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西加奈子さん、村田沙耶香さん、金原ひとみさん、島本理生さんら17人が記す〈自らの身体と”性”〉――リレーエッセイ『私の身体を生きる』が刊行

『私の身体を生きる』(装画:WAKIKOさん)

『私の身体を生きる』(装画:WAKIKOさん)

女性/女性として生きる17人の書き手によるリレーエッセイ『私の身体を生きる』が文藝春秋より刊行されました。

著者は島本理生さん、村田沙耶香さん、藤野可織さん、西加奈子さん、鈴木涼美さん、金原ひとみさん、千早茜さん、朝吹真理子さん、エリイさん、能町みね子さん、李琴峰さん、山下紘加さん、鳥飼茜さん、柴崎友香さん、宇佐見りんさん、藤原麻里菜さん、児玉雨子さんの17人(掲載順)。

 

「私の身体は私のもの」のはずなのに――深い共感と支持を集めた『文學界』人気連載が書籍化

『私の身体を生きる』は自らの「身体と性」に向き合う連載として『文學界』2021年3月号から開始。直木賞作家・島本理生さんの「Better late than never」を皮切りに、文学の最前線を担う書き手たちが、3年に渡ってバトンをつないできました。

 
生身の身体を持った人間として直面する性自認、性的指向、性的欲望のあり方への葛藤や、恋愛関係、妊娠・出産といった経験における摩擦、そして社会から受ける差別的な眼差しや抑圧、性暴力について。

17人が自らの内面や傷ついた経験に真摯に向き合い、繊細に紡いだ言葉はすでに多くの読者の深い共感と支持を集めています。

 
連載時からSNSに「本になったら絶対に買う」と期待の声が寄せられた名企画の書籍化が、このたびついに実現しました。

私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。多様なテーマを含む一冊です。

 

『文學界』編集長・浅井茉莉子さんより

島本理生さん、村田沙耶香さんとの「女性が性/身体について率直に書く場があってもよいのでは」という会話から連載が生まれました。それぞれの性や身体は固有のもののはずなのに、外部から、また内部からの視線によって覆い隠されてしまっているものがあるのではないか。連載第一回、島本理生さんにお原稿をいただいた時に浮かんできたのが、「私の身体を生きる」というタイトルでした。

 
連載がはじまると反響が大きく、毎回楽しみにしていますという声だけでなく、私も書きたいと申し出てくださった方もいました。「多様性」という言葉が普及して久しいですが、ひとりひとりがこんなにも違う身体性を持っていることに毎回驚き、その違いに勇気づけられ、読むことは自らの身体を知ることでもありました。17人の筆者の方々が繋いでくださったリレーは、読む人を通して、未来を作るものだと思います。多くの方に読んでいただけると嬉しいです。

 

書籍化担当編集・丹羽健介さんより

この本の編集は驚きに満ちた体験でした。身体をめぐる記述の多様さに驚き、ゲラになってからも文章を彫琢する皆さんの熱に驚き、書かれている内容の多くを自分が今まで知らなかったことに驚きました。ぜひ手に取っていただきたいです!

 

本書の目次

島本理生「Better late than never」

村田沙耶香「肉体が観た奇跡」

藤野可織「『妊娠』と過ごしてきた」

西加奈子「身体に関する宣言」

鈴木涼美「汚してみたくて仕方なかった」

金原ひとみ「胸を突き刺すピンクのクローン」

千早茜「私は小さくない」

朝吹真理子「てんでばらばら」

エリイ「両乳房を露出したまま過ごす」

能町みね子「敵としての身体」

李琴峰「愛おしき痛み」

山下紘加「肉体の尊厳」

鳥飼茜「ゲームプレーヤー、かく語りき」

柴崎友香「私と私の身体のだいたい五十年」

宇佐見りん「トイレとハムレット」

藤原麻里菜「捨てる部分がない」

児玉雨子「私の三分の一なる軛(くびき)」

 

私の身体を生きる
西 加奈子 (著), 村田 沙耶香 (著), 金原 ひとみ (著), 島本 理生 (著), 藤野 可織 (著), 鈴木 涼美 (著), 千早 茜 (著), 朝吹 真理子 (著), エリイ (著), 能町 みね子 (著), 李 琴峰 (著), 山下 紘加 (著), 鳥飼 茜 (著), 柴崎 友香 (著), 宇佐見 りん (著), 藤原 麻里菜 (著), 児玉 雨子 (著)

17人の書き手が自らの「身体」と向き合って記す、生きるためのリレーエッセイ

私の身体はほんとうに私のもの? 私の身体はどんな視線にさらされ、どのように規定され、内面化されているのか。17人の人気小説家・美術作家・コラムニスト・漫画家・発明家が自らの「身体」と向き合い、ときにユーモラスに、ときに激しく、そしてかつてない真摯さで文章をつむぐ。「文學界」人気連載がついに単行本化。

著者は島本理生、村田沙耶香、藤野可織、西加奈子、鈴木涼美、金原ひとみ、千早茜、朝吹真理子、エリイ、能町みね子、李琴峰、山下紘加、鳥飼茜、柴崎友香、宇佐見りん、藤原麻里菜、児玉雨子の17人。

自分と自分の身体の関係を見つめる言葉が、これまで読んだことのない衝撃と共感をもたらす。

 


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