『精神科医が教えない「プチ強迫性障害」という「幸せ」』コロナ禍で「手洗い強迫」に怯える人が急増!? その“生きづらさ”を変えるメソッドがあった!
杉山崇さん著『精神科医が教えない「プチ強迫性障害」という「幸せ」』が、双葉社より刊行されました。
、「強迫性障害」とは?
コロナ禍で「こまめな手洗い・消毒」「外出時はマスク着用」が当たり前となり、社会の常識や価値観は大きく変わりまし。そんな中で、新型コロナウイルスとはまったく別の「病理」に悩まされる人も多いのではないでしょうか。それが、「強迫性障害」です。
強迫性障害とは、不安や心配を生み出す考え(強迫観念)が頭から離れず、その不安や心配を払拭するために、「儀式」といえるようなある行為(強迫行為)を何度も繰り返してしまうという病理のことです。ウイルスという目に見えない敵に怯えるあまりに、何回手を洗ったり消毒したりしても、ウイルスが除去できた気にならず、何度も何度も手洗いや消毒を繰り返したくなる衝動に駆られた経験のある人も多いはずです。
また、強迫性障害による強迫行為はそれだけではありません。外出時に戸締りや火の元が心配になって何度も家に戻ったり、おみくじで凶を引くと吉が出るまで引き直さないと気が済まなかったりといった行為も強迫行為の一種です。程度の差こそあれ、誰しもが経験したことのある不安や心配ではないでしょうか。そう、これは誰でも陥り得る「障害」の一種なのです。
強迫性障害は、治さずに“いつでも卒業できる”ようにすればいい
ただ、この強迫性障害は「障害」という名前ではあっても、身体が不自由になるわけでもなければ、これが原因で死に至るわけでもありません。つまり、「病気」ではないので安心してもいいものでしょう。
しかし、これによって生活の質(QOL)が著しく下がるのは間違いありません。生きづらさをずっと抱えて生活する人生よりも、気楽に過ごせる人生のほうがいいに決まっています。だから、治せるものなら治したほうがいいのでしょうが、不安で頭がいっぱいの人がその不安を完全に取り除くのは至難の業です。
そこで、「だったら強迫性障害は、治さずに“いつでも卒業できる”ようにすればいい」と提唱するのが、神奈川大学教授で臨床心理士の著者。それを一冊にまとめたのが、本書『精神科医が教えない「プチ強迫性障害」という「幸せ」』です。
著書の中で杉山さんは、日本人には強迫性障害に陥りやすい遺伝子を持つ人が多いという興味深い解説をし、不安を暴走させる脳の構造をわかりやすく説明しています。そして、それを理解した上なら、ちょっとした価値観の見直しをすることで、強迫性障害の“生きづらさ”を“楽しさ”に変えることもできるし、簡単に“卒業”できると唱え、そのメソッドを詳しく紹介しています。
強迫性障害に悩んでいる人にとっては一筋の光明を与える一冊ですが、そんな人のためだけの本ではありません。コロナ禍の不安で強迫行為に少し思い当たる節があるなら、それは「プチ強迫性障害」。不安が大きすぎて厄介だなと思ったら読んでみると心が軽くなることでしょう。
精神科医が教えないプチ強迫性障害という「幸せ」 気になってやめられない「儀式」がある人の心理学 杉山 崇 (著) 何度も手を洗う、戸締りや火の元が心配で怖くなる、不吉な数字を執拗に避ける……そんな症状を伴う「強迫性障害」。 |
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