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第11回ポプラ社新人賞特別賞受賞!冬野岬さん『毒をもって僕らは』が刊行

ポプラ社は、「第11回ポプラ社小説新人賞」受賞作品を3ヶ月連続で刊行しており、1月刊行の新人賞受賞作『つぎはぐ、さんかく』(菰野江名さん)、2月刊行の特別賞受賞作『街に躍ねる』(川上佐都さん)に続き、冬野岬さんの特別賞受賞作『毒をもって僕らは』を3月15日に刊行しました。

 

時代の空気を腹の底まで吸い込み、一気に駆け抜ける、突風のようなデビュー作

本作は、不遇な高校生たちが「生きる証」を打ち立てようと駆け抜ける姿を、生々しい筆致で描いた物語です。

 
成績は振るわず、夢もなく、趣味は心霊動画を見ることくらい――そんな冴えない高校生が、不治の病とたたかう少女のためにすべての汚辱を引き受け、闇を突破していきます。

自分をよく見せる言葉も術も持たない彼らは、剥き出しの自分で生きていく。
ばかで、愚かで、みっともなくて、それでも何度倒れても立ち上がろうとする――。
その必死さに心うたれずにはいられない。

時代の空気を濃縮したような毒気と覚悟。
高校生の「いま」が装飾されていない形で描かれた著者のデビュー作は、突風のような面白さで読者をラストへと連れ去ることでしょう。

 
<あらすじ>

高校生の木島道歩は、尿路結石で入院していた病院で16歳の誕生日を迎えた。またみんなに馬鹿にされる……。そんな木島に「ねえ、君にお願いがあるんだ」と声をかけてきたのは、不治の病とたたかう綿野という少女だった。「この世界の、薄汚い、不幸せなことを私に教えてくれないか。もっと、もっと、もっと」――。二人は「生きる証」を打ち立てようと、嘲笑と裏切りを突き抜けて進んでいく。

元書店員のこな・つむりさんからの応援POP

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著者プロフィール

著者の冬野岬(ふゆの・みさき)さんは、1988年生まれ。愛媛県松山市在住、徳島大学総合科学部卒業。在学中から小説を書き始める。本作にて第11回ポプラ社小説新人賞特別賞を受賞。

「田舎大好き人間」で趣味はドライブ、映画鑑賞。愛犬はミニチュアダックスフント。

 

毒をもって僕らは
冬野 岬 (著)

<第11回ポプラ社新人賞受賞作>

つぎはぐ、さんかく
菰野 江名 (著)

<選考員満場一致! 第11回ポプラ社小説新人賞受賞作>
「たとえそのつぎ目が不格好でも、
つながっていられればそれでいいと思っていた。」

惣菜と珈琲のお店「△」を営むヒロは、晴太、中学三年生の蒼と三人兄弟だけで暮らしている。ヒロが美味しい惣菜を作り、晴太がコーヒーを淹れ、蒼は元気に学校へ出かける。
しかしある日、蒼は中学卒業とともに家を出たいと言い始める。これまでの穏やかな日々を続けていきたいヒロは、激しく反発してしまうのだが、三人はそれぞれに複雑な事情を抱えていた――。

傷つきながらも身を寄せ合って生きてきた三人が、懸命に明日を紡いでいくための物語。

<第11回ポプラ社新人賞特別賞受賞作>

街に躍ねる
川上 佐都 (著)

小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると「普通じゃない」らしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。同級生や大家さんとの会話を通じて、初めて意識する世間に戸惑い葛藤する晶だが、兄と交わした言葉を胸に日々を懸命に生きていく。
第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。読んだ後にきっと誰かを大切にできる、人と人との関わりの物語。

 
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