【第55回迢空賞】俵万智さん歌集『未来のサイズ』が受賞
角川文化振興財団は、1年間に刊行された歌集の中で最も優れたものに贈る「第55回迢空賞」の受賞作を発表しました。
第55回迢空賞が決定!
第55回迢空賞は4月19日、角川本社ビル(東京・飯田橋)において選考委員会を開催し、次の通り受賞作を決定しました。
<第55回迢空賞 受賞作品>
俵万智(たわら・まち)さん
歌集『未来のサイズ』(角川文化振興財団)
今回の受賞作『未来のサイズ』は、7年ぶりとなる第6短歌集。何気ない日常にこぼれ落ちる奇跡のような瞬間を切り取った400首をまとめた最新歌集です。なお、今年3月に同歌集で第36回詩歌文学館賞も受賞しています。
選考委員は、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さん、馬場あき子さん。選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『短歌』6月号(角川文化振興財団発行/KADOKAWA発売)に掲載される予定です。
受賞者の俵万智さんには、賞状・記念品および副賞として100万円が贈られます。贈呈式は6月29日(火)に開催予定。
なお、最終候補作は以下の5作品でした。
【最終候補作】
◎俵 万智さん 『未来のサイズ』(角川文化振興財団)
◎波汐國芳さん 『虎落笛』(角川文化振興財団)
◎藤原龍一郎さん『202X』(六花書林)
◎水原紫苑さん 『如何なる花束にも無き花を』(本阿弥書店)
◎柳 宣宏さん 『丈六』(砂子屋書房)
受賞者プロフィール
受賞者の俵万智(たわら・まち)さんは、1962年生まれ。大阪府門真市出身。早稲田大学在学中に短歌を始める。
1986年「八月の朝」で角川短歌賞を受賞。1987年刊行の受賞作を収めた第1歌集『サラダ記念日』が翌年、第32回現代歌人協会賞を受賞。以降、幅広い執筆活動を行う。1996年より読売歌壇選者。
2004年『愛する源氏物語』で紫式部文学賞、2006年『プーさんの鼻』で若山牧水賞、2021年『未来のサイズ』で詩歌文学館賞を受賞。その他短歌集、エッセイ集多数。現在宮崎県在住。
迢空賞について
迢空賞は、歌人で詩人の釈迢空(しゃく・ちょうくう)さんの遺徳を敬慕し、「世世に語り継ぎ、日本詩歌の振興に一層の努力を期す」ことを目的に設立された短歌の賞です。角川文化振興財団(第9回までは角川書店)が主催。
前年の1月から12月の間に刊行された歌集の中で最も優れたものに贈られます。
ちなみに、「釈迢空」は、民俗学者で国文学者の折口信夫(おりくち・しのぶ)さんの歌人としての号です。
未来のサイズ 俵 万智 (著) 制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている 子どもを育てることは時代と社会に直面していくことだった。何気ない日常にこぼれ落ちる奇跡のような瞬間を切り取った歌の数々は、短歌という定型だからこそ獲得できた、三十一文字の箴言集ともいえる。未来への希望をつかんで放さない、俵万智の真髄がここに。 |
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