小川哲さん〈陰謀論によって壊れゆく現代〉のサスペンス『スメラミシング』が刊行
第13回山田風太郎賞と第168回直木賞をダブル受賞した『地図と拳』をはじめ、これまで数々の文学賞を受賞し、近作『君のクイズ』『君が手にするはずだった黄金について』が2年連続で本屋大賞候補作となるなど、今最も注目を浴びる作家・小川哲さんによる最新作『スメラミシング』が河出書房新社より10月10日に刊行されます。
衝撃の最新作は陰謀論が渦巻く現代の黙示録!
《理由がほしい。物語がほしい。
正義のヒーローが現れて、黒幕の悪事を暴き、世界を変える、そんなお話であってほしい。
自分はその物語の登場人物でありたい。》
(本書より)
本作は、母からの束縛に振り回され、周囲に溶け込めない「僕」と、SNS上でカリスマとして崇拝されるアカウント<スメラミシング>解釈の第一人者「タキムラ」の視点から描かれるサイコサスペンス。
反ワクチン、ディープステイト、暗黒政府、イルミナティ――、数多の陰謀論と思惑を取り込み、生きる価値のない現実を打倒する、救世主<スメラミシング>のマスタープランとは一体何なのか。
壊れゆく途上の世界を生きる人々へ差し出された、現代の黙示録とも呼べる傑作です。
「多様性が声高に叫ばれる現代に於いても、掬い上げられることなく無視され排除されていく人々をその内面から描いた、挑戦的な快作」
──金原ひとみさん
神と人類の未来を問う、超ド級の絶品エンタメ!
『スメラミシング』は、当代きってのベストセラー作家による「宗教×超ド級の絶品エンタメ」集です。
七十人訳聖書に隠された衝撃の秘密を明かす歴史空想小説(「七十人の翻訳者たち」)、
天皇の棺を運ぶ一族の末裔による労働バイオレンス小説(「密林の殯(もがり)」)、
陰謀論者たちのオフ会を描くサイコサスペンス(「スメラミシング」)、
最後の宗教〈ゼロ・インフィニティ〉をめぐる魔術的数学奇譚(「神についての方程式」)、
神が禁忌とされた惑星の不都合な真実(「啓蒙の光が、すべての幻を祓う日まで」)、
文明崩壊後の少年少女に与えられた残酷な使命(「ちょっとした奇跡」)――。
宗教・偶像と人間の営みとのあわいが精緻な文体でかたどられ、軽妙洒脱な語りと重層的な構図の妙を存分に堪能できる一冊。神と人類の未来を問う、超ド級の絶品エンターテインメント全6編を収録しています。
★Web河出「スメラミシング」ためし読みページ:https://web.kawade.co.jp/tameshiyomi/103892/
<いち早く本書を読んだ全国書店員の皆さんより絶賛の声!>
「ちょっとした奇跡」の本当に「ちょっとした奇跡」っぷりに感動。
ディストピアに宿る情愛、こんなんみんな大好きなやつじゃないですか!!!
――田村書店 吹田さんくす店 村上望さん
バッキバキの小川哲作品!! 読書という快楽を体現したような、麻薬のような短編集。
――ページ薬局 尼子慎太さん
深く考えさせられつつも、とんでもなく笑える。
物語が持つ神秘性を否定することを、物語で肯定させる荒業。
すげー本読んだぞ!!
――萬松堂 渡邉典朋さん
虚と実、聖と俗、光と闇。人間の営みすべてを俯瞰しつつ、神の領域に触れるようなスリルが最高。
――オフィスアルパカ 内田剛さん
ひねくれているんだけど、どこか共感してしまう。そんな物語を生み出す小川哲が大好きです。
――未来屋書店 碑文谷店 福原夏菜美さん
この何か、ずんずんと突き詰めて、迫ってくるものは、重くて、尊い。
――ジュンク堂書店 滋賀草津店 山中真理さん
自分の中の奥底にある何かが呼び起こされてはじける。痺れる読書体験。
――未来屋書店 秋田店 佐藤香奈子さん
「小川さんの頭の中は一体どうなっているのだろう」と気になって気になって気になって仕方がなくなります。
――福岡金文堂 行橋店 富山未都さん
著者プロフィール
小川哲(おがわ・さとし)さんは、1986年生まれ、千葉県出身。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。
2018年に『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞を受賞。020年には『嘘と正典』に収録の「魔術師」が中国にて銀河賞の銀賞に輝いた。2022年に『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、2023年1月には同作で第168回直木賞を受賞。同年刊行の『君のクイズ』で第76回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞。
近刊に『君が手にするはずだった黄金について』がある。ラジオ・パーソナリティーとしても活躍。
スメラミシング 小川 哲 (著) カリスマアカウント〈スメラミシング〉を崇拝する覚醒者たちの白昼のオフ会。参加した陰謀論ソムリエ〈タキムラ〉の願いとは──? |
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