気になる本、おススメの本を紹介

B O O K P O O H

『他人の言葉をスルーする技術』いつも振り回されてしまう人へ――“言葉にはたいした意味はない”ことを知れば恐くない!

みきいちたろうさん著『プロカウンセラーが教える 他人の言葉をスルーする技術』

みきいちたろうさん著『プロカウンセラーが教える 他人の言葉をスルーする技術』

みきいちたろうさん著『プロカウンセラーが教える 他人の言葉をスルーする技術』がフォレスト出版より刊行されました。

 

あの言葉が気になって、なんだか眠れない……

「上司の高圧的な言い方はなんで?」
「友達に相談したら、なんか上から目線?」
「親の言ったことだから従うべきかな?」
「ご近所のあの人、いつも仕切ろうとでしゃばるよな」
「SNSのコメントのレス、お前がわかってない!」

 
多くの人が、他人の発言に対して頭から離れられずにいます。
そんな他人の言葉になんとなく悶々とした気持ちのまま日常生活を送り、気がつけば人と接するのが億劫になってしまう……。

 
そんな人は、確実に他人の言葉に振り回されています。
しかし、もともとそうした言葉にはたいして意味もないし、価値さえないとしたらどうでしょう?

 
著者は、愛着障害やトラウマなどの専門ケアに従事している心理カウンセラーとして活躍しています。そんなプロカウンセラーが「言葉にはたいした価値がない。だからそんな言葉はスルーしていい」ということを、さまざまな角度から言葉を考察していきます。

 
たとえば、あの漫画の神様、手塚治虫さんがさいとう・たかをさんが劇画を描くことに対して、「こんな子どもらしくない漫画はいけない」と酷評したそうです。しかし、これは他人を引きずり下ろす言葉にすぎなかったのです。

 
手塚治虫さんは競争心や嫉妬心の強い人だったそうで、同業者をこき下ろすようなことを言って、しばしばトラブルを起こしていたのです。つまり、新しい分野を切り開こうしたさいとうさんに嫉妬した発言にすぎなかったのです。

 
一見、「漫画の神様が言う発言が正しいのでは?」と思いますが、その後のさいとうさんの活躍を見れば、そうでなかったことがわかります。さいとうさんは逆に、手塚さんの言葉を奮起の材料にして、彼の助言をスルーしたのです。

 
このように、地位のある人や人格者と言われる人の言葉でも、実はそれほど価値のあるものではないのです。
そうとわかれば、他人の言葉に振り回されている自分が馬鹿らしく思いませんか?

 

会社組織でスルースキルが重要視されている

いま、多くの企業でもメンタルヘルスケアの一環として、コミュニケーションスキルの1つである「スルースキル」が取り上げられています。

職場の悩みの中でもっとも多いのは、人間関係だと言われています。
そうしたことから、他人の言動に振り回されずに仕事をこなしていく技術として、スルースキルが求められているのです。

 
実際に、他人の言葉をスルーできない人材は組織では評価されにくくなっています。

 
たとえば、上司も異動してきたばかりならわかっていないことも多く、上司の言葉をそのまま受け止めてしまうと業務が混乱します。仕事における優先順位がめちゃくちゃになってしまい上司の信頼性が低くなってしまいます。こうした混乱を避けるための組織の機能として、スルースキル(やり過ごし)が必要なのです。

 
また、もう1つの機能として、自分の頭で考える社員が育つことが挙げられます。

スルースキルとは、部下が自分の判断で優先順位を決め、指示に従うもの従わないものを分けていく。そのスキルが社員の主体性を生むのです。

 
つまり、スルースキルとは他人の言葉の意味する文脈をとらえ、自分の文脈で解釈し、それを自分の言葉で発言するという意味だったのです。
言葉をスルーするということは、自分主体で意味や価値を創造する作業です。

他人の言葉に振り回されるというのは、自分自身を見失うことでもあります。言葉にはたいした価値がないことがわかれば、これからの生活も楽になるのではないでしょうか。

 
スルースキルを身につけ、自分を確立し、他人との真の意味での関係をつくっていってほしい。そんな願いも込められた一冊です。

 

本書の構成

第1章 他人の言葉に振り回され、傷つく人たち

第2章 言葉の価値が重くのしかかる理由 ――――「人の話を聞くことは大切」という呪縛

第3章 言葉には本当はたいした価値はない ――――人の言葉はすべて戯言

第4章 振り回されやすさのメカニズム ――――愛着不安、トラウマ

第5章 言葉はスルーしてはじめて命が宿る ――――スルースキルで自分の言葉を取り戻す

第6章 もう他人の言葉に振り回されない! ――――スルースキルを身につける

 

著者プロフィール

著者のみきいちたろうさんは、大阪出身。心理カウンセラー、公認心理師。

大阪大学文学部卒業、大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。在学時よりカウンセリングに携わる。大学院修了後、大手電機メーカー、応用社会心理学研究所、大阪心理教育センターを経て、ブリーフセラピー・カウンセリング・センター(B.C.C.)を設立。トラウマ、愛着障害などのケアを専門にカウンセリングを提供している。

 

プロカウンセラーが教える他人の言葉をスルーする技術
みき いちたろう (著)

◆あの言葉が気になって、なんだか眠れない真面目で繊細な方へ
多くの人が、他人の言った発言が頭から離れられずにいます。
そんな他人の言葉になんとなく悶々とした気持ちのまま日常生活を送り、気がつけば人と接するのが億劫になってしまう・・・。
そんな人は、確実に他人の言葉に振り回されています。
ひどい場合は、そのストレスから鬱になってしまい、家から出ることもできなくなってしまう人すらいるのです。
しかし、もともとそうした言葉にはたいして意味もないし、価値さえないとしたらどうでしょう?

この本は、愛着障害やトラウマなどの専門ケアに従事している心理カウンセラーが、「言葉にはたいした価値がない。だからそんな言葉はスルーしていい」というメッセージのもと、言葉についてさまざまな角度から考察し、他人の言葉をスルーする技術を伝授します。

いま、多くの企業でもメンタルヘルスケアの一環として、コミュニケーションスキルの1つである「スルースキル」が取り上げられています。職場の悩みの中でもっともと多いのは、人間関係だと言われています。そうしたことから、他人の言動に振り回されずに仕事をこなしていく技術として、スルースキルが求められているのです。

では、スルースキルとは何か?
実は、このスキルこそコミュニケーションを円滑にし、さらに、「自分らしく」生きるための術だったのです。

◆他人の言葉は戯言。スルーするとは「自分の言葉」を取り戻す作業
「自分らしく」あるためには、
「言葉は大事である」
「言葉は現実化する」
というような、言葉が大切なものであるといった考え方を一度、捨ててしまったほうがいいのです。他人の言葉は、その人自身の不安定さの表れにほかなりません。時には、因縁をつけるために利用されることもあります。

この本では、実際に価値のない言葉に振り回されてしまうメカニズムも解明し、スルーすることが組織も人間関係もうまくいくという事例を挙げながら解説しています。
そして、むしろスルーしてはじめて言葉に命が宿り、スルースキルで自分の言葉を取り戻すことができると言います。

他人の言葉を真に受けていては、コミュニケーションはうまくいきません。
相手の頭の中を覗こうとしては、自分自身を見失い振り回されます。
相手に寄り添わず、共感しないために、そして「自分らしく」あるために、言葉をいい加減に使う。

本当の言葉の意味を知り、他人ではなく自分の文脈でコミュニケーションをはかることが、この本の最終的なゴールです。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です