の宿痾にして最悪の行為であり、史上最大の戦争であった独ソ戦を描くことは、分不相応にも、現実に存在した「地獄」を描写する試みに他なりません。

けれども、鮮烈な光が漆黒の影絵をつくり、影絵の闇の中にこそ、それを見た子どもたちが色も鮮やかな物語を想起するように、戦争の地獄を描くことによって、地獄の無い世界への希求を表出させたい、という思いが、本作執筆の根底にあります。

本作が、たとえ、か細い光であったとしても、独ソ戦という暗黒を照らし出すに足る光量をともない、戦争の絶えないこの世界へ届くことを、作者としては願っています。

 

『同志少女よ、敵を撃て』について

 
<『同志少女よ、敵を撃て』あらすじ>

独ソ戦、女性だけの狙撃小隊がたどる生と死。
1942年、モスクワ近郊の農村に住む少女セラフィマの暮らしは、急襲したドイツ軍によって突如奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親をはじめ、村人たちが惨殺されたのだ。自らも殺されそうになったその時、赤軍の女性兵士イリーナに命を救われる。“戦いたいか、死にたいか”──そう問われたセラフィマは、母を撃ったドイツ人狙撃手への復讐を果たすべく、イリーナが教官を務める中央女性狙撃訓練学校で、一流の狙撃兵になることを決意する。同じような境遇で家族を喪い、闘うことを選んだ4人の女性狙撃兵とともに訓練を重ねながら、やがてセラフィマは、独ソ戦の決定的な転換点の一つとなるスターリングラードの前線へ向かうことに。仲間たちとともに戦う先で、セラフィマが見つけた”答え”とは──。

 
【推薦コメント】

◎浅田次郎さん(作家)
とうてい新人の手とは思えなかった。まず、文章表現には不利な戦闘シーンの描写がうまい。これは想像力と語彙の豊かさによってもたらされているのだが、だとすると作者は天賦の才を与えられている。
(『オール讀物』3・4月号より)

◎北上次郎さん(書評家)
アクションの緊度、迫力、構成のうまさは只事ではない。

◎桐野夏生さん(作家)
これは武勇伝ではない。狙撃兵となった少女が何かを喪い、何かを得る物語である。

◎鴻巣友季子さん(翻訳家)
復讐心に始まった物語は、隊員同士のシスターフッドも描きつつ壮大な展開を見せる。胸アツ。

◎小島秀夫さん(ゲームクリエイター)
多くの人に読んで欲しい!ではなく、多くの人が目撃することになる間違いなしの傑作!

◎為末大さん(スポーツコメンテーター)
今だからこそなおさら読むべき本。一人の少女の視点を通して、戦争が人を壊していく様子がものすごい熱量で描かれている。人間とはなんなのか。敵と味方とは。この本を読んだあと、今の世界の姿が変わって見えた

◎法月綸太郎さん(作家)
衝撃的な結末にこの物語のすべてが詰まっている。

◎三浦しをんさん(作家)
戦争は女の顔はもちろんのこと、男を含めたあらゆる性別の顔もしておらず、つまり人間の顔をしていないのだという事実を物語ろうとする、その志の高さに感服した 
(『オール讀物』3・4月号より)

 

著者プロフィール

(c)早川書房

(c)早川書房

著者の逢坂冬馬(あいさか・とうま)さんは、1985年生まれ。明治学院大学国際学部国際学科卒業。本書で、第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。埼玉県在住。

 

同志少女よ、敵を撃て
逢坂 冬馬 (著)

キノベス! 2022 第1位、2022年本屋大賞ノミネート、第166回直木賞候補作、第9回高校生直木賞候補作
テレビ、ラジオ、新聞、雑誌で続々紹介!
史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?

 


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