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兄の死の謎を追う主人公がたどりついた真実とは? 五十嵐大さん小説家デビュー作『エフィラは泳ぎ出せない』が文庫化

五十嵐大さん著『エフィラは泳ぎ出せない』(創元推理文庫)

五十嵐大さん著『エフィラは泳ぎ出せない』(創元推理文庫)

コーダ(聞こえない親から生まれた聞こえる子どものこと)である自らの生い立ちをエッセイ化して話題を集めた、五十嵐大さんの初小説『エフィラは泳ぎ出せない』が文庫化され、創元推理文庫より刊行されました。

 

あの震災がきっかけで家族を捨てたぼくは、兄の死の知らせに再び故郷の土を踏む――そして知る、慟哭の真実とは?

本書は、9月20日に第2エッセイ『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が吉沢亮さん主演で映画公開される、五十嵐大さんの小説デビュー作です。

 
東京でフリーのライターとして働く衛(まもる)は、伯母からの電話で兄が亡くなったことを知り、故郷の宮城県松島へ帰ります。知的障害をもつ七歳上の兄、聡(さとし)の死因は自殺と告げられました。

上京して以来七年間帰っていなかった実家で聡の遺体と対面し、発見当時の状況を聞きますが、事件性がないということで詳細は捜査されていませんでした。
衛は聡の死の真相を突き止めるため、親族や幼馴染に話を聞いていきます。やがて明らかになる息を呑む真実とは……。
すべてを知った衛と家族の決意を、最後まで見届けてください。

【あらすじ】

震災を機に故郷を、家族を、知的障害のある兄を捨てて上京したフリーライター・小野寺衛は、兄の急死の知らせを受け、7年ぶりに故郷・松島に帰る。

かつて一緒に遊んだ海岸で兄は自死したらしいが、衛は信じることができない。兄の死の謎を追う衛が知ることになる、慟哭の真実とは?
障害者への無意識の差別、きょうだい児問題、貧しさへの“怒り”に満ちた筆致で贈るミステリ。

著者あとがき=五十嵐大

 

著者プロフィール

五十嵐大(いがらし・だい)さんは、1983年生まれ、宮城県出身。元ヤクザの祖父、宗教信者の祖母、耳の聴こえない両親のもとで育つ。自身の両親のことを綴ったエッセイ『ぼくが生きてる、ふたつの世界』が吉沢亮さん主演で映画化され話題となる。

主な著書に『しくじり家族』『隣の聞き取れないひと』『聴こえない母に訊きにいく』がある。『エフィラは泳ぎ出せない』が小説家デビュー作である。

 

エフィラは泳ぎ出せない (創元推理文庫)
五十嵐 大 (著)

『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で話題の著者が贈るミステリデビュー作

フリーライターとして暮らす小野寺衛は、宮城県松島から上京後、一度も里帰りをしていない。知的障害のある兄をまもってほしいと両親から衛と名付けられたが、東日本大震災を機に故郷を、家族を、兄を捨てたのだ。だが、その兄が急死したという知らせを受け、衛は七年ぶりに故郷に帰ることを決意する。子どもの頃一緒に遊んだ海岸で兄は自死したらしいが、家族や友人の話を聞いた衛はそれを信じることができない。兄の死の謎を追う衛が知る、慟哭の真実とは? 障害者への差別意識や、貧しさへの“怒り”に満ちた筆致で贈る、ミステリデビュー作。

写真:太田侑子
装幀:桑野桂(nimayuma)

 
【関連】
試し読み|エフィラは泳ぎ出せない

 


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