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村田沙耶香さん×チョン・セランさん『絶縁』刊行記念対談をWeb公開

小学館は、アジアを代表する9名の若手作家によるアンソロジー『絶縁』の刊行を記念して行われた、村田沙耶香さんとチョン・セランさんの対談(1月7日発売『文藝』2023年春季号に掲載)をWebで公開中です。

なお、司会は「文学トンネ」編集者のキム・ヨンスさん、構成は翻訳者・ライターの藤田麗子さんが務めました。

★URL:https://shosetsu-maru.com/special/zetsuen_taidan

 

アジア9都市アンソロジー『絶縁』について

『絶縁』は、村田沙耶香さん、チョン・セランさんなどアジアの若手作家9名が「絶縁」をテーマに書いた短編小説集です。

 
「アジアの若手作家が同じテーマのもと短編を書く――そんなアンソロジーを作ってみませんか。今、思い浮かんでいるテーマは“絶縁”です」

『保健室のアン・ウニョン先生』の著者チョン・セランさん(韓国)の発案によるこの企画に、『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香さん(日本)、『折りたたみ北京』でヒューゴー賞を受賞した郝景芳さん(中国)をはじめ、シンガポール、タイ、香港、チベット、ベトナム、台湾の作家たちが参加。9作中7作が書き下ろし、2作が世界初翻訳となっています。

 
なお、本書は「オーディオファースト作品」と呼ばれる「Amazonオーディブル(Audible)」発のオリジナル作品第2弾で、2022年10月にオーディオブックとして先行配信され、同年12月に小学館より書籍版が刊行されました。

オーディオブック版では三浦透子さん、蒔田彩珠さん、古川琴音さん、山田真歩さん、内田淳子さん、北浦愛さんらが朗読を担当しています。

 

 

対談者プロフィール

 
■村田沙耶香(むらた・さやか)さん

村田沙耶香さん 写真:(c)文藝春秋

村田沙耶香さん 写真:(c)文藝春秋

1979年生まれ、千葉県出身。2003年「授乳」で群像新人文学賞優秀作を受賞してデビュー。

2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島由紀夫賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞を受賞。『コンビニ人間』は30以上の言語で翻訳されている。2020年には『地球星人』英訳版、2022年には『生命式』の英訳版も刊行された。

その他の著書に『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』など。

 
■チョン・セランさん

(c)melmel Chung

(c)melmel Chung

1984年生まれ、ソウル出身。編集者として働いた後、2010年に雑誌『ファンタスティック』に「ドリーム、ドリーム、ドリーム」を発表して作家デビュー。

2013年『アンダー、サンダー、テンダー』で第7回チャンビ長編小説賞、2017年『フィフティ・ピープル』で第50回韓国日報文学賞を受賞。純文学、SF、ファンタジー、ホラーなどジャンルを超えて多彩な作品を発表し、若い世代から愛され続けている。童話、エッセイ、シナリオなども手がけている。

その他の著書に『地球でハナだけ』『保健教師アン・ウニョン』『島のアシュリー』『屋上で会いましょう』『声をあげます』『シソンから、』『八重歯が見たい』など。

 

絶縁
村田 沙耶香 (著), アルフィアン・サアット (著), ハオ・ジンファン (著), ウィワット・ルートウィワットウォンサー (著), 韓 麗珠 (著), ラシャムジャ (著), グエン・ゴック・トゥ (著), 連 明偉 (著), チョン・セラン (著), 藤井 光 (翻訳), 大久保 洋子 (翻訳), 福冨 渉 (翻訳), 及川 茜 (翻訳), 星 泉 (翻訳), 野平 宗弘 (翻訳), 吉川 凪 (翻訳)

奇跡のアンソロジー、日韓同時刊行!

突如若者に舞い降りた「無」ブーム。世界各地に「無街」が建設され――。
(村田沙耶香「無」)

夫がさりげなく口にした同級生の名前、妻は何かを感じとった。
(アルフィアン・サアット「妻」/藤井光・訳)

ポジティブシティでは、人間の感情とともに建物が色を変える。
(ハオ・ジンファン「ポジティブレンガ」/大久保洋子・訳)

先鋭化する民主化運動の傍らで生きる「あなた」たちの物語。
(ウィワット・ルートウィワットウォンサー「燃える」/福冨渉・訳)

都市に走った亀裂、浸透する秘密警察、押し黙る人びと。
(韓麗珠「秘密警察」/及川茜・訳)

ブラック職場を去ることにした僕。頭を過るのは死んだ幼馴染の言葉だった。
(ラシャムジャ「穴の中には雪蓮花が咲いている」/星泉・訳)

家族の「縁」から逃れることを望んできた母が、死を目前にして思うこと。
(グエン・ゴック・トゥ「逃避」/野平宗弘・訳)

3人の少年には卓球の練習後に集う、秘密の場所がある。
(連明偉「シェリスおばさんのアフタヌーンティー/及川茜・訳)

6人の放送作家に手を出した男への処罰は不当か否か。
(チョン・セラン「絶縁」/吉川凪・訳)

 
【編集担当からのおすすめ情報】
きっかけは韓国を代表する若手作家チョン・セランさんのひと言でした。

「韓中日+東南アジアの若手世代の作家7~9人で、同じタイトルのもとそれぞれ違う短編小説を書いてアンソロジーを出してみたいです。今、思い浮かんでいるタイトルは『絶縁』です」

この提案を、『コンビニ人間』が世界的ベストセラーになった村田沙耶香さんに伝えたところ「痺れるテーマですね」と快諾。その後、アジア9都市9人の作家の参加が決定しました。『折りたたみ北京』にてヒューゴ賞を受賞した郭景芳(ハオ・ジンファン)さんをはじめ、いずれも気鋭の作家です。

多くの作品が既存作品の翻訳ではなく書きおろしという前代未聞のプロジェクト、日韓同時刊行です!

<オーディオブック版>

絶縁: (小学館) Audible版
村田 沙耶香 (著), チョン・セラン (著), アルフィアン・サアット (著), ウィワット・ルートウィワットウォンサー (著), 韓麗珠 (著), ラシャムジャ (著), 郝景芳 (著), グエン・ゴック・トゥ (著), 連明偉 (著), 三浦 透子 (ナレーション), 蒔田 彩珠 (ナレーション), 古川 琴音 (ナレーション), 山田 真歩 (ナレーション), 内田 淳子 (ナレーション), 北浦 愛 (ナレーション), Audible Studios (出版社)

 
【関連】
アジア9都市アンソロジー『絶縁』刊行記念対談 ◆ 村田沙耶香 × チョン・セラン | 小説丸

 


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