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【第52回蛇笏賞】有馬朗人さん『黙示』と友岡子郷さん『海の音』が受賞

第52回蛇笏賞は、3月26日に都内で選考委員会を開催し、受賞作が決定しました。

 

第52回蛇笏賞は有馬朗人さんと友岡子郷さんが同時受賞

第52回蛇笏賞は、昨年(高橋睦郎さんの『十年』と正木ゆう子さんの『羽羽』)に続き、2作同時受賞となりました。

 
■第52回蛇笏賞

有馬朗人さん 句集『黙示』(角川文化振興財団)

友岡子郷さん 句集『海の音』(朔出版)

 
受賞者の有馬朗人(ありま・あきと)さんは、1930年、大阪府生まれ。1953年、東京大学理学部物理学科卒業。1958年、東京大学理学博士。東京大学教授、東京大学総長、理化学研究所理事長、中央教育審議会会長、参議院議員、文部大臣、科学技術庁長官などを歴任。

俳人としては、1950年に「夏草」に入会し、山口青邨に師事。1990年に「天為」を創刊・主宰。1987年に句集『天為』で俳人協会賞、1993年に日本学士院賞、2004年に句集『不稀』で加藤郁乎賞、2007年に句集『分光』で日本詩歌句大賞、2010年に文化勲章、2013年に句集『流轉』で詩歌文学館賞、2018年に毎日芸術賞を受賞。

句集に、『母国』『知命』『天為』『耳順』『立志』『不稀』『分光』『鵬翼 四海同仁』など。物理学関係の著書も多数執筆。

 
同じく受賞者の友岡子郷(ともおか・しきょう)さんは、1934年、兵庫県生まれ。高浜虚子の「ホトトギス」、波多野爽波の「青」を経て、1968年「雲母」に入会し、飯田龍太に師事。

1977年に雲母選賞、1978年に現代俳句協会賞、2006年に句集『雲の賦』で俳句四季大賞、2009年に『友岡子郷俳句集成』で詩歌文学館賞、2013年に句集『黙礼』で小野市詩歌文学賞を受賞。

句集に、『遠方』『日の径』『未草』『春隣』『風日』『翌(あくるひ)』『葉風夕風』など。

 
第52回蛇笏賞の選考委員は、片山由美子さん、齋藤愼爾さん、高野ムツオさん、長谷川櫂さん。
選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『俳句』6月号(角川文化振興財団発行/KADOKAWA発売)に掲載される予定です。

 
受賞者には賞状・記念品および賞金100万円が贈られます。贈呈式は6月29日午後5時よりホテルメトロポリタンエドモンド(東京・飯田橋)で、「第52回迢空賞贈呈式」と併せて開催されます。

 
なお、最終候補作は次の通りです。

【最終候補作】 ※敬称略
青柳志解樹 句集『冬木の桜』(角川文化振興財団)
有馬朗人  句集『黙示』(角川文化振興財団)
櫂未知子  句集『カムイ』(ふらんす堂)
瀬戸内寂聴 句集『ひとり』(深夜叢書社)
友岡子郷  句集『海の音』(朔出版)

 

蛇笏賞について

蛇笏賞は、俳人・飯田蛇笏にちなんで設けられた俳句の賞です。角川文化振興財団(第9回までは角川書店)が主催。

前年の1月から12月の間に刊行された句集の中で最も優れたものに贈られます。

 

句集 黙示
古代からの歴史の豊かさが俳句のことばに結晶する珠玉の一冊。

【第59回 毎日芸術賞受賞!】
〈知床の海へカムイの放つ滝〉〈いづこにも釈迦ゐる国の朝涼し〉
俳句で巡る現世と常世の旅。
教育者、俳人、物理学者などさまざまな分野で活躍し続ける著者の待望の第10句集。自在な詠みぶりで、国内外を自由に多角的に描いた四〇〇句を収録。古代からの歴史の豊かさが俳句のことばに結晶する珠玉の一冊。

 
海の音―句集
阪神・淡路大震災で家屋が半壊し、当時、「倒・裂・破・崩・礫の街寒雀」と詠んだ著者。震災の記憶は鮮明ながら遠い日となりつつある。 兵庫県明石市に移り住んで7年余り。海鳴り、潮風、舟の音……新たな地で海の音を聴きながら暮らす著者が、やさしい言葉で深くうたう5年ぶりの最新句集!

 
【関連】
【決定のお知らせ】第52回蛇笏賞 – 角川文化振興財団

 


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