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『読む力を鍛える』11/1は本の日! 百科事典から哲学書、ネット情報まで”佐藤優流”読書法を開陳

佐藤優さん著『読む力を鍛える――教養はこうやって培う』

佐藤優さん著『読む力を鍛える――教養はこうやって培う』

佐藤優さん著『読む力を鍛える――教養はこうやって培う』(PHP文庫)が、PHP研究所より刊行されました。

※本書は、『知の操縦法』(2016年/平凡社)を改題し、加筆・再編集したものです。

 

佐藤優さんが伝えたいこと

「知の怪物」の異名をとる佐藤優さんは、スマートフォン普及の影響による若い世代の知的退行を憂慮しています。本書は、インターネット情報だけでは身に付けることができない知の強化書です。

コロナ禍によって歴史が大きく変わろうとしている今、知的基礎体力が「生き残りに役立つ」と確信する著者が、ベストセラーから哲学書まで、その読み方や使い方を解説しています。

 
著者は本書の冒頭で「知の枠組みを知り、モノの考え方の土台を作って、実社会どう応用していくかを伝えたいと思います」と語ります。そのために必要なのが、読む力。「読む力」は表現力の基本です。「読む力」以上の「聞く力」「話す力」「書く力」を持っている人はいないと断言しています。

 

佐藤優さんが「最適」と考える2つの題材

読む力の強化に適している題材として、とくに多くのページを割いて解説しているのが、百科事典の使い方と、哲学者ヘーゲル『精神現象学』の読み解き方です。

 
誰もが読んでわかることを主眼に編纂された百科事典には、著者自身も小学2年生から親しみ、時に苦しみながらも全巻通読したことで、足りない知識に気づくことができました。現在も執筆に欠かせないものです。

 
その知の怪人をもってしても「ヘーゲルは難しい」と言わしめる『精神現象学』も、入門書やサブテキストを挙げながら、佐藤優流の勉強法とともに丁寧に紹介しています。思考の幅を広げるために、哲学書が不可欠だからです。

 
「何かを学ぶときには、まず、型にはまった知を身に付けることです。最初から型破りなことをするのは、ただのでたらめでしかありません。」
(本書「第1章 いま求められている知とは何か」より)

 
【本書の目次より】

◆断片的な知を結びつける体系知
◆村上春樹の小説に描かれた「猿」
◆哲学者の社会への視点をつかむ
◆現実の出来事を見るために古典を読む
◆社会生活の悩みにヘーゲルを生かす ほか

 
<11月1日は本の日>

11月1日は「想像、創造の力は1冊の本から始まる」というメッセージをこめて、本の日に制定されました。本書『読む力を鍛える』は、知の怪人による知的読書のガイドブックです。情報が氾濫するネット社会で、ものごとを多元的にとらえるための教養の世界へと読者をいざないます。

 

著者プロフィール

著者の佐藤優(さとう・まさる)さんは、1960年生まれ。東京都出身。作家。元外務省主任分析官。

同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、本省国際情報局分析第一課において、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で東京地検特捜部に逮捕され、2005年に執行猶予付き有罪判決を受ける。2009年に最高裁で有罪が確定し、外務省を失職。2013年に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。

2005年に発表した『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。2006年に『自壊する帝国』(新潮社)で第5回新潮ドキュメント賞、第38回大宅壮一ノンフィクション賞、2020年に第68回菊池寛賞を受賞。『獄中記』(岩波現代文庫)、『新約聖書(Ⅰ)(Ⅱ)』(解説、文春新書)、『十五の夏(上)(下)』(幻冬舎文庫)、『世界のエリートが学んでいる哲学・宗教の授業』(PHP文庫)、『美術は宗教を超えるか』(PHP研究所)など著書多数。

 

読む力を鍛える (PHP文庫)
佐藤 優 (著)

「読む力」は表現力の基本。
「読む力」以上の「聞く力」「話す力」「書く力」を持つ人はいない。

本書では、“佐藤優をつくった”百科事典の使い方、哲学書はどうやって読むか、Wikipediaなどネット情報との付き合い方、使い方を徹底的に解説する。

◎情報が氾濫するネット社会で、世界を多元的に見る、知の使い方
・哲学書をどう読み進めるか
・必ずしも原著を読む必要はない
・哲学者の社会への視点をつかむ
・現実世界は常に「運動」している
・社会生活の悩みにヘーゲルを生かす ……

こういう時代状況に歯止めをかけることができるのは、古典的な啓蒙だと思う。ポストモダニズムの流行以後、私たちが軽視していた旧来型の教養を取り戻さなければならない。(本書「まえがき」より)

★★本書は朝日カルチャーセンター新宿教室で行われた講座「知の操縦法」(2015年4~5月、10~12月)をもとに再構成・加筆された『知の操縦法』(平凡社/2016年12月刊)を文庫化したものです。

 


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