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養老孟司さん『バカの壁』が450万部を突破! 累計660万部「壁」シリーズ最新作発売も決定!

養老孟司さんの著書『バカの壁』

養老孟司さんの著書『バカの壁』

2003(平成15)年に刊行された養老孟司さんの著書『バカの壁』は、その年の流行語に選ばれるほどのベストセラーとなり、平成で一番売れた新書となりました。令和に入ってからも、ロングセラーとして版を重ね、この度ついに450万部(128刷)を突破しました。

 

「壁」シリーズ最新作『ヒトの壁』は12月刊行!

『バカの壁』に始まる養老孟司さんの「壁」シリーズには、『死の壁』『超バカの壁』『「自分」の壁』、番外的作品『遺言。』があり、シリーズ累計部数は660万部を超えます。

そして12月、シリーズ最新作が発売されます。

新作タイトルは『ヒトの壁』――新型コロナ禍という世界的な事件、死の淵をのぞいたというご自身の心筋梗塞、そして愛猫まるの死という個人的な悲しい出来事を経て、養老さんの思索はどう深まったのか。これほど生物学的な「ヒト」であるという実感、そして他人の存在を意識したことがあったでしょうか。84歳の知性は、その経験から考えます。今回もまた読者の目からウロコが落ちるような一冊となっています。

 
『ヒトの壁』の1章には、こんな意表をつく問いかけが書かれています。新型コロナに関するテレビ報道では、よくコロナウイルスの電子顕微鏡写真が映されていました。多くの人が、アナウンサーの後ろに大きく映ったあのウイルスを何度も見たことでしょう。では、ウイルスがあの大きさで見える倍率の顕微鏡で、アナウンサーを見たらどのくらいの大きさになるのか?

 
養老さんの計算では、おおよそ100万メートル(1000キロメートル)の桁に達するそうです。

画面では、アナウンサーとウイルスは当然のように一緒に映っていますが、そこに「現代人の盲点」が示されている、というのです。

 
その盲点とは何か。これまで誰も読んだことがないような「コロナ」「不要不休」についての考察から始まる本書は、養老さんが案内する知的興奮に満ちた旅なのです。

 

『バカの壁』が450万部を突破したことについて――養老孟司さんコメント

撮影:新津保建秀

撮影:新津保建秀

「どうして売れたのか。よく聞かれるのですが、私自身もわかっていません。私は長年、自分の常識は世間とズレていると考えてきました。今もそうですが、それが悩みでストレスだったんです。そのストレスとどう折り合いをつけられるか。世間とどう折り合いをつけられるか。それをまとめたから、読まれたのかと思います。そんなふうに悩んできた人がどれだけ多くいることか。ずっと版を重ねてきた理由として思いつくのは、そこです。「バカの壁」を読んで、長年喧嘩ばかりしていた母親と仲直りした、という娘さんがお礼を言いにきてくれました。うまく折り合いをつけて生きていく。そんなふうに役立ったなら、嬉しい限りです。」

 

バカの壁 (新潮新書)
養老 孟司 (著)

「話せばわかる」なんて大ウソ! イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人。互いに話が通じないのは、そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちを囲む様々な「壁」。それを知ることで世界の見方が分かってくる。

【出版社より】
2003年を代表する大ベストセラーであり、タイトルがこの年の流行語にもなった本書は、著者の独白を文章にまとめるという実験的な試みであった。「人間というものは、結局自分の脳に入ることしか理解できない」、これが著者の言うところの「バカの壁」であり、この概念を軸に戦争や犯罪、宗教、科学、教育、経済など世界を見渡し、縦横無尽に斬ったのが本書である。

著者は1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学者として活躍し、95年に東京大学医学部教授を退官後は、北里大学教授、東京大学名誉教授に就任した。また数多くの話題の書を著し、『養老孟司の“逆さメガネ”』『まともな人』『いちばん大事なこと―養老教授の環境論』『唯脳論』などがある。

本書の魅力は、容赦なく社会を批判する痛快きわまりない養老節にある。「現代人がいかに考えないままに、己の周囲に壁を作っているか」、つまりあの人たちとは話が合わないという「一元論」が「バカの壁」の元凶であり、アメリカ対イスラムの構造や日本の経済の停滞などもすべてこの理論で説明されるという。一方で、イチローや松井秀喜、中田英寿の際立つ能力を、脳の構造で解明してみせたり、「学問とは生きているもの、万物流転するものをいかに情報に換えるかという作業である」という骨太の教育論をも展開している。解剖学者の真骨頂を堪能できる価値ある1冊である。(田島 薫)

ヒトの壁 (新潮新書)
養老 孟司 (著)

 


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