2万部突破、給食がテーマの連作短編集『給食アンサンブル』の続編が刊行
給食をテーマに中学生の揺れる心情を描いた「給食アンサンブル」シリーズの2作目、如月かずささん作・五十嵐大介さん絵『給食アンサンブル2』が光村図書出版より刊行されました。
いつもの給食が特別なものになる――心に響く連作短編「給食アンサンブル」中学2年生編が登場
前作『給食アンサンブル』は2万部を突破。国語の入試問題として作品が選出されたり、作中の給食メニューが複数の学校でコラボ給食として提供されたりするなど、さまざまな形で愛される作品となっています。
2018年の『給食アンサンブル』の刊行後、新型コロナ感染拡大により、学校給食の風景は大きく変化しました。『給食アンサンブル2』は、「かつてのような楽しい給食の時間が戻ってくるように」という作者の願いとともに、思春期の揺れる心情を細やかに描き、懐かしい給食の思い出も呼び起こしてくれる一冊です。
【あらすじ】
部活を辞めたことを引きずる慎吾、推しキャラへの想いに心乱れる朋華、熱くなれないたちの楓乃、吹奏楽部の改革に孤軍奮闘する高城、「いい人」しか取り柄のない三熊、長い片想いを続ける千秋。
それぞれに迷いや悩みを抱えた6人の中学2年生。
彼らの胸にひそむほんとうの気持ちを、給食が教えてくれる。
あたたかな音色を奏でるアンサンブルストーリー。
作者の言葉
かつてのようなたのしい給食の時間が、
1日も早くもどることを願って――
いつか書きたいと思い続けていましたが、いまこの時期に『給食アンサンブル』の2年生編を世に送りだすことには迷いもありました。
机を班の形にして、にぎやかに食事をとる。作中で描いたそんな給食風景が、現実にはまだもどってきていないからです。
しかし物語は現実を写しとるものであると同時に、願いを映しだすものでもあります。かつてのようなたのしい給食の時間が、1日も早くもどることを願って、この物語を読者の皆様に贈ります。
――作者:如月かずさ
担当編集者より
「どうかその心根を大切にして、素敵な大人になってください」
これは、『給食アンサンブル2』のある場面に出てくる台詞です。如月さんからの最初の原稿を読んでいて、この言葉に出会った瞬間、しばらくそこから目を離せなくなりました。子どもの頃の自分に向けて言ってもらっている感覚と、自分が子どもたちに伝えたい思い。その両方がまざった、とてもやわらかな気持ちで、胸がいっぱいになったのです。五十嵐さんの息をのむほどに素晴らしい絵と対面したときにふっと浮かんだのも、この言葉でした。この言葉にこめられた思いとともに、『給食アンサンブル2』をお届けします。
――編集部・濵野
本書の目次
1 アーモンドフィッシュ
2 ハヤシライス
3 ミートボール
4 クリームシチュー
5 くじらの竜田揚げ
6 牛乳
著者プロフィール
■作:如月かずさ(きさらぎ・かずさ)さん
1983年生まれ、群馬県出身。児童文学作家。『サナギの見る夢』で講談社児童文学新人賞佳作、『ミステリアス・セブンス─封印の七不思議』(岩崎書店)でジュニア冒険小説大賞、『カエルの歌姫』(講談社)で日本児童文学者協会新人賞を受賞。
作品に『給食アンサンブル』(光村図書)、『スペシャルQトなぼくら』(講談社)、「パペット探偵団事件ファイル」シリーズ、「怪盗王子チューリッパ!」シリーズ(以上、偕成社)、「なのだのノダちゃん」シリーズ(小峰書店)などがある。
■絵:五十嵐大介(いがらし・だいすけ)さん
1969年生まれ、埼玉県出身。漫画家。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて四季大賞を受賞し、デビュー。『魔女』(小学館)で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、『海獣の子供』(小学館)で日本漫画家協会賞優秀賞を受賞。
作品に『リトル・フォレスト』『ディザインズ』(以上、講談社)、作品集に『ウムヴェルト 五十嵐大介作品集』(講談社)などがある。
シリーズ1作目『給食アンサンブル』も発売中!
中学1年生6人を主人公にすえた、シリーズ1作目『給食アンサンブル』も発売中です。『給食アンサンブル2』には、1作目の登場人物も登場するので、2作目を読むと彼や彼女たちのその後の様子に触れることもできます。
<シリーズ1作目を読んだ読者から寄せられた言葉>
◎登場人物が2年後の約束を交わす場面がお気に入りで、その2年後が気になります。だからお願いです。続編を出してほしいです。(10歳)
◎学校でいちばん好きなのが給食の時間でした。自分の小学生時代の給食を思い出しながら読みました。一生大事にしたい本です!(50代)
◎たまたま読んでいた『給食アンサンブル』が、塾の国語のテストに出てきて、びっくりしました。(12歳)
給食アンサンブル2(飛ぶ教室の本) 如月かずさ (原著), 五十嵐大介 (イラスト) |
<既刊>
給食アンサンブル (飛ぶ教室の本) 如月 かずさ (著), 五十嵐 大介 (イラスト) 転校先の学校に馴染むのを拒む美貴、子どもっぽいのがコンプレックスの桃、親友の姉に恋をする満、悩める人気者の雅人、孤独な優等生の清野、姉御肌で給食が大好きな梢。 |
◆幻の短編「天使」を含む、安部公房の初期短編集『(霊媒の話)題未定』が刊行 | 本のページ
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◆アルフォンス・ドーテ×ヨシタケシンスケさん『ドーテショートセレクション 最後の授業』が刊行 | 本のページ
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