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「芳林堂書店と、10冊」より飛鳥部勝則さん「鮎川哲也賞」受賞作『殉教カテリナ車輪』が復刊

飛鳥部勝則さんのデビュー作にして第9回鮎川哲也賞受賞作『殉教カテリナ車輪』(創元推理文庫)が、株式会社書泉の特別企画「芳林堂書店と、10冊」第4弾に選出され、復刊されることになりました。

 

飛鳥部勝則さんのデビュー作にして鮎川哲也賞受賞作『殉教カテリナ車輪』が復刊!

「芳林堂書店と、10冊」は過去に出版された書籍ですでに在庫がなく、手に入りにくい名作を書泉、出版社、そして著者の協力のもとに重版・復刊を行う企画です。芳林堂書店をはじめとした書泉グループにて予約、店頭販売を行います。

 
飛鳥部勝則さんの著作では「書泉と、10冊」で『堕天使拷問刑』(早川書房)が現在までに4,200冊を販売し話題を呼んでいます。これを受けて、続く「芳林堂書店と、10冊」で『黒と愛』(早川書房)と『鏡陥穽』(文藝春秋)の復刊が決定。すでにそれぞれ約 1,500 冊の事前予約が集まっています。ファンからはさらに、デビュー作である『殉教カテリナ車輪』の復刊を望む声が多く聞かれ、今回復刊の運びとなりました。

 
飛鳥部勝則さんは本作品にて第9回(1998年度)鮎川哲也賞を受賞し、デビューしました。応募の原稿には「作中人物の作品」として自作の絵画が添えられており、小説を読み進めるとともに絵画に秘められた謎を同時に解き明かしていく図像解釈学(イコノロジー)を盛り込んだ稀なミステリーです。

 
<『殉教カテリナ車輪』あらすじ>

憑かれたように描き続け、やがて自殺を遂げた画家・東条寺桂。彼が遺した2枚の絵、《殉教》《車輪》に込められた主題とは何だったのか?

彼に興味を持って調べ始めた学芸員の前に現れたのは、20年前の聖夜に起きた二重密室殺人の謎だった――緻密な構成に加え、図像学の導入という新鮮な着想が話題を呼んだ、鮎川哲也賞受賞作。

 

芳林堂書店高田馬場店 店長 山本さん コメント

企画を進める中で、ファンの方から多くのさらなる飛鳥部作品の復刊要望を頂くようになりました。挙がったタイトルの中で三部作の次に多かったのが本作『殉教カテリナ車輪』です。

 
今はデジタルで文字情報と一緒に音を聞いたり、映像と共に楽しむなど表現の自由度は広がっていると感じます。しかし1998年に、公募の新人賞へ何枚もの自作の絵画と共に渾身の小説を送った飛鳥部先生の全身全力で小説世界を作り出そうという貪欲さは、きっと令和の現在にも、読者が新鮮に楽しめる斬新な取り組みだと感じます。今回絵画をお借りしてポストカードを作らせて頂きました。どうぞ隣に置いて小説を読み、絵と小説の世界を横断しながらこの総合芸術を楽しんで下さい。

 

東京創元社 編集部コメント

本書は、絵に描き込まれたものの解読(図像学)を謎解きに組み込んだ、世界でも滅多にない本格推理です。同じ試みに挑もうとすると、書き手はまず謎を込めた絵を用意しなくてはなりません。自身で絵を描く作家だからこそ完成させられた作品なのです。

 
ユニークな作家の、ユニークなデビュー作――しかも仕上がりも緻密かつ端正――ということで、埋もれるのは勿体ないと考えていましたが、それが今回こうして甦ることが決まり、喜びに堪えません。令和の読者にも、広く愛していただけますように。

 

著者・飛鳥部勝則さん コメント

デビュ-作の復刊、真に感無量です。私の長編の生みの親は島田荘司・綾辻行人・有栖川有栖、短編の生みの親は井上雅彦といった方々ですが、どうしたことか日本ミステリーの正当伝承者にはなり得ておりません。そんな私の長編の中で、唯一安心してお勧めできる『殉教カテリナ車輪』を、どうかお手元に置いていただけますように。

 

著者プロフィール

飛鳥部勝則(あすかべ・かつのり)さんは、1964年生まれ、新潟県出身。新潟大学大学院教育研究科修了。1998年『殉教カテリナ車輪』で第九回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。

著作に『バベル消滅』『冬のスフィンクス』『バラバの方を』『レオナルドの沈黙』『堕天使拷問刑』などがある。

 

『殉教カテリナ車輪』の予約について

今回は通常版のほかに、物語内で解き明かされる飛鳥部勝則さんの絵画をポストカードにしてセット販売する「有償特典版」も用意されています。

 
■予約受付期間:2024年1月25日(木)まで

■予約受付け店舗
◎書泉オンライン:https://shosen.tokyo/?mode=grp&gid=2932286
◎書泉オンライン楽天市場店:https://item.rakuten.co.jp/shosen/c/0000000999
◎芳林堂書店 高田馬場店、みずほ台店
◎書泉グランデ、書泉ブックタワー

■書籍お届け予定日・店頭発売日:2024年2月末ごろ

■価格
◎通常版(文庫のみ):1,320円(税込)
◎有償特典版(文庫に加え、作中に登場する絵画のポストカード4枚をセットにして販売):2,200円(税込)

 

株式会社書泉について

株式会社書泉は、「書泉」「芳林堂書店」の2つの屋号の書店を展開。「鉄道」「アイドル」「プロレス」をはじめ「数学」「占い」など様々なジャンルの本・雑貨を深く扱っています。著書にまつわるイベントも多数実施。

 
<「書泉と、10冊」企画について 書泉コメント>

昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、私たちは「そうではない」と考えます。
ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。

そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。
著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、などご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。

この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。
「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。
まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本をお届けしていきます。

第1弾:『鉄腕ゲッツ行状記-ある盗賊騎士の回想録-』白水社刊も順調にご予約いただき、933冊の予約に店頭販売分を含め1,400冊の重版となりました。
第2弾:『復刻版バスジャパンハンドブック 東京交通局』『同 神奈川中央交通』『同 東急バス』も3冊累計で600冊を超える販売数となっております。
第3弾:『堕天使拷問刑』早川書房刊は、3,440冊のご予約で5,000冊を重版。既に4,200冊以上が読者の方にお届けできています。また、ここから「芳林堂書店と、10冊」というスピンオフの企画に発展し、同作の著者である 飛鳥部勝則先生 の『黒と愛』 早川書房刊、『鏡陥穽』文藝春秋刊の復刊、今回の『殉教カテリナ車輪』の復刊に繋がっております。

第4弾:『影の獄にて』 復刊ドットコム刊 は戦場のメリークリスマスの原作本の完全復刊。BDやサントラCDも一緒に販売中です。
第5弾:『人間をお休みしてヤギになってみた結果』 新潮社刊、『少数言語としての手話』東京大学出版会刊は、人気Youtubeチャンネル「ゆる言語学ラジオ」とのコラボ企画で展開しました。

引き続き、企画に賛同いただける出版社・著者のみなさまからのお声かけをお待ちしております。

 


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