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「2022年本屋大賞」ノミネート作が決定! 青山美智子さん、知念実希人さん、米澤穂信さん、小田雅久仁さん、一穂ミチさん、朝井リョウさん、逢坂冬馬さん、町田そのこさん、西加奈子さん、浅倉秋成さんの10作品

「2022年本屋大賞」ノミネート作が決定!

「2022年本屋大賞」ノミネート作が決定!

「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」を決める本屋大賞の2022年度のノミネート作品が決定しました。

 

本屋大賞について

本屋大賞は、出版不況の中、「商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、ひいては出版業界を現場から盛り上げていけないか」という趣旨で設立され、「NPO法人 本屋大賞実行委員会」が運営。書店(オンライン書店を含む)の書店員の投票によってノミネート作品および受賞作が決定されます。

そして今回、全国の書店員627名の投票により一次投票が終了し、その集計の結果、上位10作品が「2022年本屋大賞」ノミネート作品として決定しました。

なお、今後、ノミネート作品を対象に二次投票が行われ、大賞作品の発表及び贈賞式は4月6日(水)に東京都港区元赤坂明治記念館にて行われる予定です。

 

2022年本屋大賞ノミネート10作(作品名五十音順)

<2022年本屋大賞ノミネート作品> ※作品名五十音順

◎『赤と青とエスキース』(青山美智子さん/PHP研究所)

◎『硝子の塔の殺人』(知念実希人さん/実業之日本社)

◎『黒牢城』(米澤穂信さん/KADOKAWA)
第166回直木賞受賞作第12回山田風太郎賞受賞作2021年の4大ミステリランキング制覇

◎『残月記』(小田雅久仁さん/双葉社)

◎『スモールワールズ』(一穂ミチさん/講談社)

◎『正欲』(朝井リョウさん/新潮社)
第34回柴田錬三郎賞受賞作

◎『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬さん/早川書房)
第11回アガサ・クリスティー賞受賞作「キノベス!2022」第1位

◎『星を掬う』(町田そのこさん/中央公論新社)

◎『夜が明ける』(西加奈子さん/新潮社)

◎『六人の嘘つきな大学生』(浅倉秋成さん/KADOKAWA)
「ブランチBOOK大賞2021」受賞作

 

「2022年本屋大賞」開催概要

■選考期間:2021年11月~2022年4月

■対象作品:2020年12月1日~2021年11月30日に刊行された日本の小説(判型問わず オリジナルの小説)。

■投票参加資格者:新刊を扱っている書店の店員であること(オンライン書店店員、パート社員も含む)

■選考方法
(1)一次投票で一人3作品を選んで投票。
(2)一次投票の上、集計結果上位10作品をノミネート本として発表。
(3)二次投票はノミネート作品をすべて読んだ上で、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票。
(4)二次投票の集計結果により大賞作品を決定。

■スケジュール
◎2021年12月1日:一次投票、発掘部門、翻訳小説部門、投票スタート
・2022年1月3日:一次投票、発掘部門、投票締め切り
・2022年1月20日:ノミネート作品発表・二次投票スタート
・2022年2月13日:翻訳小説部門、投票締め切り
・2022年2月28日:二次投票締め切り
・2022年4月6日:大賞作品、発掘部門、翻訳小説部門の結果発表(明治記念館での発表会及び本の雑誌増刊号にて)

 
【発掘部門】
ジャンルを問わず、2020年11月30日以前に刊行された作品を対象。一次投票時に既刊本のお勧め本を一点投票。「本屋大賞」発表時に、「発掘部門」に投票された作品をリスト化して発表。

 
【翻訳小説部門】
2020年12月1日~2021年11月30日に日本で刊行された翻訳小説の中から、一人3冊までを投票し、集計。

 

赤と青とエスキース
青山 美智子 (著)

2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者、新境地にして勝負作!

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画(エスキース)」。
日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく――。
二度読み必至! 仕掛けに満ちた傑作連作短篇。

●プロローグ
●一章 金魚とカワセミ
メルボルンに留学中の女子大生・レイは、現地に住む日系人・ブーと恋に落ちる。しかしレイは、留学期間が過ぎれば帰国しなければならない。彼らは「期間限定の恋人」として付き合い始めるが……。
●二章 東京タワーとアーツ・センター
日本の額縁工房に努める30歳の額職人・空知は、既製品の制作を淡々とこなす毎日に迷いを感じていた。そんなとき、十数年前にメルボルンで出会った画家、ジャック・ジャクソンが描いた「エスキース」というタイトルの絵画に出会い……。
●三章 トマトジュースとバタフライピー
中年の漫画家タカシマの、かつてのアシスタント・砂川が、「ウルトラ・マンガ大賞」を受賞した。雑誌の対談企画の相手として、砂川がタカシマを指名したことにより、二人は久しぶりに顔を合わせるが……。
●四章 赤鬼と青鬼
パニック障害が発症し休暇をとることになった51歳の茜。そんなとき、元恋人の蒼から連絡がくる。茜は昔蒼と同棲していたアパートを訪れることになり……。
●エピローグ
水彩画の大家となったジャック・ジャクソンの元に、20代の頃に描き、手放したある絵画が戻ってきて……。

硝子の塔の殺人
知念 実希人 (著)

ミステリを愛するすべての人へ

当作の完成度は、一斉を風靡したわが「新本格」時代のクライマックスであり、フィナーレを感じさせる。今後このフィールドから、これを超える作が現れることはないだろう。
島田荘司

ああびっくりした、としか云いようがない。
これは僕の、多分に特権的な驚きでもあって、そのぶん戸惑いも禁じえないのだが――。
ともあれ皆様、怪しい「館」にはご用心!
綾辻行人

500ページ、一気読み!
知念実希人の新たな代表作誕生

作家デビュー10年 実業之日本社創業125年 記念作品

雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。
地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など、一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。
この館で次々と惨劇が起こる。
館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。
さらに、血文字で記された十三年前の事件……。
謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。
散りばめられた伏線、読者への挑戦状、圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。
著者初の本格ミステリ長編、大本命!

黒牢城
米澤 穂信 (著)

信長を裏切った荒木村重と囚われの黒田官兵衛。二人の推理が歴史を動かす。

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の到達点。『満願』『王とサーカス』の著者が挑む戦国×ミステリの新王道。

残月記
小田 雅久仁 (著)

近未来の日本、悪名高き独裁政治下。
世を震撼させている感染症「月昂」に冒された男の宿命と、その傍らでひっそりと生きる女との一途な愛を描ききった表題作ほか、二作収録。
「月」をモチーフに、著者の底知れぬ想像力が構築した異世界。
足を踏み入れたら最後、イメージの渦に?み込まれ、もう現実には戻れない――。
最も新刊が待たれた作家、飛躍の一作!

スモールワールズ
一穂 ミチ (著)

読売新聞、日経新聞、本の雑誌……各紙書評で絶賛の声続々!
「驚きの完成度!」――瀧井朝世さん(『スモールワールズ』公式HP書評より)
「BL界の鬼才恐るべし」――北上次郎さん(日本経済新聞 5月6日書評より)
夫婦円満を装う主婦と、家庭に恵まれない少年。「秘密」を抱えて出戻ってきた姉とふたたび暮らす高校生の弟。初孫の誕生に喜ぶ祖母と娘家族。人知れず手紙を交わしつづける男と女。向き合うことができなかった父と子。大切なことを言えないまま別れてしまった先輩と後輩。誰かの悲しみに寄り添いながら、愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。

正欲
朝井 リョウ (著)

あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。

息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。

しかしその繋がりは、”多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった――。

「自分が想像できる”多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな」

これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?

作家生活10周年記念作品・黒版。
あなたの想像力の外側を行く、気迫の書下ろし長篇。

同志少女よ、敵を撃て
逢坂 冬馬 (著)

発売前からSNSで話題を呼び、刊行一週間で5万部を突破。
史上初、選考委員全員が5点満点をつけた、第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作

アクションの緊度、迫力、構成のうまさは只事ではない。
とても新人の作品とは思えない完成度に感服。──北上次郎(書評家)

これは武勇伝ではない。
狙撃兵となった少女が何かを喪い、
何かを得る物語である。
──桐野夏生(作家)

復讐心に始まった物語は、隊員同士のシスターフッドも描きつつ壮大な展開を見せる。胸アツ。──鴻巣友季子(翻訳家)

多くの人に読んで欲しい! ではなく、
多くの人が目撃することになる
間違いなしの傑作!
──小島秀夫(ゲームクリエイター)

文句なしの5点満点、
アガサ・クリスティー賞の名にふさわしい傑作。──法月綸太郎(作家)

 
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?

星を掬う
町田 そのこ (著)

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。

小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。
その後、私は、母に捨てられた――。

ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。
それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。
この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。

夜が明ける
西 加奈子 (著)

直木賞受賞作『サラバ』から7年、本屋大賞第7位『i』から5年。西加奈子が悩み苦しみ抜き、全力で書き尽くした渾身の作品『夜が明ける』が、ついに刊行。
「当事者ではない自分が書いていいのか、作品にしていいのか」という葛藤を抱えながら、それでも社会の一員として、作家のエゴとして書き抜いた本作は、著名人、書店員をはじめ、多くの人の心を揺さぶる救済と再生の感動作。

【著名人の皆さんから感動コメント】
小泉今日子さん (俳優)
今、 社会の中で、 気付かなくちゃ、感じなくちゃいけないことがきっちり書いてある。

是枝裕和さん (映画監督)
読んでいる間中、 自分も主人公と同じように経験した「痛み」が胸にこみ上げ息が苦しくなった。 これが小説であることをしばしば忘れ、その度に本を閉じたが、 読み終わったときに感じたものは「希望」に近い何かだった。
「幸福」とも「解放」とも違う、 何かだった。

仲野太賀さん (俳優)
息を殺しながら生きなくてもいいように、誰かの心が壊れないように、この物語が生まれたんだと思う。

二階堂ふみさん (女優)
ページを捲る度に 五感が研ぎ澄まされる。
匂い、味、温度、小さな痛み。
この国に、アキはどれほどいるのだろう。
人間は脆く、そして哀しい。
どこまでも、 哀しい。
だからこそ”優しさ”の奇跡が生まれるのだと、 西先生の綴る文章から感じました。
これは遠い誰かの話では無く、 間違いなく”我々の話”であると思います。

【あらすじ】
15歳の時、 高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。
普通の家 庭で育った「俺」と、 母親にネグレクトされていた吃音のアキは、 共有できる ことなんて何一つないのに、 互いにかけがえのない存在になっていった。 大学卒業後、 「俺」はテレビ制作会社に就職し、 アキは劇団に所属する。 しかし、 焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、 俺たちは少しずつ、 心も身体 も、 壊していった……。
思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描 きながら、 人間の哀しさや弱さ、 そして生きていくことの奇跡を描く。
本書は著者が初めて、 日本の若者の生きていく上でのしんどさに真正面から取り組んだ作品。

六人の嘘つきな大学生
浅倉 秋成 (著)

「犯人」が死んだ時、すべての動機が明かされる――新世代の青春ミステリ!

ここにいる六人全員、とんでもないクズだった。

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を
得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

『教室が、ひとりになるまで』でミステリ界の話題をさらった浅倉秋成が仕掛ける、究極の心理戦。

 
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