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『お金リテラシー超入門』「まず節約」は間違いだ!

6000人いる吉本興業の芸人の中で「最もお金に詳しい」との異名を持ち、元国税職員で現役東大生でもある芸人 さんきゅう倉田さんが、「お金に困らない人生を送るための知識とノウハウ(金融リテラシー)」をまとめた『お金リテラシー超入門』が主婦と生活社より刊行されました。

お金に関する知識がないために、お金のトラブルに巻き込まれてしまう――。
本書は、そんなリスクを回避するために、芸人含めさまざまな人からお金に関するトラブル相談の ”駆け込み寺” としても活躍してきたさんきゅう倉田さんが「お金リテラシー」を伝授する一冊です。

 

元国税職員、38歳で現役東大生の芸人〈さんきゅう倉田〉さんが新社会人のみなさまへ!

(著者コメント)

こんにちは。元国税職員のさんきゅう倉田です。
国税局に勤めていたころは、法人税の税務調査をしていましたが、お笑い芸人になってからも日々税金のことを考え、当時より税金に詳しくなっています。現在は、執筆活動やメディア出演のほかに、学校や中小企業などでお金に関する講演をしたり、お金を題材にしたボードゲームを開発したりしています。

 
今回、ぼくはこの本をとおして、お金に関する知識やノウハウ(=金融リテラシー)を伝えたいと思います。
それは、金融リテラシーがないばかりに、だまされてお金を巻き上げられたり、お金を使い過ぎてとんでもない額の借金を背負ってしまったり、お金にルーズであったため友人を失ってしまったりした人をたくさん見てきたからです。

 
たとえば、とある芸人さんが、収入以上にクレジットカードで買い物をし、気づいたら、数百万円もの借金を抱えていたという話を聞いたことがあります。芸人だけではありません。
ぼくのところには、いろいろな人からお金のトラブルに関する相談が持ち込まれます。先日、ツイッターのDMで元数学教師を名乗る人から連絡が入りました。

 
「ネット上で知り合った人に、投資のコンサルティング費用として50万円支払い、さらに追加で50万円支払ったのですが、何のアドバイスもなく、結果も伴いませんでした。詐欺被害で届け出を出したいのですが難しいため、ほかの方法で相手が逮捕されることを望んでいます。どうしたらいいのか、お答えいただけると幸いです(以下略)」

 
勉強が得意なはずの数学教師でも、お金で失敗します。

近年、学校でもお金について、いろいろ教えるようになってきています。
学校で学んだことや、周囲の大人から聞いた話をきっかけにお金に興味を持ち、この本を少しでも役立ててほしいと思います。

さんきゅう倉田

 

『お金リテラシー超入門』より(一部抜粋)

 
◆未来のあなたは、何にお金を使いますか?

人はどうして貯金をするのでしょうか。それは〝未来の自分?のためです。未来の自分が困らずにお金を使えるよう、今の自分が貯金をします。だから、どのくらい貯金が必要なのか知るためには、未来の自分の行動を予想しなければいけません。
いつ就職して、いつ結婚して、いつ車を買って、いつ家を買って、いつ子どもができて、いつ子どもが受験をしますか。あなたとあなたの家族のライフプランを考え、どのくらいのお金が必要なのか計算して、計画的に貯金をしましょう。
お金を貯める習慣を身につけると、貯金が楽になります。

 
◆貯金が「いつのまにか」できる人になろう!

「まず節約」は間違い!
貯金をするためには、支出を減らし、場合によっては節約をしなければいけません。しかし、節約の前にやるべきことがあります。それが「先取り貯金」です。
毎月余ったお金を貯金するのではなく、収入から貯金する金額を引いて、残りを支出にまわす方法です。

まず、給料が振り込まれる口座(以下、A)とは別に、預金口座(以下、B)をもう1つ作ります。給料が入ったら、自分で設定した毎月の貯金額をBに移します。お金が必要なときは、Aから引き出します。Bのお金には決して手をつけてはいけません。こうすれば、Aにあるお金で毎月どうやってやりくりすればいいか、自然と考えるようになります。
ぼくも社会人1年目のときに、この方法を実践していました。

「貯金用」の口座としておすすめなのは……

●給料を2つの口座に分けて振り込んでもらう
会社によっては、メインの口座と別の口座に給料を分けて振り込んでくれるところもあります。ぼくは国税局時代、この方法で月給の半分である10万円を先取り貯金にまわし、2年1カ月で250万円を貯金しました。

●銀行の「自動積立定期」
給料が振り込まれる口座の銀行に申し込んで、「自動積立定期」というサービスを利用することもできます。一度手続きをすれば、毎月決まった日に、定額を別の口座に移してくれます。お金を移す日を給料日と同じ日にするといいでしょう。

 
◆「先取り貯金」成功のポイントは3つ

(1)支出を把握する
一人暮らしで手取りが18万円なのに、月10万円を貯金するのは難しいと思います。無理に生活費を切り詰めて貯金にまわそうとすれば、体と心を壊してしまうかもしれません。まずは、自分が「食費」「光熱費」「スマホなどの通信費」「遊び」など、毎月何にいくら使っているのかを把握して、貯金額がいくらなら無理なく生活できるのかを割り出してみましょう。
そのために必要なのが、支出の記録と計算です。
そして、その作業を楽にしてくれる「家計簿アプリ」という強い味方もいます。家計簿アプリは入力が簡単で、計算も自動でやってくれます。毎月の支出もわかるし、検索も容易です。あなたの無駄遣いをきっと〝見える化?してくれます。

(2)目標額・貯金額を設定する
お金の使い道の見とおしを立てておくと、毎月いくら貯金したらいいのか見当がつきます。欲しいものや、やりたいことがなくても、とりあえず先取り貯金を始めてみましょう。
毎月の貯金額の一般的な目安は「手取りの20%」。都会の一人暮らしであれば、5~10%がぎりぎりかもしれませんが、たとえ数千円ずつでも10年たてばまとまった金額になるので、実行してください。
実家暮らしであれば、給料の半分くらい貯金してもいいと思います。

(3)定期的に貯金の内容を見直す
最初に決めた金額や方法がベストとは限りません。
始めてみると、「ちょっとこの貯金額には無理があった」あるいは「まだまだ余裕、貯金額を増やせそう」ということもあるでしょう。その場合は、柔軟に貯金額を見直してください。
定期的に自分の収入や支出のバランスに合わせて目標を修正すること。それが貯金を続ける秘訣です。

 
◆「少しくらいなら」という誘惑に注意!

毎月の貯金額を決めたら、それを守ることが大切です。
「来月は多めに貯金するから……」と、貯金用の口座からお金を引き出してはいけません。そういった行為が気のゆるみを生み、コツコツと貯金をしていた素敵なあなたを堕落させます。

反対に、「今月は余裕があったから、いつもより多く貯金をしよう」と考えることもあると思います。これについては、ぼくのなかでも迷いがあります。「前に多く貯金した月があるから、今月は多く使ってもいい」と考える人と、きちんと過去と現在を切り離して考えられる人がいるからです。余ったお金を貯金にまわす場合は、ご自身の性格を見極めたうえで判断してください。
ただ、「お金が余ったから、貯金にまわす」という考え方じたいは、とても素晴らしいと思います。

ぼくが新卒時代に先取り貯金を始めた理由はとくにありません。
当時は研修中で、勤務時間後は勉学に勤しんでおり、彼女もいなかったのであまりお金を使いませんでした。しかし、研修が終わって時間に余裕ができ、毎週末に同期とコンパをするようになってからは厳しかった。くじけそうになったときもありました。それでも、ボーナスを頼りになんとか続けることができました。
国税局に在籍していた2年1カ月で貯めたお金で、その後、よしもとの養成所の入学金や生活費をまかなうことができました。

本気でお金を貯めたいと思ったら、自分なりのルールを作り、何が何でもそのルールを守りましょう。そうすれば、1年後、5年後、そして10年後、あなたの預金残高は確かに増えているはずです。

 

本書の構成

【PART1】お金と人生
稼ぐお金と支払うお金はいったいいくら?

【PART2】働くこととお金
働き方は大きく分けてふたつ/会社で働く場合もさまざまな働き方がある/給料をきっちりもらうために知っておきたいこと
〔だまされて損しないために! 1〕若者が巻き込まれやすいお金トラブル

【PART3】お金を納める義務
税金は何のためにある?その理由を考えてみよう/知らないうちに支払っている……たくさんある税の種類/所得税の仕組みを知って払い過ぎた税は取り戻そう

【PART4】お金の貯め方
働き始めたら計画的に貯金を!/貯金が「いつのまにか」できる人になろう!

【PART5】お金の使い方
正しいお金の使い方をマスターしよう/お金の使い方を管理して無駄遣いを減らす/キャッシュレス決済のメリット・デメリットを知ろう
〔だまされて損しないために! 2〕新生活にまつわるお金トラブル

【PART6】お金の増やし方
将来を見据えて投資ができる人になろう!/さっそく投資を始めてみたい!初心者のためのおすすめ投資

【PART7】人生のピンチに備える
無駄な保険料を払わないため知っておきたい社会保障制度/お金のトラブルが起きたらどこに相談する?

《コラム│お金の豆知識》
一人暮らしをスタートするような不動産契約時に、思わぬ落とし穴が/フリーランス志望なら知っておきたいこと/水のトラブルは悪徳業者に注意!/節約のつもりが逆効果になる可能性も/「こんなはずじゃなかった!」トラブルの多い「リボ払い」/将来に備えて「複利運用」で資産を育てよう!

 

著者プロフィール

芸人。ファイナンシャルプランナー。大学卒業後、国税専門官試験を受けて東京国税局に入庁。中小法人を対象に法人税や消費税、源泉所得税、印紙税の調査を行ったのち、同局退職。吉本興業の養成所NSCに入学し、芸人となる。現在は税理士会、法人会、商工会、医師会、保険会社、労働組合、各種学校、中小企業などでの講演に加え、『週刊東洋経済』『ダイヤモンド・オンライン』『プレジデントオンライン』『マイナビニュース』などでも税や経済についての記事を執筆。2023年3月東京大学文科二類に合格。

著書に『元国税芸人が教える! フリーランスで生きていくために絶対知っておきたいお金と税金の話』(あさ出版)、『お金持ち 貧困芸人 両方見たから正解がわかる! 元国税職員のお笑い芸人がこっそり教える 世界一やさしいお金の貯め方増やし方 たった22の黄金ルール』(東洋経済新報社)などがある。

 
【参考】
Yahoo! ニュース「吉本興業所属・さんきゅう倉田、38歳で東大に入学 1日の勉強時間は20時間 合格点ギリギリで「本当によかった(オリコンニュース)」にも自身でコメント。金融リテラシー向上の必要性を語った。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ccee90c76fc7b2e09b28bb085f4d8be127dc83ab

 

だまされて大損しないために! 15歳から知っておきたい お金リテラシー超入門
さんきゅう倉田 (著)

元国税局員で現よしもと芸人・さんきゅう倉田さんが“お金ビギナー”向けに、一生困らないための“お金の基本”を伝える入門書。

「学校で学んだことや、周囲の大人から聞いた話をきっかけにお金に興味を持ち、この本を少しでも役立ててほしいと思います」(さんきゅう倉田)

 


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