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【令和3年度吉川英治賞】文学賞は村山由佳さん『風よあらしよ』が受賞 新人賞に加藤シゲアキさんと武田綾乃さん、文庫賞は今村翔吾さん「羽州ぼろ鳶組」シリーズ

講談社は3月2日、第55回吉川英治文学賞および第42回吉川英治文学新人賞、第6回吉川英治文庫賞の受賞作を発表しました。

 

令和3年度吉川英治賞各賞が決定!

令和3年度の吉川英治賞の各賞は次の通りです。

 
■第55回吉川英治文学賞

村山由佳(むらやま・ゆか)
『風よ あらしよ』(集英社)

選考委員:浅田次郎さん、五木寛之さん、北方謙三さん、林真理子さん、宮城谷昌光さん、宮部みゆきさん

 
受賞者の村山由佳さんは、1964年生まれ。東京都出身。立教大学文学部卒業。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で「第1回小説・ノンフィクション大賞」に佳作入選し、単行本デビュー。1993年『天使の卵―エンジェルス・エッグ』で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞を受賞。

 
■第42回吉川英治文学新人賞

◎加藤シゲアキ(かとう・しげあき)さん
『オルタネート』(新潮社)

◎武田綾乃(たけだ・あやの)さん
『愛されなくても別に』(講談社)

選考委員:伊集院静さん、大沢在昌さん、恩田陸さん、京極夏彦さん、重松清さん

 
受賞者の加藤シゲアキさんは、1987年生まれ。大阪府出身。青山学院大学法学部卒業。アイドルグループ「NEWS」のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。

同じく受賞者の武田綾乃さんは、1992年生まれ。京都府出身。2013年、同志社大学在学中に宝島社主催の第8回日本ラブストーリー大賞の隠し玉作品『今日、きみと息をする。』で作家デビュー。代表作は「響け!ユーフォニアム」シリーズ。

 
■第6回吉川英治文庫賞

今村翔吾(いまむら・しょうご)さん
「羽州ぼろ鳶組」シリーズ(祥伝社文庫)

選考委員:各出版社の代表者(各社1名)、書評家、書店員等合計約50名
立会人:逢坂剛さん

 
受賞者の今村翔吾さんは、1984年生まれ。京都府出身。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。同作で第7回歴史時代作家クラブ賞・文庫書き下ろし新人賞を受賞。「羽州ぼろ鳶組」シリーズは、昨年の第4回吉川英治文庫賞でも候補に。2018年「童神」(刊行時『童の神』と改題)で第10回角川春樹小説賞、2020年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞、同年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞。

 

吉川英治文学賞について

吉川英治文学賞は、公益財団法人「吉川英治国民文化振興会」が主催し、講談社が後援する文学賞です。大衆小説を対象に、1967年に創設。毎年1月1日から12月31日までに、新聞、雑誌、単行本等に最も優秀な小説、評論、その他を発表した作家に贈られます。正賞として賞牌、副賞として300万円が授与されます。

なお、吉川英治文庫賞は、毎年12月1日から翌年11月30日までに文庫最新刊が刊行された作品のなかから、5巻以上の複数巻で文庫を刊行している、もっとも優秀な大衆シリーズに贈られます。

また、吉川英治文学新人賞は、毎年1月1日から12月31日までに、新聞、雑誌、単行本等に優秀な小説を発表した作家の中から、最も将来性のある新人作家に贈られます。

文庫賞および新人賞には賞牌と副賞100万円がそれぞれ授与されます。

ちなみに、賞の前身は、吉川英治さんの寄付金をもとに1962年2月に創設された「吉川英治賞」で、主催は毎日新聞社でした。1966年に吉川英治国民文化振興会が設立され、賞の運営が毎日新聞社から吉川英治国民文化振興会と講談社に移管されています。

 

風よ あらしよ
村山 由佳 (著)

服従するな。立ち上がれ。

どんな恋愛小説もかなわない不滅の同志愛の物語。いま、蘇る伊藤野枝と大杉栄。震えがとまらない。
姜尚中さん(東京大学名誉教授)

ページが熱を帯びている。火照った肌の匂いがする。28年の生涯を疾走した伊藤野枝の、圧倒的な存在感。100年前の女たちの息遣いを、耳元に感じた。
小島慶子さん(エッセイスト)

時を超えて、伊藤野枝たちの情熱が昨日今日のことのように胸に迫り、これはむしろ未来の女たちに必要な物語だと思った。
島本理生さん(作家)

明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で3人の男と〈結婚〉、7人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして2番目の夫でダダイストの辻潤、3番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。

[主な登場人物]
伊藤野枝…婦人解放運動家。二十八年の生涯で三度〈結婚〉、七人の子を産む。
辻 潤…翻訳家。教師として野枝と出会い、恋愛関係に。
大杉 栄…アナキスト。妻と恋人がいながら野枝に強く惹かれていく。
平塚らいてう…野枝の手紙に心を動かされ『青鞜』に引き入れる。
神近市子…新聞記者。四角関係の果てに日蔭茶屋で大杉を刺す。
後藤新平…政治家。内務大臣、東京市長などを歴任。
甘粕正彦…憲兵大尉。関東大震災後、大杉・野枝らを捕縛。

オルタネート
加藤シゲアキ (著)

誰しもが恋い焦がれた青春の普遍を、真っ向から描ききる。
加藤シゲアキ、これが新たな代表作。

高校生限定のマッチングアプリ「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、若者たちの運命が、鮮やかに加速していく。
全国配信の料理コンテストで巻き起こった〈悲劇〉の後遺症に思い悩む蓉(いるる)。母との軋轢により、〈絶対真実の愛〉を求め続ける「オルタネート」信奉者の凪津(なづ)。高校を中退し、〈亡霊の街〉から逃れるように、音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志(なおし)。恋とは、友情とは、家族とは。そして、人と“繋がる”とは何か。デジタルな世界と未分化な感情が織りなす物語の果てに、三人を待ち受ける未来とは一体――。
“あの頃”の煌めき、そして新たな旅立ちを端正かつエモーショナルな筆致で紡ぐ、新時代の青春小説。

愛されなくても別に
武田 綾乃 (著)

時間も金も、家族も友人も贅沢品だ。
「響け! ユーフォニアム」シリーズ著者が、息詰まる「現代」に風穴を開ける会心作!

遊ぶ時間? そんなのない。遊ぶ金? そんなの、もっとない。学費のため、家に月八万を入れるため、日夜バイトに明け暮れる大学生・宮田陽彩。浪費家の母を抱え、友達もおらず、ただひたすら精神をすり減らす――そんな宮田の日常は、傍若無人な同級生・江永雅と出会ったことで一変する!

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)
今村 翔吾 (著)

かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」―。しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。そんな彼の元に出羽新庄藩から突然仕官の誘いが。壊滅した藩の火消組織を再建してほしいという。「ぼろ鳶」と揶揄される火消たちを率い、源吾は昔の輝きを取り戻すことができるのか。興奮必至、迫力の時代小説。

 
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