【第36回詩歌文学館賞】森本孝徳さん『暮しの降霊』、俵万智さん『未来のサイズ』、宮坂静生さん『草魂』が受賞
日本現代詩歌文学館は3月5日、第36回詩歌文学館賞の受賞作を発表しました。
「第36回詩歌文学館賞」各部門の受賞作が決定!
第36回詩歌文学館賞の受賞作が次の通り決定しました。
■詩部門
森本孝徳(もりもと・たかのり)さん
『暮しの降霊』(思潮社)
■短歌部門
俵万智(たわら・まち)さん
『未来のサイズ』(角川文化振興財団)
■俳句部門
宮坂静生(みやさか・しずお)さん
『草魂』(角川文化振興財団)
「詩部門」を受賞した森本孝徳さんは、1981年生まれ。神奈川県出身。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。2013年に現代詩手帖賞、2016年『零余子回報』でH氏賞を受賞。
「短歌部門」を受賞した俵万智さんは、1962年生まれ。大阪府出身。1986年「八月の朝」で角川短歌賞を受賞。1987年刊行の受賞作を収めた第1歌集『サラダ記念日』で翌年に現代歌人協会賞を受賞。2004年『愛する源氏物語』で紫式部文学賞、2006年『プーさんの鼻』で若山牧水賞を受賞。
「俳句部門」を受賞した宮坂静生さんは、1937年生まれ。長野県出身。信州大学卒業。1978年「岳(たけ)」創刊・主宰。1995年に現代俳句協会賞、2001年『俳句からだ感』で山本健吉文学賞、2006年『語りかける季語 ゆるやかな日本』で読売文学賞(随筆・紀行)を受賞するなど受賞歴多数。
選考委員は、「詩」部門が倉田比羽子さん、福間健二さん、吉田文憲さん、「短歌」部門が三枝浩樹さん、坂井修一さん、松平盟子さん、「俳句」部門が大串章さん、大牧広さん、星野高士さん。
受賞者には、正賞として鬼剣舞手彫り面が、副賞として賞金100万円が贈られます。贈賞式は、10月23日(土)15時よりより日本現代詩歌文学館(岩手県北上市)にて開催。
詩歌文学館賞について
詩歌文学館賞は、現代詩歌文学の振興に寄与すべく設立された「日本現代詩歌文学館」を記念して、優れた詩歌作品集を各ジャンルから選んで顕彰するもので、井上靖初代名誉館長の提唱によって設けられた文学賞。1年間に刊行された詩、短歌、俳句作品集の中から、それぞれ最も優れたものに贈られます。
選考は、同館の振興会役員・評議員をはじめとする主要詩歌人、文芸誌編集者など約1,000名からのアンケートを参考に、各分野3名の選考委員が行います。選考結果は集英社が発行する文芸誌『すばる』6月号に掲載されます。
暮しの降霊 森本 孝徳 (著) きみは咲う。親はいま骨離れが悪いと。指が戦ぐのはそのせいでなく、ぼくも囮の信条に背いて意味もなく笑うことがある。(「豚の首」) 待望の第2詩集 文反故による貼雑ぜ自伝。骨のない幽霊。角材で閂をして眠る姉妹。でこっぱちの毛虫―。人から遠く離れた場所で、人との共棲をもはや無用とした言葉同士は、どうし て人の想い出を騙りえるだろうか。 『零余子回報』から5年を懸けて設えられた、現代詩の巣穴。 装幀=水戸部功 |
未来のサイズ 俵 万智 (著) 制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている 子どもを育てることは時代と社会に直面していくことだった。何気ない日常にこぼれ落ちる奇跡のような瞬間を切り取った歌の数々は、短歌という定型だからこそ獲得できた、三十一文字の箴言集ともいえる。未来への希望をつかんで放さない、俵万智の真髄がここに。 |
句集 草魂 宮坂 静生 (著) 草を擂りつぶし草魂沖縄忌 人事を包含した自然から触発された詩情を捉え、詠む。2016年から2019年までの358句を収めた第十三句集。 |
【関連】
▼第36回 詩歌文学館賞 決定 – 日本現代詩歌文学館
◆【第29回若山牧水賞】大辻隆弘さん『橡と石垣』と高山邦男さん『Mother』が受賞 | 本のページ
◆新宿・歌舞伎町のホストで寿司屋、そして歌人――SHUNさんデビュー作『歌集 月は綺麗で死んでもいいわ』が刊行 | 本のページ
◆川原繁人さんが身近にある言葉の不思議をユーモアたっぷりに解説!『「あ」は「い」より大きい!?』が刊行 | 本のページ
◆岡野大嗣さん初の短歌×散文集『うたたねの地図 百年の夏休み』が刊行 | 本のページ