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「第14回山田風太郎賞」候補作が決定 白井智之さん、高殿円さん、中脇初枝さん、前川ほまれさん、吉川トリコさんの計5作品

KADOKAWAは9月28日、過去一年間で最も「面白い」と評価されたエンタテインメント小説に贈る「第14回山田風太郎賞」の候補作品を発表しました。

 

「第14回山田風太郎賞」候補作品を発表!

第14回山田風太郎賞の候補作品は、次の5作品です。

 
<「第14回山田風太郎賞」候補作品> ※著者五十音順

◎白井智之(しらい・ともゆき)さん
『名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―』(新潮社)

◎高殿円(たかどの・まどか)さん
『忘らるる物語』(KADOKAWA)

◎中脇初枝(なかわき・はつえ)さん
『伝言』(講談社)

◎前川ほまれ(まえかわ・ほまれ)さん
『藍色時刻の君たちは』(東京創元社)

◎吉川トリコ(よしかわ・とりこ)さん
『あわのまにまに』(KADOKAWA)

 
本賞の選考委員は朝井まかてさん、恩田陸さん、貴志祐介さん、筒井康隆さん、夢枕獏さん(※下記写真左より/五十音順)が務めます。選考会は、2022年10月21日(金)に東京會舘にて開催予定です。

 

山田風太郎賞について

山田風太郎賞は、戦後日本を代表する大衆小説作家・山田風太郎さんの独創的な作品群と、大衆性、ノンジャンル性、反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するため、2010年にスタート(創設は2009年)された文学賞です。株式会社KADOKAWAと公益財団法人角川文化振興財団が主催。

毎年9月1日から翌年8月31日までに書籍として発表された長編および短編の文芸作品(ミステリ、時代、SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと評価された日本の小説作品に贈られます。新人、新進、中堅作家の作品が対象となります。受賞者には、正賞として記念品、副賞として賞金100万円が贈られます。

 

名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件
白井 智之 (著)

奇蹟 VS 探偵!
ロジックは、カルトの信仰に勝つことができるのか?

病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。
調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。
奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか?

圧巻の解決編一五〇ページ!
特殊条件、多重解決推理の最前線!

忘らるる物語
高殿 円 (著)

男が女を犯せぬ国があるという。

金出づる国、燦という大国が支配する世界。貧しい土地で育ち、産んだばかりの子を奪われた環璃(ワリ)は、ひとり輿に乗せられ運ばれていた。「皇后星」に選ばれた環璃は、次の燦帝候補である四人の藩王のもとを巡って閨をともにすることになる。その道中で山賊に襲われたところを助けたのは、触れた男を一瞬で塵にする不思議な力を持った女性・チユギだった。その力に憧れながらも、帝までたどり着いて成し遂げるべきことを決意した環璃。運命に抗い、死と隣り合わせの旅を生き抜こうとするが――。彼女がたどり着いた、女が産み、男が支配する世界を変える「忘れられた物語」とは?

伝言
中脇 初枝 (著)

わたしたちのしたこと。しなかったこと。これは、いまを生きるあなたのための物語。

『きみはいい子』『わたしをみつけて』『世界の果てのこどもたち』など、話題作を生み出し続ける著者、4年ぶりの新作!

2016年本屋大賞3位、『世界の果てのこどもたち』には書かれなかったもうひとつの真実。

満洲・新京で暮らす女学生、ひろみ。
「尽忠報国」「一億玉砕」「五族協和」、そう信じていた――
永遠に失われた、もう、どこにもない国。
あの場所で見たこと、聞いたこと、
そして、わたしに託されたことを、わたしは忘れない。

終戦間際の満洲を、圧倒的な事実に基づき描く。
これは、いまを生きるあなたのための物語。

藍色時刻の君たちは
前川 ほまれ (著)

読書メーター読みたい本ランキング第1位(単行本 月間 2023年5月19日~6月18日)

いつか、義務も後悔も手放して。
あなたはあなたの人生を生きるのよ。

私たちはこの港町で家族を介護し、
震災で多くを失い、そしてあの人に救われた。
ヤングケアラ―たちの青春と成長を通し、
人間の救済と再生を描く渾身の傑作!

2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽は、統合失調症を患う母を介護し、家事や看病に忙殺されていた。彼女の鬱屈した感情は、同級生である、双極性障害の祖母を介護する航平と、アルコール依存症の母と幼い弟の面倒を看る凛子にしか理解されない。3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ、誰にも助けを求められない孤立した日常を送っていた。しかし、町に引っ越ししてきた青葉という女性が、小羽たちの孤独に理解を示す。優しく寄り添い続ける青葉との交流で、3人は前向きな日常を過ごせるようになっていくが、2011年3月の震災によって全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある日、彼女は旧友たちと再会し、それを機に過去と向き合うことになる。ヤングケアラーたちの青春と成長を通し、人間の救済と再生を描く渾身の傑作長編!

あわのまにまに
吉川 トリコ (著)

どれだけの秘密が、この家族には眠っているんだろう――

「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?
2029年から1979年まで10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちをとりまく真実。

あの時代、確かにそうやって、わたしたちは生きていた。
隠されていた「わたしたちの秘密」を理解したとき、あなたは平常心でいられるか。

『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞した著者が放つ、生き方、愛、家族をめぐる、「ふつう」を揺らがせる逆クロニクル・サスペンス。

 
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山田風太郎賞 | KADOKAWA

 


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