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寺地はるなさん『希望のゆくえ』が文庫化 「最終章」を特別書下ろしで収録

本屋大賞ノミネートの『川のほとりに立つ者は』、河合隼雄物語賞を受賞し中学・高校入試頻出作品としておなじみの『水を縫う』などで注目の著者、寺地はるなさんによる感涙のエール小説『希望のゆくえ』が文庫化され、新潮文庫より刊行されました。

 

傷を負い、自分を愛せない大人たちへ――本屋大賞ノミネート作家が贈る、感涙のエール小説

弟の希望が放火犯を疑われる女性と共に姿を消し、兄の誠実がそのゆくえを追う。そんなミステリめいた序章から物語は始まります。いったい、希望はどこにいってしまったのか。果たして、誠実の声は弟に届くのか。これは、失くした「希望」を探しなおす、喪失と再生の物語です。

 
〈全国書店から推薦の声が続々!〉

「寺地はるなは、人間の心の奥にあるものをむきだしにする。これは、願いと救いの物語だと思います」
(ジュンク堂書店滋賀草津店・山中真理さん)

「読み終わった瞬間めちゃくちゃ泣いてた。今一番大好きな作家」
(丸善丸の内本店・森廣麻由美さん)

「重い。深い。でも未来はあると顔を上げて読み終えることができました」
(明文堂書店TSUTAYA戸田・坂本まさみさん)

 
【あらすじ】

誰からも愛された弟には、誰も知らない秘密があった。突然姿を消した弟、希望(のぞむ)。行方を追う兄の誠実(まさみ)は、関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。本当の希望はどこにいるのか。記憶を辿るうち、誠実もまた目をそらしてきた感情と向き合うこととなる――。

痛みを抱えたまま大人になった兄弟がそれぞれの「希望」を探す、優しいエールに満ちた物語。文庫化にあたり、書下ろし短篇を収録。

 

<最終章>を、特別書下ろしで収録!

今回の文庫化にあたり、著者の寺地さんが特別に<最終章>を書き下ろしました。「まさにこれが読みたかった!」と思う「その後の話」。単行本のラストも希望を感じさせるものではありましたが、最終章が加わることによって、より強い光を放つ物語になりました。

 
傷を負った心も、逃げることも、「ここ」でないどこかで生きることも、あたたかに肯定するエール小説です。

 

著者プロフィール

著者の寺地はるな(てらち・はるな)さんは、1977年生まれ、佐賀県出身。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。

2020年『夜が暗いとはかぎらない』で第33回山本周五郎賞候補。2021年、『水を縫う』が第42回吉川英治文学新人賞候補作にノミネートされ、同年同作で第9回河合隼雄物語賞を受賞。2023年『川のほとりに立つ者は』が本屋大賞9位に入賞、『わたしたちに翼はいらない』が大藪春彦賞候補となる。

『大人は泣かないと思っていた』『今日のハチミツ、あしたの私』『ほたるいしマジカルランド』『声の在りか』『雨夜の星たち』『夜が暗いとはかぎらない』『ガラスの海を渡る舟』『タイムマシンに乗れないぼくたち』『カレーの時間』『白ゆき紅ばら』など著書多数。

 

希望のゆくえ (新潮文庫)
寺地 はるな (著)

家族という檻のなかで、
本屋大賞ノミネート作家、寺地はるながおくるあたたかなエール!

誰からも愛された弟には、誰も知らない秘密があった。突然姿を消した弟、希望。行方を追う兄の誠実は、関係者の語る姿を通し弟の持つ複数の顔を知る。本当の希望はどこにいるのか。記憶を辿るうち、誠実もまた目をそらしてきた感情と向き合うこととなるーー。痛みを抱えたまま大人になった兄弟が、それぞれの「希望」を探す優しいエールに満ちた物語。文庫化にあたり、書下ろし短篇「光」を収録。

解説:山中真理

 
【関連】
試し読み | 寺地はるな 『希望のゆくえ』 | 新潮社

 


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