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『テスカトリポカ』佐藤究さん特別講座がリアル&オンライン同時開催 文学界最大の戦場芥川賞・直木賞を33台のカメラで迫ったNHK「決戦!タイムリミット 芥川賞・直木賞の舞台裏」の取材者が企画

『テスカトリポカ』佐藤究さん特別講座がリアル&オンライン同時開催

『テスカトリポカ』佐藤究さん特別講座がリアル&オンライン同時開催

NHK文化センターでは、第165回直木三十五賞&第34回山本周五郎賞ダブル受賞作『テスカトリポカ』(KADOKAWA)の著者・佐藤究さんの、受賞後初めての本格的トークイベント「直木賞受賞作『テスカトリポカ』はこうして生まれた」を11月22日(月)に開催します。

 

BSプレミアム「決戦!タイムリミット 芥川賞・直木賞の舞台裏」(2021年9月放送)の取材者が企画する特別講座!

受賞決定の瞬間、カメラがとらえたのは、顔色ひとつ変えず、淡々と受け答えし、記者会見場へ向かう作家佐藤究さんの姿だった。その時、何を思ったのか?
――番組では伝えきれなった佐藤さんの思いを聞き尽くす、スペシャル企画が11月22日に、リアル&オンラインで同時開催されます。

 
「古代アステカ文明」から「麻薬戦争」「臓器売買」といった現代の資本主義の闇を自在に行き来する553ページの超大作『テスカトリポカ』を生み出した佐藤究さん。構想から3年、緻密な文献検証、ダイナミックな構成、圧巻のエンタメ小説が生まれた背景とは?

聞き手は、編集者上野秀晃さん(KADOKAWA)。選考結果を作家とともに固唾をのんで待った張本人です。編集者にしか聞き出せない緊張感や創作秘話が明かされます。これが“本当の”直木賞舞台裏です。

 
◆文芸界の紅白歌合戦「直木賞」に間違ってエントリー?!

佐藤究さん 撮影:山口宏之

佐藤究さん 撮影:山口宏之

作家佐藤究さんへの最初の取材は今年6月、直木賞の候補作に選ばれた直後。
「直木賞って大きな賞じゃないですか、いわば文芸界の紅白歌合戦と僕は位置付けているんですけど、これ(自作『テスカトリポカ』)はね、どっちかって言うとアンダーグラウンドのメタルバンドみたいなサウンドなんですよ。ちょっとエントリーしないものが候補作としてエントリーしてしまっているという感じで、喜びというよりは大丈夫なのか?と。エントリーされてるけど、『実は手違いでした』みたいなことが有りうるんじゃないか、と、そういう感じです。」

このインタビューが、まさに“波乱含み”の第165回直木賞選考会を予言していました。

 
◆3時間に及ぶ大激論 これは直木賞にふさわしいのか?

「テスカトリポカ」とは、アステカ文明の神。この神を信仰する男が、メキシコでの麻薬戦争に敗れ、東南アジアのインドネシアへ逃亡。そこで出会ったのが、日本人の「臓器ブローカー」だった。

「心臓こそが人体のダイアモンドなんだよ 血の資本主義。その赤いマーケットに流通するあらゆる商品のなかで、心臓に最高の値がつく。新鮮な心臓はピラミッドの頂点に置かれている。」(本文より)

 
番組スタッフもみな読んでみたそうです。「ページめくるたびに人が命を落としていく。」「おっかないよ。」・・・・。実際、目を背けたくなるような暴力描写が多く「直木賞にそぐわないのでは?」と話題に。直木賞選考委員たちがどう評価するか、注目を集めていました。

 
2021年7月14日、午後3時、直木賞を決める選考会が始まりました。編集者上野さんと四谷の喫茶店で結果の知らせがくるのを待つ作家佐藤さん。通常2時間ほどの議論で決着がつくことが多いといいます。しかしこの日・・・午後5時半をすぎても連絡は来ない。この時の作家の心持とは・・・そして、構想から3年以上かけ伴走してきた編集者の気持ちとは・・・・。午後6時、携帯電話が鳴る。「はい・・・・はい・・・・はい、わかりました。」と淡々と電話を終える佐藤さん。「どっちだったと思います?」え?このシチュエーションでこの究極の質問を編集者に投げかけた。四谷の喫茶店になんともいえない緊張感が張り詰めます。返答に戸惑う編集者をよそに、サクサクと荷物をまとめリュックを背負う佐藤さん。「帝国ホテルに来てください、って」。周囲は一瞬にして安堵と喜びに包まれます。向かうのは日比谷の帝国ホテル、受賞者の記者会見会場です。

 
3時間にも及ぶ、大激論の末に決まった直木賞。
「これは希望の物語です」(林真理子さん)
「直木賞の長い歴史の中に燦然と輝く黒い太陽」(宮部みゆきさん)

古代文明と現代の資本主義の闇が“必然”で結びつく壮大な物語。強烈な作風、そして作者自身の強烈な個性で、出版不況が叫ばれる現代に爪痕を残す傑作が誕生しました。

「日本文学振興会」

「日本文学振興会」

 
◆「文学界を変えなきゃいけない。」これが直木賞の舞台裏、ホンキトーク

直木賞の候補作に選ばれた直後のインビューで、もうひとつ忘れられない発言がありました。ノミネートの高揚感とはかけ離れた、冷静な口調。

 
「業界的にはやっぱり変わらなくてはいけないという声がだんだん大きくなってきている。僕は推理作家協会というところに入っているんですけど、今、京極夏彦代表理事がいらっしゃって『新しく変えていかなければいけないんだ』と、おっしゃる。要するに『お前たちが変えていけ』っていう空気です。僕ら世代は本当にこの業界にきた時からずっと出版不況と言われ続けていい時を知らないわけじゃないですか。だからこういう(直木賞に)ノミネートして頂いて一人万歳って言ってるような状況でもないかな、本が売れていればそうなるんでしょうけど今はちょっと違うかなと思っています。」

 
直木賞の栄冠を手にした作家佐藤究さん。今後どんな風に文学界を変えてゆくのか?「今回の特別講座で少し未来の話しもしようと思います。」とのことです。

 
<「直木賞受賞作『テスカトリポカ』はこうして生まれた」開催概要>

■講師:作家・佐藤究さん
■聞き手:編集者・上野秀晃さん(KADOKAWA)

■受講形態:教室&オンライン
※教室受講:限定50席

■会場(教室受講の場合):NHK文化センター青山教室(東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館4F<地下鉄青山一丁目駅直結>)

■開催日時:11月22日(月)19:00~20:30

■受講料金
◎教室受講:NHK文化センター会員税込3,432円・一般(入会不要)税込4,125円
◎オンライン受講:NHK文化センター会員・一般とも税込2,750円
※別途2,310円で著者サイン本付きコースもあります

■主催:NHK文化センター青山教室

★申込み&詳細
◎教室受講:https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1240168.html
◎オンライン受講(1週間見逃し配信付き):https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1240160.html

 

佐藤究さん プロフィール

佐藤究(さとう・きわむ)さんは、1977年生まれ。福岡県出身。福岡大学付属大濠高等学校卒業。2004年、佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、同作でデビュー。

2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。2018年、受賞第一作の『 Ank: a mirroring ape 』で第20回大藪春彦賞第39回吉川英治文学新人賞をW受賞。2021年『テスカトリポカ』で5月に第34回山本周五郎賞7月に第165回直木賞を受賞。同一作品での両賞受賞は17年ぶり2人目。

 

直木賞&山本周五郎賞ダブル受賞作『テスカトリポカ』について

 
【あらすじ】

アステカ、ジャカルタ、カワサキで、心臓を狩り、生贄を捧ぐ――
われらは彼の奴隷

メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へ向かった。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年、土方コシモは、バルミロに見いだされ、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した古代アステカ王国の恐るべき神の影がちらつく。

人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。

★『テスカトリポカ』公式サイト:https://kadobun.jp/special/tezcatlipoca/

 

テスカトリポカ
佐藤 究 (著)

鬼才・佐藤究が放つ、クライムノベルの新究極、世界文学の新次元!

メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。

 
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