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『心理カウンセラーが教える「がんばり過ぎて疲れてしまう」がラクになる本』その苦しさは「過剰適応」が原因かも…? 他人軸で生きるのをやめれば、心も体も軽くなる!

『心理カウンセラーが教える「がんばり過ぎて疲れてしまう」がラクになる本』(編:廣川進さん・松浦真澄さん)

『心理カウンセラーが教える「がんばり過ぎて疲れてしまう」がラクになる本』(編:廣川進さん・松浦真澄さん)

『心理カウンセラーが教える「がんばり過ぎて疲れてしまう」がラクになる本』(編:廣川進さん・松浦真澄さん)が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行されました。

 

日本で特に多い!?「過剰適応」していませんか?

「適応障害」という病名を聞いたことはありませんか?
芸能人の方が休業されたりするときに、ニュースで耳にしたことがある人も多いかもしれません。

 
日本では、「和を尊ぶ」という文化があり、周囲に合わせながら自分の役割や責任を果たすことが求められる場面が多くあるとも言われています。
その期待に応えようと、リフレッシュしたり息抜きしたりする時間が無いままに、努力して周りに合わせてしまう。
結果として、カラダに様々な不調が表れてしまう。

そういった状態を表す「過剰適応」という概念があります。

 
たとえば、

「いつも疲れている」
「気持ちが張りつめている」
「心配事はあるけれど意欲がついてこない」
「食欲がわかない(あるいは食べ過ぎる)」
「イライラして落ち着かない」

こういった症状があるなら、もしかするとあなたは「過剰適応」しているのかもしれません。

本書では9人の心理カウンセラー・産業医の方々が、実際の職場での豊富な事例を基に様々な学説と角度から執筆。
「過剰適応」とは何か?どうやって付き合っていけばいいのか?説明と対処法の提案をしています。

 

HSP、発達障害に続く新キーワード「過剰適応」とは何か?

「過剰適応」とは、いったいどういう状態なのでしょうか?
心理学的には「自分の都合よりも周りを優先させ、無理をしながらもがんばっている」などの意味で用いられます。

 
適応と一口に言っても、以下の2種類があると言われています。

◎外的適応:家庭、学校、職場など社会や現実の要求に応じて、役割を守って実際に行動すること。
◎内的適応:自分の心・気持ちが幸福感と満足感を経験し、心的状態が安定して良好なこと。自分自身が納得して前向きになっている状態。

この2種の適応のうち、外的適応が過剰になり、内的適応に支障をきたしている状態が「過剰適応」という状態です。

言い換えれば、自分がどんな行動をするかを決める際に、他者や環境(組織)の価値観を優先させ、それが客観的に見て「度が過ぎる・過剰」なほどであったとしても、本人はそのことを自覚なく受け入れている状態ともいえます。

 
周囲の期待に応えようと普通以上に働いたり勉強したりしすぎて、不調にもかかわらずほとんど休まない(休めない)人。
もし、そんな人が身近にいるとしたら、「過剰適応」しているのかもしれません。

 

「過剰適応」はなぜ起こる?背景にある日本特有の5つのポイント

過剰適応になってしまう原因には、親子関係や学校での人間関係、発達障害などもありますが、社会と経済の不安、そして日本人の心性も大きく関係しているといいます。

 
1.不況による社会変動
2.非正規労働者の増加と職場環境の悪化
3.二つの電通事件―過重労働・過労自殺
4.ITの発展とストレスの高まり
5.日本人の心性

 
特に「日本人の心性」においては、自己より組織・他者を優先させる傾向が強く、ストレスを溜め込んでしまうことがあるとも指摘されているようです。

 

「過剰適応」とどう付き合っていけばいいのか?

「過剰適応」というものは必ずしも「なくすべきもの」、「直すべきもの」ではありません。
どのように付き合っていけばいいのか?を考えることが本書のゴールです。

 
「これをすれば成功します」という理論は紹介されていません。
個々人で異なる状況に対応するために、3人のカウンセリング実例を引用しながら、タイプの異なる複数のエクササイズが紹介されています。

 
「過剰適応が」

(1) 特にどのような場面で
(2) どのように生じているか
(3) どのような困りごとにつながっているか

を整理することで、自分のための「必要な変化」が見えてきます。

 
より具体的な方法として、

◎自分自身をねぎらう
◎気になるところに手のひらを当てて深呼吸する
◎ツボのタッピングをしてみる
◎自分の「過剰適応」に名前を付ける

なども紹介されており、身体的なアプローチでの対処も考えられるでしょう。

 
本書で紹介される多数の実例を参考に、「過剰適応」と向き合い、無理のない生き方を探してみてはいかがでしょうか。

 

本書の構成

はじめに

「過剰適応傾向」自己診断テスト

第1章 過剰適応とは何だろう?

第2章 過剰適応の原因となるもの

第3章 過剰適応の状態を整理する

第4章 自分をケアする

第5章 過剰適応に働きかける

第6章 過剰適応のさまざまなケース

第7章 過剰適応の人にどう関わるか

第8章 過剰適応から体調を崩してしまったら

 

著者プロフィール(五十音順)

 
■川上晃代(かわかみ・あきよ)さん

With You 代表。公認心理師・臨床心理士・CEAP・2級キャリアコンサルティング技能士。徳島大学にて職員相談室カウンセラー等を兼任後、2008年 現事務所設立。

 
■高橋由紀子(たかはし・ゆきこ)さん

公認心理師、臨床心理士。広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了。西広島リハビリテーション病院、公立・私立学校、浅田病院等を経て、現在さくら心理事務所代表。

 
■馬場洋介(ばば・ひろすけ)さん

帝京平成大学大学院臨床心理学研究科教授。公認心理師・臨床心理士・キャリアコンサルタント・中小企業診断士。日本キャリア・カウンセリング学会副会長。

 
■東川麻子(ひがしかわ・あさこ)さん

株式会社OHコンシェルジュ代表取締役。医学博士。産業医、労働衛生コンサルタント。日本産業衛生学会専門医・指導医。幅広い分野での産業医の経験がある。

 
■廣川進(ひろかわ・すすむ)さん

法政大学キャリアデザイン学部教授。公認心理師、臨床心理士、シニア産業カウンセラー、日本キャリア・カウンセリング学会会長。

 
■藤里智子(ふじさと・ともこ)さん

三菱マテリアル(株)カウンセラー。千葉大学看護学部卒業後、小学校の養護教諭、企業の保健師等を経て、臨床心理士・公認心理師・キャリアコンサルタントの資格を取得。

 
■松井知子(まつい・ともこ)さん

博士(保健学)、公認心理師、元杏林大学保健学部教授。公衆衛生学分野で教育・研究に従事。現在、東京産業保健総合支援センター、企業、教育委員会等で心理相談業務に就く。

 
■松浦真澄(まつうら・ますみ)さん

公認心理師、臨床心理士。民間EAPプロバイダ、都内の労働衛生機関等を経て、現在東京理科大学教養教育研究院准教授。専門分野は職場のメンタルヘルス対策など。

 
■森崎美奈子(もりさき・みなこ)さん

東京女子大学卒業。慶應義塾大学医学部、(株)東芝、ソニー(株)、帝京平成大学、京都文教大学を経て、現在(一社)日本産業心理職協会代表理事。臨床心理士、産業カウンセラー。

 

心理カウンセラーが教える「がんばり過ぎて疲れてしまう」がラクになる本
廣川 進 (編集), 松浦 真澄 (編集)

*新しい職場で努力しているが実績が上がらず、周囲からどう思われているか気になる
*人手不足の部署の管理職として、睡眠を削って働いて目標を達成している
*相当無理をしてがんばっているのに、上司が認めてくれないのが不満だ
*頼まれるとイヤと言えず、たくさんの仕事を抱えて、いつも苦しい思いをしている
……思い当たるかたは、ぜひお読みください。

周りに合わせて自分の気持ちを抑え、無理をしてがんばり過ぎてしまうことを「過剰適応」といいます。
常に緊張や焦燥、不安を感じ、心身の不調に陥って休職につながることもあり得ます。
本書は過剰適応について解説し、自分の状態に気づき、それを解決していく方法を提案するものです。
職場の健康管理やメンタルヘルス支援に従事する専門家(公認心理師、臨床心理士、産業医)が、さまざまな角度から、わかりやすく執筆しています。

 


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