本のページ

SINCE 1991

「親ガチャ」は乗り越えられる!『遺伝と平等 人生の成り行きは変えられる』が刊行

米テキサス大学で「遺伝と学歴」の研究を続ける著者キャスリン・ペイジ・ハーデンさんが、ビッグデータ時代の研究成果をもとに「新しい平等」を指向する話題作『遺伝と平等 人生の成り行きは変えられる』が新潮社より刊行されました。『フェルマーの最終定理』をはじめとするサイエンス翻訳の名手・青木薫さんが翻訳。

 

「親ガチャ」を乗り越えろ! 最先端の遺伝学の成果は、あなたの武器になる

『フェルマーの最終定理』をはじめ数々のサイエンス名作の訳を手掛けるなど卓越した評価眼と多くのファンをもつ青木薫さんが「間違いなく話題になる本」「非常に良く書けた(一般書として読みやすい)、ホットな本」と高く評価する本作。遺伝とはくじを引くようなもの。くじの結果は貧富や学歴にまでも影響を及ぼすが、遺伝学の最新の研究成果を認識すれば、人生も社会も変えられる。新しい平等を実現できると説きます。

 
デリケートな内容ではありますが、あえて一言で言えば「THE GENETIC LOTTERY=遺伝くじは存在する」「ただしその研究は、遺伝くじによって生じている社会的不平等を解消するために有用である」というものです。

 
著者はこれまで主に「遺伝と学歴の関係」や「双子」に注目する研究をしてきました。学歴に注目するのは、それが(今日のアメリカで)雇用、収入、医療へのアクセス等すべてにおいて選択肢の広さ(狭さ)につながっている現状があるから。バリバリの進歩主義的リベラルでもある著者は、遺伝学を人種差別などに利用しがちだった、いわゆる「優生学」とは一線を画し、生まれながらの幸運や能力の存在をまず認識することにより、ひとりひとり異なる個性を最大限発揮できる場を見つけ、それらをサポートするための環境や社会も構築できる」と考えます。

 
最新の研究成果をわかりやすく紹介しながら随所に実体験も織り交ぜた、ビッグデータの時代ならではの新しい知的興奮と問題提起の一冊です。

 
【推薦コメント】

◇元村有希子さん
「生まれか、育ちか」論争を超える時が来た

◇池内了さん
遺伝はゲームである。遊べばいいのだ

◇大澤真幸さん
もしあなたが〈平等で公正な社会〉をほんとうに望んでいるならば、この本を読むべきだ。あなたはこれまで、最強の友を敵と勘ちがいして、遠ざけてきたからだ。敵の名は「優生学」。友の名は「遺伝学」。

◇平野啓一郎さん
また新たな基礎的教養書の登場(「波」十一月号の書評より)

 

本書の構成

第I部 遺伝学をまじめに受け止める
第一章 はじめに
第二章 遺伝くじ
第三章 レシピ本と大学
第四章 祖先アンセストリーと人種
第五章 生活機会ライフチャンスのくじ
第六章 自然によるランダムな割り振り
第七章 遺伝子はいかにして社会的不平等を引き起こすのか

第II部 平等をまじめに受け止める
第八章 オルタナティブな可能世界
第九章 「生まれ」を使って「育ち」を理解する
第十章 自己責任?
第十一章 違いをヒエラルキーにしない世界
第十二章 アンチ優生学の科学と政策

謝辞
訳者あとがき
原註

 

著者プロフィール

 
■キャスリン・ペイジ・ハーデンさん

@Paige Newton

@Paige Newton

テキサス大学心理学教授。同大学のDevelopmental Behavior Genetics Lab(発達的行動遺伝学研究室)を運営。テキサス双子プロジェクトを共同主催。初の著作となった本書は、「ニューヨーカー」、「ガーディアン」など各媒体で絶賛され、2021年の「エコノミスト」ベストブックに選ばれるなど高評を得た。

 
■訳:青木薫(あおき・かおる)さん

1956年生れ。翻訳家。訳書に『フェルマーの最終定理』『暗号解読』『宇宙創成』など、サイモン・シンの全著作、マンジット・クマール『量子革命』(以上、すべて新潮社)、ブライアン・グリーン『時間の終わりまで  物質、生命、心と進化する宇宙』(講談社)など。

著書に『宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論』(講談社)がある。2007年度日本数学会出版賞を受賞。『新版 科学革命の構造』(トマス・S・クーン著、みすず書房)にて2023年度日本翻訳家協会翻訳特別賞を受賞。

 

遺伝と平等:人生の成り行きは変えられる
キャスリン・ペイジ・ハーデン (著), 青木 薫 (翻訳)

遺伝とはくじ引きのようなもの――だが、生まれつきの違いを最先端の遺伝統計学で武器に換えれば、人生は変えられる。遺伝と学歴、双子の研究をしてきた気鋭の米研究者が、科学と社会をビッグデータでつなぎ「新しい平等」を指向する、全米で話題の書。サイエンス翻訳の名手、青木薫さんも絶賛する、時代を変える一冊だ。

 
【関連】
試し読み | キャスリン・ペイジ・ハーデン、青木薫/訳 『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』 | 新潮社

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です