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【第166回芥川賞&直木賞】芥川賞に砂川文次さん「ブラックボックス」、直木賞は今村翔吾さん『塞王の楯』と米澤穂信さん『黒牢城』

第166回芥川賞&直木賞が決定!

第166回芥川賞&直木賞が決定!

第166回芥川龍之介賞および直木三十五賞の選考委員会が1月19日に東京都内で開催され、それぞれ受賞作が決定しました。

 

芥川賞は砂川文次さんが3度目のノミネートで受賞!

第166回芥川賞は、下記候補作の中から砂川文次さんの「ブラックボックス」(『群像』8月号)が受賞作に決定しました。

 
砂川文次(すなかわ・ぶんじ)さんは、1990年生まれ。大阪府出身。神奈川大学卒業。2016年「市街戦」で第121回文學界新人賞を受賞。元自衛官。現在、地方公務員。今回、3度目のノミネートでの受賞となりました。

 
選考委員は、小川洋子さん、奥泉光さん、川上弘美さん、島田雅彦さん、平野啓一郎さん、堀江敏幸さん、松浦寿輝さん、山田詠美さん、吉田修一さん。

 
【芥川賞 候補作】
◎石田夏穂さん「我が友、スミス」(『すばる』11月号)
◎九段理江さん「Schoolgirl」(『文學界』12月号)
◎島口大樹さん「オン・ザ・プラネット」(『群像』12月号)
◎砂川文次さん「ブラックボックス」(『群像』8月号)
◎乗代雄介さん「皆のあらばしり」(『新潮』10月号)

 

直木賞は今村翔吾さんと米澤穂信さんがW受賞! ともに3度目のノミネート

第166回直木賞は、下記候補作の中から今村翔吾さんの『塞王の楯』(集英社)米澤穂信さんの『黒牢城』(KADOKAWA)が受賞作に決定しました。

 
今村翔吾さんは、1984年生まれ。京都府出身。ダンスインストラクター、作曲家、守山市での埋蔵文化財調査員を経て、2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。2018年「童神」(刊行時『童の神』と改題)で第10回角川春樹小説賞、2020年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞、同年『じんかん』で第11回山田風太郎賞、2021年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第6回吉川英治文庫賞を受賞。今回、3度目のノミネートでの受賞となりました。

米澤穂信さんは、1978年生まれ。岐阜県出身。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞しデビュー。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞、2021年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞を受賞。今回、3度目のノミネートでの受賞となりました。

 
選考委員は、浅田次郎さん、伊集院静さん、角田光代さん、北方謙三さん、桐野夏生さん、高村薫さん、林真理子さん、三浦しをんさん、宮部みゆきさん。

 
【直木賞 候補作】
◎逢坂冬馬さん『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)
◎彩瀬まるさん『新しい星』(文藝春秋)
◎今村翔吾さん『塞王の楯』(集英社)
◎柚月裕子さん『ミカエルの鼓動』(文藝春秋)
◎米澤穂信さん『黒牢城』(KADOKAWA)

 

芥川賞と直木賞について

芥川賞と直木賞は、1935(昭和10)年に制定され、芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られます。

芥川賞は主に無名・新進作家が、直木賞は無名・新進・中堅作家が対象となります。受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が授与されます

 

ブラックボックス
砂川 文次 (著)

ずっと遠くに行きたかった。
今も行きたいと思っている。

自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。
自衛隊を辞め、いまは自転車便メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。

昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。

気鋭の実力派作家、新境地の傑作。

塞王の楯
今村 翔吾 (著)

どんな攻めをも、はね返す石垣。
どんな守りをも、打ち破る鉄砲。
「最強の楯」と「至高の矛」の対決を描く、究極の戦国小説!

越前・一乗谷城は織田信長に落とされた。
幼き匡介(きょうすけ)はその際に父母と妹を喪い、逃げる途中に石垣職人の源斎(げんさい)に助けられる。
匡介は源斎を頭目とする穴太衆(あのうしゅう)(=石垣作りの職人集団)の飛田屋で育てられ、やがて後継者と目されるようになる。匡介は絶対に破られない「最強の楯」である石垣を作れば、戦を無くせると考えていた。両親や妹のような人をこれ以上出したくないと願い、石積みの技を磨き続ける。

秀吉が病死し、戦乱の気配が近づく中、匡介は京極高次(きょうごくたかつぐ)より琵琶湖畔にある大津城の石垣の改修を任される。
一方、そこを攻めようとしている毛利元康は、国友衆(くにともしゅう)に鉄砲作りを依頼した。「至高の矛」たる鉄砲を作って皆に恐怖を植え付けることこそ、戦の抑止力になると信じる国友衆の次期頭目・彦九郎(げんくろう)は、「飛田屋を叩き潰す」と宣言する。

大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開ける――。

黒牢城
米澤 穂信 (著)

史上初、四大ミステリランキング完全制覇! 第12回山田風太郎賞受賞!!

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。

【受賞歴】
『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編第1位
週刊文春ミステリーベスト10(週刊文春2021年12月9日号)国内部門第1位
「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン2022年1月号)国内篇第1位
『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング第1位
第12回山田風太郎賞

 
【関連】
芥川龍之介賞|公益財団法人日本文学振興会
直木三十五賞|公益財団法人日本文学振興会

 


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