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【第9回河合隼雄物語賞・学芸賞】物語賞は寺地はるなさん『水を縫う』、学芸賞は石山徳子さん『「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族』が受賞

第9回河合隼雄物語賞・学芸賞が決定!

第9回河合隼雄物語賞・学芸賞が決定!

河合隼雄財団は6月2日、第9回河合隼雄物語賞および第9回河合隼雄学芸賞の受賞作品を発表しました。

 

第9回河合隼雄物語賞・学芸賞が決定!

第9回河合隼雄物語賞および第9回河合隼雄学芸賞の受賞作品は次の通りです。

 
<第9回河合隼雄物語賞>
寺地はるな(てらち・はるな)さん
『水を縫う』(集英社)

<第9回河合隼雄学芸賞>
石山徳子(いしやま・のりこ)さん
『「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族』(岩波書店)

 
物語賞を受賞した寺地はるなさんは、1977年生まれ。佐賀県出身。大阪府在住。『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。2020年に「咲くやこの花賞」(文芸その他部門)を受賞。『夜が暗いとはかぎらない』で第33回山本周五郎賞候補、『水を縫う』で第42回吉川英治文学新人賞候補。

学芸賞を受賞した石山徳子さんは、1971年生まれ。東京都出身。日本女子大学文学部英文学科卒業。ラトガース大学大学院地理学研究科博士課程修了。専門は人文・政治地理学、地域研究(アメリカ合衆国)。明治大学政治経済学部、大学院教養デザイン研究科教授。

なお、寺地はるなさんと石山徳子さんには記念品および副賞100万円が贈られます。

 
※授賞理由や受賞の言葉など詳細は、
物語賞:http://www.kawaihayao.jp/ja/prize/2768.html
学芸賞:http://www.kawaihayao.jp/ja/prize/2770.html
をご覧ください。
また、正式な受賞の言葉や選評は『新潮』8月号(7月7日発売)誌上で発表されます。

 

河合隼雄物語賞・学芸賞について

河合隼雄さんは、臨床心理学者で、京都大学名誉教授、文化庁長官などを歴任。臨床心理学にとどまらず、日本文学をはじめ、児童文学、絵本、神話、昔話などの研究に取り組みました。

河合隼雄物語賞および河合隼雄学芸賞は、その河合隼雄さんの遺志を受け継ぎ、現代社会を生きる人びとのこころを豊かにし、日本文化の発展に寄与することを目的として設立された河合隼雄財団が主催。

 
物語賞は、人のこころを支えるような物語をつくり出した優れた文芸作品に与えられる賞で、児童文学もその対象としています。
選考委員は、小川洋子さん、後藤正治さん。

学芸賞は、優れた学術的成果と独創をもとに、様々な世界の深層を物語性豊かに明らかにした著作に与えられる賞です。
選考委員は、岩宮恵子さん、中沢新一さん、山極寿一さん、鷲田清一さん。

両賞とも、選考は1年ごとに行われ、毎年3月からさかのぼって2年の期間内に発表・発行された作品を選考対象とします。

 

水を縫う
寺地 はるな (著)

松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。
学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」
いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。
世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。

「犠牲区域」のアメリカ 核開発と先住民族
石山 徳子 (著)

核開発を牽引する「偉大な国」で、安全保障や経済発展のために犠牲にされ、環境汚染の最前線で生きるアメリカ先住民の人びと。「最大多数の幸福」を名目に、いかに彼らの存在が不可視化されてきたか。セトラー・コロニアリズムによる支配の構造と、それに対する粘り強い抵抗の歩みを、長年の調査をもとに描き出す。

 
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