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「第4回本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」候補作が決定 君嶋彼方さん、斜線堂有紀さん、住野よるさん、町田そのこさん、村山由佳さんの計5作品

文藝春秋が発行する小説誌「オール讀物」は、「第4回本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」候補作を発表しました。

 

「第4回本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」候補作

「第4回本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」候補作は、次の5作品です。

 
君嶋彼方さん『一番の恋人』(KADOKAWA)

◎斜線堂有紀さん『星が人を愛すことなかれ』(集英社)

住野よるさん『告白撃』(KADOKAWA)

◎町田そのこさん『わたしの知る花』(中央公論新社)

◎村山由佳さん『二人キリ』(集英社)

 
本年度の選考委員は、川俣めぐみさん(紀伊國屋書店横浜店)、高頭佐和子さん(丸善丸の内本店)、花田菜々子さん(蟹ブックス)、山本亮さん(大盛堂書店)が務めます。

受賞作については「本の話Web」で11月中旬に速報を、「オール讀物」2025年1・2月特大号で詳細が発表されます。

 

「本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」について

本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞は、文藝春秋発行の小説誌『オール讀物』が、大人がじっくり読める質の高い恋愛小説を発掘し、読者の方たちにひろく届けることを目的として創設された文学賞です。

第4回目となる今回は、令和5年10月1日から令和6年8月31日に刊行された単行本の中から、瀧井朝世さん、吉田大助さん、吉田伸子さんの3名の推薦をもとに候補作が決定しました。

 

一番の恋人
君嶋 彼方 (著)

『君の顔では泣けない』の著者が描く、恋愛を超える愛の物語

私が番ちゃんを好きじゃないままでいいなら、結婚しよう。

道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。
重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたからだ。
しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたところ、彼女の返事は「好きだけど、愛したことは一度もない」だった――。
千凪はアロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、長年、恋愛ができないが故に「普通」の人生を送れないことに悩み、もがいていたのだった。
千凪への思いを捨てられない一番と、普通になりたい千凪。恋愛感情では結ばれない二人にとっての愛の形とは。

装丁:坂詰佳苗
写真:酒井貴弘

星が人を愛すことなかれ
斜線堂 有紀 (著)

令和最注目の作家・斜線堂有紀が描く、推し(アイドル)の恋。ウェブ掲載の作品に書き下ろしを加えて書籍化!!

解散寸前だった地下アイドル「東京グレーテル」を、ひとりのカリスマ―赤羽瑠璃―が躍進させた。
人気グループとなり輝きだした「東グレ」。しかし光の中のアイドルたちも、ステージを降りれば人生が待っている。
推される側の”恋”と”生”の物語。

「見ててね。私が最高の人生、使い切るところ――」

『ミニカーを捨てよ、春を呪え』
冬美は結婚を意識している恋人・渓介がいる。けれど、恋人は赤羽瑠璃というアイドルを推しており、全てにおいて彼女を優先する。推しと恋人、本当に愛されているのはどっち?

『星が人を愛すことなかれ』
「東京グレーテル」の元メンバー・雪里は、Vtuberとして活動している。生活時間のすべてを配信のために捧げる彼女は、いまや100万人に愛される人気Vのひとりだ。その代わり、雪里は次第に恋人との時間すらとれなくなっていく。

『枯れ木の花は燃えるか』
「東京グレーテル」のメンバー・希美は地下メンズアイドル・ルイと付き合っている。ある日、ファンとのベッド写真が流出してルイのSNSが炎上。希美は復讐の為にルイと関係を持ったファンと会い、炎上を加速させてルイを叩き潰そうとするが──。

『星の一生』
「東京グレーテル」のカリスマ・赤羽瑠璃。かつて自分のファンである渓介に恋をし、ストーキングのあげく部屋まで侵入した女。それでも渓介を諦められない瑠璃は、彼のSNSアカウントを監視し続けてしまう。そしてある日瑠璃は、渓介が恋人と結婚式を挙げることを知る――。

告白撃
住野 よる (著)

親友に告白されたい。そして失恋させたい。大人げない告白大作戦の開幕!

三十歳を目前に婚約した千鶴は、自分への恋心を隠し続ける親友の響貴に告白させるため、秘密の計画を立てていた。願いはひとつ。彼が想いを引きずらず、前に進めるようになること。
大人のやることとは到底思えないアイデアに呆れつつも、学生時代からの共通の友人・果凛が協力してくれることになったが、〈告白大作戦〉は予想外の展開を見せ――。
ものわかりのいい私たちを揺さぶる、こじれまくった恋と友情!!

わたしの知る花
町田 そのこ (著)

「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」

虫も殺せぬ優男、結婚詐欺師……?
77歳で孤独死した老人の、誰も知らない波瀾に満ちた意外な人生とは?

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこの新作は、一人の男と美しい花を巡る物語。

二人キリ
村山 由佳 (著)

その女は愛する男を殺し、陰部を切り取り逃亡した──
脚本家の吉弥は、少年時代に昭和の猟奇殺人として知られる「阿部定事件」に遭遇。
以来、ゆえあって定の関係者を探し出し、証言を集め続けてきた。
定の幼なじみ、初恋の人、初めての男、芸妓屋に売った女衒、更生を促した学校長、被害者の妻、そして、事件から30年が経ち、小料理屋の女将となっていた阿部定自身……。
それぞれの証言が交錯する果てに、定の胸に宿る“真実”が溢れだす。
性愛の極致を、人間の業を、圧倒的な筆力で描き出す比類なき評伝小説。
作家デビュー30周年記念大作!

 
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