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村田沙耶香さん短篇集『生命式』英語版がアメリカ、イギリスで発売!

村田沙耶香さん短篇集『生命式』英語版カバー(左:UK版/右:US版)

村田沙耶香さん短篇集『生命式』英語版カバー(左:UK版/右:US版)

村田沙耶香さんによる衝撃の短篇集『生命式』(河出書房新社)の英語版が7月にアメリカ、イギリスで発売されます。

 

『コンビニ人間』、『地球星人』に続く話題作として、世界各国で注目!

世界的な評価を集めた村田沙耶香さんの芥川賞受賞作『コンビニ人間』、芥川賞受賞第一作『地球星人』に続き、短編小説集『生命式』が現在、各国で続々と刊行されています。

2021年8月に中国語繁体字版(台湾など)、中国語簡体字版(中国)が同時刊行。そしてこの7月には英語版(US、UK)が2つの出版社から揃って発売されます。

また、9月にはドイツ語版発売も決まっており、刊行準備中のイタリア語版とあわせ、6つの国と地域で出版が決定しました。

 
英語版のタイトルは『LIFE CEREMONY』。US版はアメリカの出版社Grove Atlanticから、UK版はイギリスの出版社Granta Booksから発売されます。どちらの出版社も世界的に知られ、多くの著名な作家を輩出している老舗の独立系文芸出版社です。いずれも、『コンビニ人間』(英語版タイトル『CONVENIENCE STORE WOMAN』)、『地球星人』(英語版タイトル『EARTHLINGS』)と同じ竹森ジニーさんによる翻訳です。

 
オリジナルは、2019年10月に河出書房新社から発売された単行本で、今年5月には河出文庫版『生命式』も刊行されています。

中国語版カバー(左:繁体字版/右:簡体字版)

中国語版カバー(左:繁体字版/右:簡体字版)

各国版のカバーデザインは、表題作「生命式」のテーマやモチーフを踏まえた、趣向が凝らされたものとなっており、各国各様、オリジナリティあふれるビジュアルが印象的です。

オリジナルカバー(左:単行本/右:河出文庫)

オリジナルカバー(左:単行本/右:河出文庫)

 

<早速高まる期待!海外のレビューより>

ニューヨーク・タイムズ紙では、刊行前の6月28日に本書についての書評が掲載され、「ムラタは、嫌悪感がどのように倫理を動かすのか、なぜある者は嫌悪感を抱き、ある者は抱かないのかに関心がある」「映画『ファーゴ』のようなグロテスクな笑い」と評価。期待の高さがうかがえます。

また、アメリカの出版総合メディアサイトLIT HUBでは7月5日に「夏を元気にする18冊」の1冊として、「読者に何が真実なのかを考えさせ、固定観念を完全に覆し、予想外の視点を開くミラーハウスだ」と紹介しています。

 

村田沙耶香さんより、英語版刊行にあたってのコメント

村田沙耶香さん

村田沙耶香さん

『生命式』は思い入れがある作品集なので、この度英語に訳されてさらにいろいろな方に読んでいただけることがとてもうれしいです。
翻訳されることは、本が生まれ直すことでもあると思っています。翻訳家の竹森ジニーさんに心から感謝しています。
いつか、また旅をして、現地の本屋さんでもう一度生まれた『生命式』と出会い、感想をお聞きできたらいいなあ、と夢見ています。

 

各英語版での『生命式』内容紹介

US版(Grove Atlantic)では、「家族と友情、セックスと親密さ、帰属意識と個性を描いたこの奇妙で素晴らしい物語の中で、ムラタはこの世界で人間であることの意味を何よりも問い、驚きと余韻のある答えを提供している」と本作を紹介しています。

 
UK版(Granta Books)では、「タブーを打ち破るホラー×フェミニズムの復讐劇、愛し合う老女や思いもよらない場所で共感と変容を見出す若い女性を描いた『生命式』は、現代フィクション界で最も独創的な作家による、小説の可能性の最先端を奔放に駆け抜ける作品である」と本作を紹介しています。

 
<本書のあらすじ>

「夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで」。人口減少が急激に進む社会。そこでは、故人の肉を食べて、男女が交尾をする、新たな“葬式”がスタンダードになっていた……表題作「生命式」や「素敵な素材」など、著者自身がセレクトした12篇を収録。はたして「正常は発狂の一種」か !? 未体験の衝撃と話題になった、文学史上最も危険な短篇集。

 

著者プロフィール

 
■著者:村田沙耶香(むらた・さやか)さん

1979年生まれ。千葉県出身。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。

2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年『コンビニ人間』で芥川賞を受賞する。ミリオンセラーとなった『コンビニ人間』は、30カ国以上で翻訳出版が決定。その才能は海外でも、大きな注目を集める。

他の小説に、『消滅世界』『地球星人』『生命式』など、またエッセイに『となりの脳世界』『私が食べた本』などがある。最新作は、2021年シャーリー・ジャクソン賞にノミネートされた表題作ほかを収録の短篇&エッセイ集『信仰』。

 
■英語版訳者:竹森ジニー(Ginny Tapley Takemori)さん

イギリス出身。2002年より日本在住。多くの近現代日本文学の翻訳を手がけている。

村田沙耶香さん著『コンビニ人間』(Grove Atlantic、2018年)は、2020-2021リンズリー&マサオ・ミヨシ賞を受賞。

主な訳書は、中島京子さん著『小さいおうち』(Darf Publishers、2019年)、村田沙耶香さん著『地球星人』(Grove Atlantic、2020年)。最新の訳書は、中島京子さん著「Things Remembered and Things Forgotten」(共訳、Sort of Books、2021年)。

 

生命式 (河出文庫)
村田沙耶香 (著)

夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!

 


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