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恩田陸さんミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』、作中作『夜果つるところ』が2ヶ月連続刊行


15年の連載期間を経て、書籍化が待たれていた恩田陸さんのミステリ長編『鈍色幻視行』(にびいろげんしこう)が、5月26日(金)に集英社から刊行されます。

また、『鈍色幻視行』の中で“呪われた”小説として言及される『夜果つるところ』が6月26日(月)に刊行されます。恩田さんの小説および作中作が2ヶ月連続刊行されるのは、初めての試みです。

 

『鈍色幻視行』について

 
【あらすじ】

謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。

謎の小説家・飯合梓が遺した“呪われた”小説『夜果つるところ』に関する取材のために、小説家・蕗谷梢は、さまざまな事情と思惑を抱えた関係者が集まる豪華客船ツアーに参加する。

船上でインタビュー取材が進むにつれ、次々と現れる新事実と新解釈。2週間にわたる旅の最後に、梢がたどり着いた「真相」とは――。

 
<作中作『夜果つるところ』を書籍化>

私の世界はいつも夜だった。
あの奇妙な館から始まる夜と、夜が終わるところまでが私の総てだった――。

謎多き作家「飯合梓」によって執筆された“幻の小説”。幾度映画化を試みても完成されることのない、“呪われし原作”。『鈍色幻視行』の作中に登場する、物語の核となる小説作品の完全単行本化。

 

著者プロフィール

著者の恩田陸(おんだ・りく)さんは、1964年生まれ。1992年『六番目の小夜子』でデビュー。

『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、『ユージニア』で日本推理作家協会賞、『中庭の出来事』で山本周五郎賞、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を受賞。

その他『木漏れ日に泳ぐ魚』『消滅』『ドミノin上海』『愚かな薔薇』など著書多数。

 

鈍色幻視行
恩田 陸 (著)

撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて――

夜果つるところ
恩田 陸 (著)

執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!

遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。孔雀の声を真似し、日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。表情に乏しく、置き物のように帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。

謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。

 


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