夕瀬ひすいさんデビュー作〈不思議な空間で、心の中の自分と向き合う涙と友情の物語〉『カナシミ水族館』が刊行
新進気鋭の作家・夕瀬ひすいさんのデビュー作『カナシミ水族館 心が泣き止む贈り物』(装画:choocoさん)がことのは文庫より刊行されました。
そこは自分の“悲しみ”が光る魚となって泳ぎ出す、不思議な空間──。あなたの美しい悲しみに触れられる幻想的な場所「カナシミ水族館」へようこそ
幻想的且つ壮大な空間、「カナシミ水族館」。海の生き物たちが水槽という区切りがない場所で時には光り、自由に泳ぎまわります。
見た目も性格も年齢も違う四人の個性豊かなスタッフが各章に一人ずつ登場し、水族館の魅力や悲しみとの向き合い方を教えてくれます。
「悲しみ」という感情をどう受け取るか、なぜ悲しみという感情があるのかを考えさせてくれる作品です。
【あらすじ】
悲しみの記憶が光る魚や生き物となって見える「カナシミ水族館」。
4人のスタッフが案内する、過去と向き合う一夜限りの優しい物語。
過去に夢を罵倒され、友人に裏切られた事で、これ以上悲しまないよう他人を避けて生きていた高校生の律。
ある夏の日、クラスメイトのあかりが手を差し伸べてくれたにも拘わらず、拒絶してしまう。
人との接し方を見失い困惑していた夜、気が付くと律は謎の水槽の前に立っていた。
そこは「自分の悲しみが魚になる」という、不思議な水族館。
四人のスタッフに案内されながら出会う生き物たちは、優雅に泳ぎ、時折あたたかな光を放つ――。
あなたの美しい悲しみに触れられる幻想的な場所「カナシミ水族館」へようこそ。
心の中の自分と真っ直ぐ向き合う、涙と友情のやさしい物語。
<「前に進む気持ちを持てる」など反響続々!一足先にゲラを読んだ方の感想を紹介>
悲しみが魚の形になる不思議なカナシミ水族館。
そこを訪れることになる私は人間関係に傷ついていて、本当の友だちになりたいあかりちゃんに心を開けない……。
彼女の悲しみの記憶の出来事には読んでいて涙が出そうでした。
悲しみなんてフタをしてしまえばそれなりにやっていけるじゃない、と思ってしまいそうだけれど、大切にしたい人との関係はやっぱり真心で繋がっていたい。
水族館を訪れたことで得られたものはとてもとても大きかったと思います。
泣いた後にそっと背中を押してくれるお話でした。
(書店関係者)
「悲しみはあなたの敵ではありません。」この言葉にひかれて読みました。
似たような境遇になった事があるので自分と重ね合わせてしまい悲しい気持ちになりました。
特に207ページが苦しかった。
でも、一話一話ハッとする言葉に助けられ悲しみと向き合いながら前に進む気持ちを持てました。
誰かのためなら頑張れるけど、自分のためには否定的だった自分も、自分を大切にして自分だけのために頑張ってもいいんだ。と思えました。
(図書館関係者)
たくさんの悲しみを経験し、乗り越えていくからこそ人は強くなれることを実感する良作。
日々経験する悲しい出来事や話題で苦しい気持ちになった時に思い出したい物語でした。
「悲しみ」で溢れる世の中だからこそ、今作のようなほのかに温かさを感じる物語が必要なんだと思います。
水族館の描写がとても幻想的で、読者も律と一緒に館内を散策し、心が浄化されていくような感覚を味わえました。
また巻末の番外編では本編で律の悲しみと向き合うための手助けをしてくれたスタッフたちのお茶目な一面を見ることができ、もっと彼らのことが好きになりました。
(レビュアー)
著者プロフィール
■夕瀬ひすい(ゆうせ・ひすい)さん
2021年より、小説投稿サイトにて執筆を始める。現実世界にファンタジー要素を盛り込んだ文芸や、ほっこりと落ち着く日常物語、少し切ない青春ストーリーなど得意ジャンルは幅広い。
本作『カナシミ水族館 心が泣き止む贈り物』にて書籍デビュー。好きな魚は鮎。自然の中を歩く事が趣味。
■装画:chooco(ちょこ)さん
2020年夏から活動を開始したフリーのイラストレーター。
コンセプトアート(MV/CDジャケット/キービジュアル)、背景デザイン、キャラクターデザインなど様々な方面で活躍。
オトナ女子向け文芸レーベル【ことのは文庫】について
「心に響く物語に、きっと出会える」
ことのは文庫は、マイクロマガジン社より発行しているオトナ女子向け文芸レーベルです。
2019年6月に創刊後、『わが家は幽世の貸本屋さん』シリーズや、『陰陽師と天狗眼』シリーズ、『妖しいご縁がありまして』シリーズ、『おまわりさんと招き猫』シリーズなどなど様々な作品が登場しています。新作は毎月20日ごろに発売。
★ことのは文庫公式サイト:https://kotonohabunko.jp/
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カナシミ水族館 心が泣き止む贈り物 (ことのは文庫) 夕瀬ひすい (著), chooco (イラスト) |
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