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【第28回手塚治虫文化賞】ヤマザキマリさん&とり・みきさん『プリニウス』がマンガ大賞を受賞 新生賞に坂上暁仁さん『神田ごくら町職人ばなし』、短編賞に益田ミリさん『ツユクサナツコの一生』

朝日新聞社は4月22日、第28回手塚治虫文化賞の受賞作品・受賞者を発表しました。

なお、贈呈式&記念トークイベンは6月6日(木)に東京・築地の浜離宮朝日ホールで開催。一般参加者200人を募集します。

 

第28回手塚治虫文化賞が決定!

第28回手塚治虫文化賞の各賞が、次の通り決定しました。

 
<第27回手塚治虫文化賞 受賞作品・受賞者>

■マンガ大賞(年間のベスト作品)
ヤマザキマリさん&とり・みきさん
『プリニウス』 (新潮社)

■新生賞(斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者)
坂上暁仁(さかうえ・あきひと)さん
『神田ごくら町職人ばなし』 (リイド社)

江戸の職人の技に込めた思いを卓抜した画力で描いた独自性に対して

■短編賞(短編、4コマ、1コマなどで優れた成果をあげた作品・作者)
益田ミリ(ますだ・みり)さん
『ツユクサナツコの一生』(新潮社)

■特別賞(マンガ文化の発展に寄与した個人・団体)
コミティア実行委員会(吉田雄平代表)
オリジナル作品に限定したマンガ同人誌の展示即売会を40年間続け、アマチュア作家ならびにプロ志望の多くの描き手を応援してきた功績に対して

 
選考委員は、秋本治さん(漫画家)、里中満智子さん(マンガ家)、高橋みなみさん(タレント)、中条省平さん(学習院大学フランス語圏文化学科教授)、トミヤマユキコさん(ライター・東北芸術工科大学芸術学部准教授)、南信長さん(マンガ解説者)、矢部太郎さん(芸人・漫画家)、宮田喜好さん(朝日新聞社執行役員・編集担当)、喜多克尚さん(朝日新聞東京本社文化部長)。
※( )内は最終選考時の肩書

 

マンガ大賞受賞者:ヤマザキマリさん&とり・みきさん コメント

◆ヤマザキマリさん

『テルマエ・ロマエ』の連載中から次作として描こうと決めていた大プリニウスですが、彼が生きた二千年前の世界や思想を二次元でどう蘇らせるか、読者にどれだけ興味を持ってもらえるか、まるで古代ローマからの使命を司っているような気持ちで描いてきた立場として、今回の賞は大変栄誉なことです。全ての道、つまり漫画の道もまた「ローマに通ず」。

 
◆とり・みきさん

物心ついたころ、最初に「面白くて怖くて、でも切ない不思議なマンガ」と認識したのが鈴木出版版手塚治虫全集の『大洪水時代』と『太平洋X點(ポイント)』のカップリングでした。やがてそのひねた少年は長じてマンガ家になるわけですが、そのきっかけになった新人賞の審査員の一人が手塚治虫でした。めぐる因果を喜ばないわけがありません。

 

贈呈式・記念イベントに一般から200人を募集

記念トークイベントでは、特別賞のコミティア実行委員会の中村公彦会長と吉田雄平代表、リイド社トーチweb編集長で、新生賞・坂上暁仁さんの担当編集者、中川敦さんが語り合います。

来場者には、受賞者の描き下ろしやメッセージ、社外選考委員の選評などを収めた記念小冊子とオリジナル記念ピンバッジをセットでプレゼントします。

 
<贈呈式・記念トークイベント 開催概要>

■日時:2024年6月6日(木)14時~16時

■場所:浜離宮朝日ホール(東京都中央区築地5-3-2)

■申込み締め切り:2024年5月10日(金)
※応募は1人で1件とし、複数の応募があった場合は全て無効とします。応募多数の場合は抽選。当選者には5月22日(水)ごろにメールを送信します。

★詳細&申込み:http://t.asahi.com/28event

 

手塚治虫文化賞について

手塚治虫文化賞

手塚治虫文化賞

手塚治虫文化賞は、日本のマンガ文化の発展・向上に大きな役割を果たした手塚治虫さんの業績を記念し、手塚さんの志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に、朝日新聞社が1997年に創設したものです。

年間を通じて最も優れた作品に贈られる「マンガ大賞」のほかに、清新な才能を顕彰する「新生賞」と、短編・4コマ・1コマなどを対象とする「短編賞」、マンガ文化の発展に寄与した個人・団体に贈られる「特別賞」を選考委員の合議で決定します。

マンガ大賞には正賞としてアトム像と賞状、副賞として賞金200万円が贈られます。新生賞、短編賞、特別賞は各100万円。

 

プリニウス 1巻(バンチコミックス)
ヤマザキマリ/とり・みき (著)

どうしても、この男が描きたかった! 世界史上もっとも著名な博物学者にして、ローマ艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの愛すべき変人。その男の名はプリニウス――。『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが、最強のパートナー“とり・みき”を迎えて、ふたたび魅惑の古代ローマ世界に挑む。圧倒的な構成と迫真の画力で2000年前の世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版、ここに誕生!

神田ごくら町職人ばなし 一 (トーチコミックス)
坂上 暁仁 (著)

圧巻の描写でよみがえる、江戸職人の技と意地

「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」

ただひたすらに、ひたむきに……
桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。
伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作。

■桶職人
覚えときな。木ってのは生きてんだーー木を見つめ木と生きる桶職人の一日。

■刀鍛冶
自分が打った刀で子どもが殺された。灼熱の鍛冶場ーー多くを語らぬ刀匠の胸中は…

■紺屋
友禅染が大流行する中、藍染の意匠に悩む一人の職人。先の見えない仕事に心は沈むが…

■畳刺し
明け渡った吉原が男達の仕事の場。暮れの畳の張り替えに遊女達の冷やかしは付き物で…

■左官(一、二、三)
土蔵の普請場に奇妙な男が現れる。甚三郎と名乗るこの男、上方から流れてきたようだが…

ツユクサナツコの一生
益田 ミリ (著)

期待もせんと絶望もせんと、それでも人は生きていける――。
予期せぬ展開に心揺さぶられる、著者史上最長編の感動作!

マスク生活2度目の春を過ごす、32歳・漫画家のナツコ。社会の不平等にモヤモヤし、誰かの何気ない一言で考えをめぐらせ、ナツコは「いま」を漫画に描く。描くことで、世界と、誰かと、自分と向き合えるから。〝わかり合える〟って、どうしてこんなに嬉しいんだろう――。自分の「好き」を大切に生きる、「あなた」に贈る物語。

 
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第28回手塚治虫文化賞贈呈式・記念イベントの観覧者を募集します。(応募ページ):朝日新聞アンケート
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マンガで歴史を描くということ | マンガで歴史を描くということ | ヤマザキマリ , とり・みき , 出口治明 | 対談・インタビュー | 考える人 | 新潮社

 


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