『小説トリッパー』2022年冬季号は江國香織さん、森絵都さん、王谷晶さんの創作一挙掲載! 辻村深月さん×加藤シゲアキさん対談も
『小説トリッパー』2022年冬季号が朝日新聞出版より12月16日に発売されました。今号では、江國香織さん「川のある街 II」、王谷晶さん「君の六月は凍る」、森絵都さん「あした天気に」を一挙掲載。また、辻村深月さん×加藤シゲアキさんの豪華対談が実現。そして、小川公代さん「世界文学をケアで読み解く」と藤井義允さん「擬人化する人間――脱人間主義的文学プログラム」の長期連載2本が完結します。
江國香織さん、森絵都さん、王谷晶さんの創作一挙掲載
◆江國香織さん「川のある街II」
川の流れる小さな地方の市街地。海に面したその一帯を縄張りにするカラスたち一羽一羽の生態と、彼らが生息している同じ土地を舞台に、先祖代々暮らすもの、地縁から離れようとするもの、旅で訪れたもの、そして子どもたち――街にかかわる人々とカラスたちの姿を同じ質量で描く野心作。前作「川のある街」につづくシリーズ第二作。
◆王谷晶さん「君の六月は凍る」
7月の初めにわたしはその事実を知り、30年会っていない君のことを、そして君が住み続け、わたしが離れてしまった故郷の光景を思う。みんなが知り合いのこの小さな町で、君はいつもひとりでうろついていた――哀切を込めて描かれるふたりの出会い、交流の鮮烈な記憶。
◆森絵都さん「あした天気に」
うだつの上がらない会社員の一平は、ある日何気なく作ったてるてる坊主から不思議な出来事に巻き込まれ始める。久々の帰省、そして”あの日”以来となる高校の同級生・小春との再会に、一平の心は揺れ……。読めば心はればれ、晴天の青空のように爽快で愛らしい傑作短編。
辻村深月さん×加藤シゲアキさんが対談
朝日文庫創刊45周年を記念して、この秋に著作を文庫化した辻村深月さんと加藤シゲアキさんの二人によるスペシャル対談が実現しました。
文庫化された『傲慢と善良』『できることならスティードで』をお互いにどう読んだのか、また文庫化の意義から創作活動についてまで、広く語り合います。
小川公代さんと藤井義允さんの連載が完結
◆小川公代さん「世界文学をケアで読み解く」
現代人が失いつつある「他者へのケア」は、以前にもまして注目されています。最終回は「死者(ビラヴド)の魂に思いを馳せる――想像力のいつくしみ」。ノーベル文学賞受賞者のトニ・モリスンさんの『ビラヴド』、目下映画化でも話題になっている平野啓一郎さん『ある男』、石牟礼道子さん『苦海浄土』、ドリス・レッシングさん『夕映えの道 よき隣人の日記』をあつかう。
◆藤井義允さん「擬人化する人間――脱人間主義的文学プログラム」
朝井リョウさん、村田沙耶香さん、平野啓一郎さん、古川日出男さん、羽田圭介さん、又吉直樹さん、加藤シゲアキさんら2010年代に発表された文学作品を、1991年生まれの新鋭の書き手が「人擬き」という感覚を手がかりに読み解いてきた文芸評論の最終回では、アーティスト・米津玄師さんの作品を俎上に載せます。所与として情報化社会を生きる世代にとっての「文学」の意味を問います。
小説TRIPPER (小説トリッパー) 2022年 冬号
◆創作 ◆連作 ◆対談 ◆インタビュー ◆連載完結 ◆評論 ◆エッセイ ◆連載評論 ◆連載エッセイ ◆連載小説 ◆連作読切 ◆書評 〈クロスレビュー〉 〈文芸季評〉 〈エンターテインメント季評〉 〈本と書店をめぐる物語〉 〈永江堂書店〉 ◆第9回林芙美子文学賞〈事前選考通過作品発表〉 |
◆辻村深月さん×鶴谷香央理さん〈コミック版〉『傲慢と善良』第1巻が刊行 辻村さん・鶴谷さん特別対談も収録 | 本のページ
◆【第73回小学館児童出版文化賞】最上一平さん『じゅげむの夏』とザ・キャビンカンパニー『ゆうやけにとけていく』が受賞 | 本のページ
◆【第61回文藝賞】待川匙さん「光のそこで白くねむる」と松田いりのさん「ハイパーたいくつ」が同時受賞 | 本のページ
◆エッセイ連載「ロイヤルホスト偏愛」がスタート 朝井リョウさん、稲田俊輔さん、温又柔さん、高橋ユキさん、平野紗季子さん、村瀬秀信さん、柚木麻子さん他が執筆 | 本のページ