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平野啓一郎さん『本心』が池松壮亮さん主演で映画化

平野啓一郎さん著『本心』(文春文庫)

平野啓一郎さん著『本心』(文春文庫)

平野啓一郎さん著『本心』(文春文庫)が石井裕也さん監督、池松壮亮さん主演で映画化されます。

 

映画「本心」が11月8日(金)全国ロードショー!

昨年度の映画祭で多くの監督賞を受賞した石井裕也さんを監督に、池松壮亮さんを主演に迎え、平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』『ある男』に続く傑作長篇小説『本心』が映画化され、11月8日(金)に全国公開されることが決定しました。

 
<原作者・平野啓一郎さん コメント>

『マチネの終わりに』、『ある男』に続き、『本心』が映画化されることとなり、私は期待に胸を膨らませました。しかも、驚くほど豪華なキャスト! とは言え、本作の映像化の困難は容易に想像がつきました。2040年代の日本と、その世界を生きる人々は、果たしてどのように描かれるのか? 登場人物たちの人生を通じての思想的な問いかけは? 脚本の段階で相談を受けましたが、私は、原作のプロットを窮屈になぞろうとするのではない、石井裕也監督による映画的な再構築を受け容れました。試写会では固唾を飲んで見守りました。小説の映画化に於いて、原作と映画は、一種、共同的なライバル関係にあるのだということを、私は強く感じました。一つの新しい世界が誕生しました。そして私は、それを実現した監督、俳優を初めとする映画制作者たちに敬服しました。

(c)ogata_photo

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映画「本心」概要〔敬称略〕

(c)2024 映画『本心』製作委員会

(c)2024 映画『本心』製作委員会

テクノロジーは、人の心を再現できるのか――。
“自由死”を選んだ母の本当の心を知るために、AIで彼女を蘇らせる …。
時代の進化 が著しい“今”描かれるべき傑作小説、映画化!

 
■原作:平野啓一郎『本心』(文春文庫/コルク)

■公開日:2024年11月8日(金)
※TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

■出演者
池松壮亮
三吉彩花 水上恒司 仲野太賀/田中泯 綾野剛/妻夫木聡
田中裕子

■監督・脚本:石井裕也

■音楽:Inyoung Park 河野丈洋

■製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
■制作プロダクション:RIKIプロジェクト

★映画公式サイト:https://happinet-phantom.com/honshin/
★公式X:https://x.com/honshin_movie

(c)2024 映画『本心』製作委員会

 

 

監督・脚本:石井裕也さん コメント&プロフィール

平野啓一郎さんの傑作小説を映画化できて本当に光栄に思います。これからさらに普及していくAIやテクノロジーに対して少しでも不安に思っている方々に捧げる映画です。これから確実に到来する複雑な世界の中で、登場人物たちは地に足をつけられず、ひたすらに迷子になっていきます。それは明日の僕たちの姿です。あるいは、もしかしたら僕たちはもうとっくに迷子になっているのかもしれません。素晴らしいキャストとスタッフと共に人が生きる喜びをシンプルに祝福するためにこの映画を作りました。不思議で面白い極上の迷子を是非劇場でご堪能ください。

 
〈石井裕也さんプロフィール〉

1983年生まれ、埼玉県出身。大阪芸術大学時代の卒業制作『剥き出しにっぽん』(2005)がPFFアワードにてグランプリを受賞。商業映画デビュー作「川の底からこんにちは」(10)がベルリン国際映画祭に正式招待され、モントリオール・ファンタジア映画祭で最優秀作品賞、ブルーリボン賞監督賞を史上最年少で受賞した。「舟を編む」(13)で第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞。「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(17)は第67回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品され、第9回TAMA映画賞にて最優秀作品賞ほかを受賞。「月」(23)で第48回報知映画賞作品賞ほか多数の映画賞に輝く。その他の主な監督作品に「ぼくたちの家族」(14)、「バンクーバーの朝日」(14)、「乱反射」(18)、「生きちゃった」(20)、「茜色に焼かれる」(21)、「アジアの天使」(21)、愛にイナズマ」(23)。

 

主演:石川朔也役・池松壮亮さん コメント&プロフィール

本心というあまりに素晴らしい原作を映画化させてくださった平野啓一郎さんに心から感謝しています。この難しい題材にありったけの力を注いでチームを導いてくれた石井裕也監督に心から感謝しています。最高峰のキャスト、最高峰のスタッフが結集し、私たちのこれまでについて、すぐそこまでやってきているこれからについて、2023年猛暑の夏、夢中に懸命に取り組みました。
本心を巡る旅路は、人間の本質を見つめ、人間の哀しみを見つめ、欲望と、愛と、存在そのものを追求するような果てしないものでした。
自分にとって、生涯忘れられない作品となりました。沢山の観客の皆さまとこの映画を共有できることを心から願っています。

〈池松壮亮さんプロフィール〉

1990年生まれ、福岡県出身。2003年に「ラスト サムライ」で映画デビュー。近年の主な映画出演作に「斬、」(18)、「宮本から君へ」(19)、「ちょっと思い出しただけ」(22)、「シン・仮面ライダー」(23)、「せかいのおきく」(23)、「白鍵と黒鍵の間に」(23)など。石井裕也監督作品には「ぼくたちの家族」(14)、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」(17)、「アジアの天使」(21)、愛にイナズマ」(23)ほか多数の作品に参加しており、今作が9作目のタッグとなる。テレビドラマ「海のはじまり」(フジテレビ)が7月1日(月)21時より放送開始。また、今年のカンヌ映画祭で話題をさらった「ぼくのお日さま」が9月13日全国公開、「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」が9月27日公開予定。

 

著者プロフィール

平野啓一郎(ひらの・けいいちろう)さんは、1975年、愛知県蒲郡市生まれ、北九州市出身。京都大学法学部卒業。1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。

以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在。美術、音楽にも造詣が深く、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当(2009年~2016年)するなど、幅広いジャンルで批評を執筆。2014年には、国立西洋美術館のゲスト・キュレーターとして「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」展を開催した。

小説に『葬送』『高瀬川』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』『ドーン』『空白を満たしなさい』『透明な迷宮』『マチネの終わりに』『ある男』等、エッセイに『本の読み方 スロー・リーディングの実践』『小説の読み方』『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『考える葦』『「カッコいい」とは何か』『死刑について』等がある。

累計60万部超のロングセラー作品『マチネの終わりに』の映画化(2019年)、『空白を満たしなさい』の連続ドラマ化(2022年)、『ある男』の映画化(2022年)と映像化が続く。

2009年『決壊』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、2019年『ある男』で読売文学賞を受賞。2014年、フランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエを受章。2023年、構想20年の『三島由紀夫論』を遂に刊行。『仮面の告白』『金閣寺』『英霊の声』『豊饒の海』の4作品を精読し、文学者としての作品と天皇主義者としての行動を一元的に論じた。三島の思想と行動の謎を解く、令和の決定版三島論。同作で第22回小林秀雄賞を受賞

 

本心 (文春文庫)
平野 啓一郎 (著)

愛する人の本当の心を、あなたは知っていますか?

「母を作ってほしいんです」――AIで、急逝した最愛の母を蘇らせた朔也。

孤独で純粋な青年は、幸福の最中で〈自由死〉を願った母の「本心」を探ろうと、AIの〈母〉との対話を重ね、やがて思いがけない事実に直面する。

格差が拡大し、メタバースが日常化した2040年代の日本を舞台に、愛と幸福、命の意味を問いかける。

『マチネの終わりに』『ある男』に続く傑作長篇小説。

 
【関連】
映画『本心』公式サイト
本心 | 立ち読み | 文藝春秋BOOKS

 


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