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『医者が教える 50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」』老化は”感情”からはじまる? 医者が教える老けないための脳の使い方とは?

和田秀樹さん著『医者が教える 50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」』

和田秀樹さん著『医者が教える 50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」』

和田秀樹さん著『医者が教える 50代からはじめる老けない人の「脳の習慣」』がディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行されました。

 

人は感情から老化する

歳をとると、体力・知力もある程度は衰えてきますが、しかし意外に一般的に考えられているほどではない、といえます。

例えば、ある統計によると、65歳以上は一般的に高齢者と分類されていますが、杖など歩行補助器具を使わなくても普通の速さで歩ける人の割合は、65?69歳で95パーセント、70歳以上でも90パーセント以上にのぼります。
またある自治体で行われた高齢者を対象とした知能テストの結果、言語性IQや動作性IQといった知力を表す数値の平均を見ても、73歳まではいずれも100を超えています。

 
そう聞くと、まだ「高齢者」の域には達していない中年世代の方は、「なんだ、そうか。じゃあ当分自分は元気にボケずに暮らせるわけだ」と安心されるかもしれません。

しかし人間は、〝思わぬところ〟から、思わぬほど早い時期から老化が始まり、しかもそれを放っておくと体も見た目も老けていき、ボケまで始まってしまうので要注意です。
この〝思わぬところ〟とは「感情」です。

そして「感情の老化」とは、科学的な事象として言い換えると、「脳の前頭葉が老化する」ということです。

 
人間の脳はいくつかの領域に分かれており、その領域ごとに果たすべき機能が決められています。そのなかで、人間の感情をコントロールしたり、自発性や意欲、創造性などを司るのが、「前頭葉」という領域です。

前頭葉以外の、例えば言語理解を司る側頭葉や計算能力に関係する頭頂葉は、日常的に使うためか比較的かなり高齢になるまで、その機能は老化しません。それゆえ前述の通り、平均的に73歳くらいまでは言語性IQや動作性IQを維持することもできるのです。

 
一方で前頭葉は、個人差もありますが40?50代頃から萎縮し、目に見えるように老化し始めます。そのため前頭葉が司る感情のコントロール機能や、人の自発性・意欲、創造性が衰えてしまうのです。

 
自発性や意欲が減退していくような「感情の老化」を放っておくと、ボケやすくなり、体も見た目も加速度的に老け込んでいってしまいます。
これが「老化は脳から始まる」、「人は感情から老化する」といわれる所以です。

 

精神科医が教える老けない人の脳の習慣

「老化は脳から始まる」「人は感情から老化する」とは、医学的にいうと「体力や知的機能よりも感情機能のほうが先に衰え、感情が老化するためにボケも始まり、体も見た目も老け込んでいく」ということ。仮に言語性IQや動作性IQがとりあえず維持できても、それ以外の面での老化やボケが始まってしまうのです。

しかしこのことは逆に、前頭葉の若さを保ち、「感情の老化」を防げれば、多くのボケ状態も未然に阻止できる、体や見た目の老化もストップできるということを表しています。

 
それゆえ脳から全身に広がる老化を防止するには、まずは前頭葉を鍛えておくことが必須なのですが、ではそのためには、どのようなことを行えばよいのでしょうか。

 
前頭葉の鍛錬法として最も有効なのは、前頭葉の機能そのものを普段からフル稼働することです。
例えば歩かなくなったらとたんに足腰の機能が衰える反面、普段からよく歩く人は足腰も丈夫です。

 
これと同じように、普段から努めて前頭葉の機能を使い込む、つまり、

(1) 努めて意欲的になり、前向きな感情に自らを導き、
(2) 頭の切り替えを速くし、
(3) 創造力を磨いて働かせる、

ということが大切なのです。

 
この前頭葉の鍛錬にあたって、特に意識しておきたいことがあります。それは、「入力(インプット)系より出力(アウトプット)系が肝心」ということです。
脳のなかで、記憶する=入力系に関わるのが側頭葉や頭頂葉なのに対し、前頭葉の機能は、ため込まれた記憶、知識や情報をひっぱり「出す」出力系に関わっていると考えられています。
この「出す力」を意識的に鍛錬することで、前頭葉全体の機能の活性化が図れるのです。

本書では、前頭葉の機能と、その老化を防止する「脳のアンチエイジング」法、つまり「前頭葉の鍛錬」の具体的方法を、様々な視座から紹介していきます。

 

脳の若さを保つトレーニングが満載!

本書では、前頭葉を鍛えるためのトレーニングや習慣を75個紹介しています。

どれも日常から簡単に取り組むことができるものばかりです。
少し意識して生活するだけで「脳の若さ」を保つことができます。

人生100年時代に、子育て後や定年後でも自分らしく健康に生きるために、本書にある習慣を取り入れてみてください。

 

本書の構成

はじめに

序章 50代からは「脳の老化」に気をつける

第1章 脳の「出力系」を鍛える

第2章 脳の「変化対応力」を鍛える

第3章 感情の老化・思考の老化を防ぐトレーニング

第4章 日常の行動・習慣から「脳の若さ」を保つ

 

著者プロフィール

著者の和田秀樹(わだ・ひでき)さんは、1960年生まれ、大阪市出身。1985年東京大学医学部卒業。
東京大学医学部付属病院精神神経科、老人科、神経内科にて研修、国立水戸病院神経内科および救命救急センターレジデント、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、アメリカ、カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック(アンチエイジングとエグゼクティブカウンセリングに特化したクリニック)院長。

1987年『受験は要領』がベストセラーになって以来、大学受験の世界のオーソリティとしても知られる。
著書に『50 歳からの勉強法』『医学部の大罪』『脳科学より心理学』『悩み方の作法』『40歳からの記憶術』『一生ボケない脳をつくる77の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『テレビの重罪』(宝島社新書)、『マスクを外す日のために』『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『受験は要領』(PHP文庫)など多数。

 

医者が教える 50代からはじめる 老けない人の「脳の習慣」 (ディスカヴァー携書)
和田 秀樹 (著)

老化は脳で食い止める!
老年精神医学の専門家が伝授する
いくつになっても老けない人の習慣75

人間は、〝思わぬところ〟から、思わぬほど早く老化が始まります。
この〝思わぬところ〟とは「感情」です。
科学的な事象として言い換えると、「脳の前頭葉が老化する」ということです。
前頭葉は、40~50代頃から萎縮し、老化し始めます。
そのため前頭葉が司る感情のコントロール機能や自発性、意欲、創造性が衰えてしまうのです。
本書では、前頭葉の機能と、その老化を防止する「脳のアンチエイジング」法、
つまり「前頭葉の鍛錬」の具体的方法を、様々な視座からご紹介していきます。

◎こんな方におすすめ
・物忘れが多くなってきた
・活力がわかない
・新しいものに興味がなくなってきた
・「老けたね」と言われるようになった
・将来、ボケたり認知症になったりすることに不安がある
・いつまでたっても若々しく、ボケないで活力ある生活を送りたい

*本書は、小社より2014年に刊行された『一生ボケない脳をつくる77の習慣』を再編集して携書化したものです。

 


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