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【第57回迢空賞】水原紫苑さん歌集『快樂』が受賞

角川文化振興財団は、1年間に刊行された歌集の中で最も優れたものに贈る「第57回迢空賞」の受賞作を発表しました。

 

第57回迢空賞が決定!

第57回迢空賞は4月23日、角川第一本社(東京・飯田橋)において選考委員会を開催し、次の通り受賞作を決定しました。

 
<第57回迢空賞 受賞作品>

水原紫苑(みずはら・しおん)さん
歌集『快樂(けらく)』(短歌研究社)

 
受賞者の水原紫苑さんは、1959年生まれ、神奈川県横浜市出身。早稲田大学文学部仏文科卒業、同大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。春日井建さんに師事。春日井さん没後は無所属で活動。
1989年『びあんか』で第34回現代歌人協会賞、1999年『客人』で第1回駿河梅花文学賞、2000年『くわんおん』で第10回河野愛子賞、2005年『あかるたへ』で第5回山本健吉文学賞と第10回若山牧水賞、2017年「極光」三十首で第53回短歌研究賞、2018年『えぴすとれー』で第28回紫式部文学賞、2021年『如何なる花束にも無き花を』で第62回毎日芸術賞を受賞するなど受賞歴多数。

今回の受賞作『快樂』は2020年から2022年までのフランスでの現地詠を含む753首と、長歌1首、反歌を編んだ第11歌集。『快樂』は今月、第21回前川佐美雄賞も受賞

 
選考委員は、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さん、馬場あき子さん。選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『短歌』6月号(角川文化振興財団発行/KADOKAWA発売)に掲載される予定です。

 
なお、最終候補作は以下の5作品でした。

【最終候補作】
◎大辻隆弘さん『樟の窓』(ふらんす堂)
◎春日いづみさん『地球見』(短歌研究社)
◎佐藤通雅さん『岸辺』(角川文化振興財団)
◎高橋睦郎さん『狂はば如何に』(角川文化振興財団)
◎水原紫苑さん『快樂』(短歌研究社)

 

迢空賞について

迢空賞は、歌人で詩人の釈迢空(しゃく・ちょうくう)さんの遺徳を敬慕し、「世世に語り継ぎ、日本詩歌の振興に一層の努力を期す」ことを目的に設立された短歌の賞です。角川文化振興財団(第9回までは角川書店)が主催。

前年の1月から12月の間に刊行された歌集の中で最も優れたものに贈られます。

ちなみに、「釈迢空」は、民俗学者で国文学者の折口信夫(おりくち・しのぶ)さんの歌人としての号です。

 

快樂
水原紫苑 (原著)

2020年から2022年まで、フランスでの現地詠を含む 圧巻の753首+長歌1首+反歌。 節目となる第十歌集。 ちはやふる神と神神、 人と人ならぬもの、 引き裂かれてゆく 二十一世紀の 惑星の魂を求めて 【歌集より】 北駅を臨界として別れたりたましひいまだ冷ゆる三月 飛ぶ鳥に黒髪あらばみだれなば和泉式部は如何に生くらむ ノートルダム再建の木木のいつぽんとなるべきわれか夢に切られて 装幀=大久保伸子

 


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