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新名智さん〈呪いと救いの物語〉『きみはサイコロを振らない』が刊行

横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作家・新名智さんの青春ホラー小説『きみはサイコロを振らない』がKADOKAWAより刊行されました。

 

「呪いのゲーム」はどこにある? 青春ホラーミステリの感動作『きみはサイコロを振らない』

本作は選考委員から激賞を受け第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉を受賞したデビュー作『虚魚(そらざかな)』、刊行後すぐに話題となった第二作『あさとほ』でミステリ界とホラー界の両方にファンを増やしている新名智さんの最新刊です。

 
今回は「遊ぶと死ぬ呪いのゲーム」という謎を起点に、不気味な〈黒い影〉が迫る恐ろしさと、痛みを抱えたキャラクター達の変化や成長も捉えた泣けるホラーミステリとなっています。

なお、発売を記念して、KADOKAWA文芸WEBマガジン「カドブン」では、本書の冒頭試し読みを特別公開中です。

★冒頭試し読み:https://kadobun.jp/trial/kimihasaikorowofuranai/entry-58512.html

 
<『きみはサイコロを振らない』あらすじ>

「呪いのゲームがあるんだって。遊ぶと死ぬ、とか」

――人生なんて、しょせんはゲームだ。
中学時代の親友の死をきっかけに、そんな信条で日々を淡々と過ごす高校生の志崎晴(しざき・はる)。
「遊ぶと死ぬ」ゲームを探しているという同級生・莉久(りく)に頼まれ、彼女と、呪いの研究をしている大学院生・葉月と共に、不審な死を遂げたゲーマー男性の遺品を調べることに。大量に残されたゲームをひとつずつ遊んで検証する三人。するといつのまにか晴の日常の中に突然〈黒い影〉が現れるようになり――。
「晴くんって、実はもう呪われてない?」晴にかけられた呪いの謎、そしてそれを解く方法とは。

 

著者コメント

子供の頃、とあるカードゲームアニメが好きでした。
偶然引いた一枚が必然の一手となる、そんな物語を描いてみたかったのが創作の原点かもしれません。
「配られた手札で勝負するしかない」とは有名な言葉ですが、いったいその手札を配るものとはなんなのでしょうか。
ゲームが好きな方も嫌いな方も、どうぞお楽しみください。
―――新名智

 

担当編集者が読みどころを紹介!

 
(1) ゲームとは何か?
デビュー作『虚魚』で「怪談とは何か?」、第2作『あさとほ』では「物語とは何か?」を描いてきた新名さん。今作では「呪いのゲーム」という都市伝説などで馴染みのある言葉から「ゲームとは何か?」という大きな謎に辿り着きます。ゲーム、人生、神様と、どんどん謎解きのスケールが大きくなってゆく展開は圧巻です!

 
(2) ホラーなのに泣ける!
主人公の晴は、かつての友人の死に罪悪感をおぼえながら日々を過ごす高校生。一緒に「呪いのゲーム」を探す同級生の莉久は決して人前で声を発しませんが、そこにも過去のある出来事が関わっています。さらにはもう一人の仲間である大学院生の葉月も、順風満帆な人生を過ごしてきたわけではありません。このように全員がなにかしらの傷を抱えており、「呪い」の謎を追いかけるうちに自らの傷を癒やしてゆく――。物語の後半には3人の変化と成長を感じて目頭が熱くなるシーンがたくさんあります。

 
(3) 狗竜川サーガ
デビュー作『虚魚』で〈怪異の生まれる川〉として登場する「狗竜川(くりゅうがわ)」は天竜川をモデルとし、第2作『あさとほ』&今作にも存在します。さらに今作では『虚魚』で語られる怪談に触れる箇所があったり、『あさとほ』の主人公と思われる人物について言及があったり。全ての物語が同じ世界で展開されるため、作品同士のつながりに注目して読むのも楽しい「狗竜川サーガ」といえる作品群です。

 
静かで美しい不気味さと、心臓をぎゅっと掴まれるようなせつなさが読み手を揺さぶる作品になりました。
間違いなく現時点での著者の最高到達点です。

 

著者プロフィール

撮影:鈴木慶子

撮影:鈴木慶子

著者の新名智(にいな・さとし)さんは、1992年生まれ。長野県上伊那郡辰野町出身。2021年『虚魚』で第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉を受賞し、デビュー。

2022年7月に第二作『あさとほ』を刊行し、「自分自身が怖くなるホラー」としてメディアで取り上げられ話題となった。今作は第三作となる。

★新名智さん特設サイト:https://kadobun.jp/special/niina-satoshi/

 

きみはサイコロを振らないE
新名 智 (著)

装画:毛ェ
装丁:小口翔平+阿部早紀子(tobufune)

 
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