本のページ

SINCE 1991

【第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞】山崎ナオコーラさん『ミライの源氏物語』が受賞 俵万智さんが選考

東急文化村は9月4日、第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞の受賞作を発表しました。

 

第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞が決定!

第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、俵万智さんが選考し、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞 受賞作品>

山崎ナオコーラ(やまざき・なおこーら)さん
『ミライの源氏物語』(淡交社)

 
1990年の創設以来、Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、毎年かわる「ひとりの選考委員」によって受賞作を決定してきました。第33回となる2023年度の選考を務めたのは歌人の俵万智さんです。

受賞作に選ばれた山崎ナオコーラさんの『ミライの源氏物語』について、俵万智さんは「『古典をなぜ読むのか?』という古くからある問いに対して、これほど明快で深い、それでいて新しい答えに、私は出会ったことがない。」と評しています。

俵万智さんの選評は公式ホームページ(https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/33.html)にて全文掲載されています。

山崎ナオコーラさんには、正賞として賞状とスイス・ゼニス社製時計が、副賞として100万円が贈られます。

 

受賞作品および受賞者について

 
【受賞作『ミライの源氏物語』概要】

ルッキズム、ロリコン、不倫。現代を生きる私たちは名作古典「源氏物語」をどう読めるか。社会の在り方に長く向き合ってきた山崎ナオコーラさんによる現代人のための「源氏物語」エッセイ。

 
<受賞者・山崎ナオコーラさん プロフィール>

小説家、エッセイスト。1978年生まれ。性別はない。國學院大學文学部日本文学科卒業。卒業論文は似ている人たちをカテゴライズする不思議さについて書いた「『源氏物語』浮舟論」。

2004年に「人のセックスを笑うな」で文藝賞を受賞しデビュー。「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書く」が目標。『源氏物語』の現代語訳が夢。

 

選考委員プロフィール

俵万智(たわら まち)さんは、歌人。1986年、作品「八月の朝」で第32回角川短歌賞を受賞。1987年、第一歌集『サラダ記念日』を出版、ベストセラーとなる。

1988年『サラダ記念日』で第32回現代歌人協会賞。2004年に評論『愛する源氏物語』で第14回紫式部文学賞、2006年に第四歌集『プーさんの鼻』で第11回若山牧水賞、2021年『未来のサイズ』で第36回詩歌文学館賞第55回迢空賞を受賞。

歌集の他、小説、エッセイなど著書多数。「現代短歌の魅力を伝え、すそ野を広げた創作活動」により2021年度朝日賞を受賞

 

Bunkamuraドゥマゴ文学賞について

Bunkamuraドゥマゴ文学賞は、パリの「ドゥマゴ文学賞」(1933年創設)のもつ先進性と独創性を受け継ぎ、既成の概念にとらわれることなく、常に新しい才能を認め、発掘することを目的に、1990年に創設された文学賞です。権威主義に陥らず、既成の概念にとらわれることなく、先進性と独創性のある、新しい文学の可能性を求めています。東急文化村が主催。

前年7月1日から当年7月31日までの13ヶ月間に出版された単行本または雑誌等に発表された日本語の文学作品(小説、評論、戯曲、詩)を対象とし、受賞作は、毎年「ひとりの選考委員」によって選ばれます。選考委員の任期は1年間。

なお、次回、第34回(2024年度)選考委員は小説家の桐野夏生さんです。

 

ミライの源氏物語
山崎ナオコーラ (著)

〈ルッキズム、ロリコン、不倫。現代を生きる私たちは名作古典「源氏物語」をどう読めるか〉 〈人気作家・山崎ナオコーラによる現代人のための「源氏物語」エッセイ〉 現代人が「源氏物語」を読むときのハードルとなるのは、ひとつは言葉の違い(古文の読解)、そしてもうひとつは倫理観や 社会規範の違いです。本書は、社会の在り方に長く向き合ってきた作家・山崎ナオコーラさんが、深く愛する古典「源氏物語」 について、現代人ならではの読み方を考えます。より現代的な訳を目指した「ナオコーラ訳」も読みどころのひとつ。 【ルッキズム、ロリコン、不倫。拭えない違和感を人気作家・山崎ナオコーラがときほぐす、現代人のための「源氏物語」エッセイ。】

 
【関連】
第33回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞 受賞作品 | Bunkamura

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です