村山由佳さん〈高校入試頻出作品〉『雪のなまえ』が文庫化
村山由佳さん著『雪のなまえ』が文庫化され、徳間文庫より刊行されました。
親子で読みたい、感動の家族ドラマ『雪のなまえ』あらすじ
【あらすじ】
あなたがあなたであるためなら、
そこから逃げていいんだよ。
「夢の田舎暮らし」を求めて父が突然会社を辞めた。
いじめにあい登校できなくなった小学5年生の雪乃(ゆきの)は、父とともに曾祖父母が住む長野で暮らしを始め、仕事を続けたい母は東京に残ることになった。
胸いっぱいに苦しさを抱えていても、雪乃は思いを吐き出すことができない。そんな雪乃の凍った心を溶かしてくれたのは、長野の大自然、地元の人々、そして同級生大輝(だいき)との出会いだった――。
ほんとうの自分を受け容れてくれる場所。
そこを見つけるため、
今いる場所に別れを告げるのは、
決して逃げではない。
本書の目次
プロローグ 夢と自由と
第一章 新天地
第二章 美しい眺め
第三章 人間の学校
第四章 名前
第五章 サイダーの泡
第六章 一人前の仕事
第七章 寄り合いの夜
第八章 訪問者
第九章 起き上がり小法師
エピローグ 雪のなまえ
解説 永江朗
著者からのコメント
「自分探し」の記憶はあまりありませんが、「居場所探し」はつい最近までくり返してきた気がします。
心安らげる居場所がないのは不安なことです。
つい、間違ったものにしがみつきたくなってしまう。
ここにいていいのだと信じられる場所、ほんとうの自分を受け容れてもらえる場所さえ見つかったなら、誰もがもっと生きやすくなるし、自信を持てるし、ひとに優しくなれるんじゃないか。そうした場所を見つけようとして
今までいた場所に別れを告げるのは、決して〈逃げ〉ではないんじゃないか──。
今作『雪のなまえ』は、そんな思いをこめてつづりました。
時にすれ違っても、みんながお互いのことを思い合う物語です。
若い人にも、かつて若かった人にも、ぜひ。
――村山由佳
著者プロフィール
村山由佳(むらやま・ゆか)さんは、1964年生まれ、東京都出身。立教大学卒業。1993年『天使の卵─エンジェルス・エッグ─』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞、2021年『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞を受賞。
著書に『放蕩記』『天翔る』『天使の柩』『嘘 Love Lies』『はつ恋』『猫がいなけりゃ息もできない』『命とられるわけじゃない』『星屑』『ある愛の寓話』『もみじの言いぶん』〉『Row&Row(ロウ・アンド・ロウ)』『記憶の歳時記』など。
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