本のページ

SINCE 1991

田辺青蛙さん『致死量の友だち』が後日譚を加えて文庫化 解説は三浦しをんさん

田辺青蛙さん著『致死量の友だち』が文庫化され、二見文庫より刊行されました。大幅改稿に加え、単行本では語られなかった後日譚も収録。装画は押切蓮介さんが担当。

 

一緒にあいつらに復讐しましょう――。

 
三浦しをんさん絶賛!
「私が本書をしびれるほど好きだなと思うのは、こうした無神経、想像力の欠如に対する、作者の怒りと呪いが満ち満ちているからだ。」(解説より)

 
【あらすじ】

一緒にあいつらに復讐しましょう。
凄惨な虐め、離散同様の家族――「死」を覚悟したとき、傍らでささやく美しいクラスメイト。
彼女は毒を隠し持つ麗しい女王蜂だった。

「別に、生きていて欲しい人なんていない…… 」
「 そう、なら皆殺しでいいのね 」

学校で苛烈な虐めをうける宇打ひじり。
死をも考え始めてしまうような状態の中、美しいクラスメイトの夕実から一緒に復讐しようと誘われる。夕実も校内でおぞましい仕打ちをうけていたのだ。

夕実に誘われるまま、毒を使って仕返しを考えるようになったひじりは、彼女から毒の知識を得ていくが、美しい彼女へ憧れや恋に似た依存を強めていく。

そんな中、ひじりが絶望に打ちひしがれる事態が起こり、思わぬ事件に発展してしまう。
その悲劇の裏にひそむ悪意にひじりは動揺しながらも、クライメイトとともに事件を探るようになるが、ついには学園中を巻き込んだ大きな惨劇が発生してしまう。
――その裏には驚きの事実が待ち受けていた。

 

著者プロフィール

 
■田辺青蛙(たなべ・せいあ)さん

ホラー・怪談作家。 1982年生まれ、大阪府出身。オークランド工科大学卒業。2006年「薫糖」で第4回ビーケーワン怪談大賞佳作を受賞、『てのひら怪談』に掌編が収録される。

2008年「生き屏風」で第15回日本ホラー小説大賞短編賞、2010年「映写眼球」で「みちのく怪談コンテスト」高橋克彦賞を受賞。『あめだま ――青蛙モノノケ語り』で第13回Sense of Gender賞候補。「大阪てのひら怪談」企画者、2018年「東大阪ふるさと怪談」審査員。女流怪談師として地元関西を中心に実話怪談界で活躍。

著書に「大阪怪談」シリーズ、『関西怪談』『北海道怪談』『紀州怪談』『魂追い』『皐月鬼』『あめだま 青蛙モノノケ語り』『モルテンおいしいです^q^』『人魚の石』など。共著に「京都怪談」「てのひら怪談」「恐怖通信 鳥肌ゾーン」各シリーズ、『全国小学生おばけ手帖 とぼけた幽霊編』『怖い日本の名城』『怪しき我が家』、夫の芥川賞作家・円城塔さんとの共著『読書で離婚を考えた。』など。

 
■作品解説:三浦しをん(みうら・そをん)さん

1976年生まれ、東京都出身。大学卒業後、外資系出版社の事務を経験するが、本国から英語で頻繁にかかってくる電話に対応できず3か月ほどで辞める。その後は町田駅前の大型古書店「高原書店」にアルバイトとして2001年まで勤務していた。

2005年に『私が語りはじめた彼は』で山本周五郎賞候補、同年7月には『むかしのはなし』で直木賞候補となった。2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞。2012年『舟を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』で織田作之助賞、『ののはな通信』で第25回島清恋愛文学賞及び第7回河合隼雄物語賞を受賞。2019年、植物学専攻の大学院生を描いた『愛なき世界』で作家としては初めてとなる日本植物学会賞特別賞を受賞

Cobalt短編小説賞の選考委員、太宰治賞の選考委員、手塚治虫文化賞選考委員、R-18文学賞選考委員、直木賞選考委員などを歴任。父親は上代文学・伝承文学研究者で千葉大学名誉教授の三浦佑之さん。

 
■装画:押切蓮介(おしきり・れんすけ)さん

1979年生まれ、東京都出身。漫画家。祖父は直木賞作家の神崎武雄さん。1998年に『週刊ヤングマガジン』(講談社)に掲載された『マサシ!!うしろだ!!』でデビュー。

独特の絵柄と多彩な作風でホラーギャグという特異なジャンルを開拓したことでも知られるがジャンルに縛られない多作な作家である。

怪談専門誌『怪と幽』にて『おののけ!くわいだん部』、『月刊ビッグガンガン』にて『ハイスコアガールDASH』を連載。そのほかの作品に『ハイスコアガール』『ミスミソウ』『サユリ』『でろでろ』『おののけ! くわいだん部』など。2018年に『ミスミソウ』、2024年夏に『サユリ』が実写映画化。

 

致死量の友だち (二見文庫)
田辺青蛙 (著), 三浦しをん (解説)

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です