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「地元のサバよ、宇宙へ届け!」高校生の宇宙食開発を描いたノンフィクション『さばの缶づめ、宇宙へいく』が刊行

小坂康之さん・林公代さん著『さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち』

小坂康之さん・林公代さん著『さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち』

小坂康之さん・林公代さん著『さばの缶づめ、宇宙へいく 鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち』が、イースト・プレスより刊行されました。

 

「宇宙食、作れるんちゃう?」始まりは生徒のその一言だった――夢をかなえる、大気圏突破ノンフィクション!

2020年11月、国際宇宙ステーションから野口聡一宇宙飛行士がYOUTUBEに投稿した動画が話題に。
野口飛行士がその動画で紹介したのは、とある缶づめ。それは、福井県立若狭高等学校で10年以上にわたって開発された「サバ醤油味付け缶詰」でした。

 
本書は、その10年以上、数にして300以上もの生徒さんが関わった開発の一部始終をつづったノンフィクション作品です。開発を見守った教諭の小坂康之さんをはじめとした生徒、かかわった大人たちに、ライターの林公代さんが取材、開発の裏側に迫りました。

 
◆生徒の一言がきっかけ

「宇宙日本食さば缶開発」がはじまったのは、2006年、福井県立小浜水産高等学校でのこと。
とある生徒が「宇宙食、作れるんちゃう?」といったことがきっかけでした。
そこから、小浜水産高等学校で伝統的につくっていた、さばの缶詰を宇宙食にしようというプロジェクトが立ち上がりました。

 
宇宙空間で水分が飛び散らないよう煮汁にとろみをつけたり、サバをやわらかくするための成分をつきとめたり、度重なる試行錯誤の末に達成された、宇宙日本食さば缶。
ときには、JAXAから缶づめの宇宙食が難しいといわれ塩キャラメルの開発に舵を切ったことも。
生徒たちは課題を設定して解決する研究に、熱心に取り組みました。

 
◆周辺の大人たちの思いにも注目

生徒たちによる宇宙食開発の周辺には、それを支える熱い大人たちも。
高校の取り組みを応援してサポートしたJAXAの職員、学校の存続の危機の際に、水産教育を守るために立ち上がった地域住民。それらの大人たちにも取材を敢行。

学校だけで閉じずに広く開かれた教育現場の模様は、読者にとって、これからの日本の教育を考えるきっかけに。

 

本書の目次

プロローグ 「野口さん、サバ缶食べてますよ!」

1章 「この学校、潰れるで」

2章 「1億円はかかりますよ」

3章 「宇宙食、作れるんちゃう?」

4章 「缶詰は宇宙に飛ばせない!?」

5章 「学校がなくなる!?」

6章 「何、夢を語ってるんだ」

7章 「5点満点の6点です」

8章 「特に話題の宇宙食を紹介しましょう」

9章 「鯖街道、月へ、未来へ」

エピローグ 「学びのビッグバン」

 

著者プロフィール

 
■小坂康之(こさか・やすゆき)さん

福井県立若狭高等学校海洋科学科教諭。博士(生物資源学)、通称へしこ博士。

「楽しいから学ぶんだ! 」をモットーに海の教育、探究的な学習に取り組む。今までに地域と連携した海の再生活動や地域食材を利用した商品開発など指導。福井県優秀教職員、授業名人。

 
■林公代(はやし・きみよ)さん

福井県生まれ。神戸大学文学部英米文学科卒業。日本宇宙少年団の情報誌編集長を経てフリーライターに。宇宙・天文分野を中心に取材・執筆。NASA、ロシア、日本のロケット打ち上げ、ハワイ島や南米チリの望遠鏡など宇宙関連の取材歴は約30年。

『星宙の飛行士』(油井亀美也宇宙飛行士と共著/実務教育出版)、『宇宙に行くことは地球を知ること 「宇宙時代」を生きる』(野口聡一宇宙飛行士、矢野顕子さんと共著/光文社)など、著書多数。本書では、企画・取材交渉・執筆を担当。

 

さばの缶づめ、宇宙へいく
小坂康之 (著), 林公代 (著)

「宇宙食、作れるんちゃう?」
はじまりは生徒の一言だった。
数々の困難をのりこえる大気圏突破ノンフィクション!

地域の名産「よっぱらいサバ」の缶づめが、宇宙へ旅立った! そこには12年にわたる物語があった。一筋縄ではいかない開発、学校統廃合の危機。葛藤の中で一人一人が力を合わせたとき、宇宙への扉が開いた──。

「大きすぎる夢は、一人で実現するのは難しい。
でも長い年月をかけて、一人一人が力を合わせた時、信じられないことが現実になることがある」

2022年発行高校英語の教科書(三省堂刊)でも紹介!
小浜水産高校から若狭高校へ引き継がれた、宇宙食開発のもようを、宇宙ライターの林公代氏が詳細な取材で迫る。

 


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